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メディアグランプリ

【レベル3】のジュラシックパークから抜け出す方法


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:山田 真知子(ライティング・ゼミ日曜コース)

 
 
グレーのスーツを身に纏ったヤツは自分の家のように友人を私の家に連れ込んでいた。
帰りが遅くなってしまった夜のことだ。
昼間に干しておいた、物干しハンガーとバスタオルを取り込むときのことである。
物干しハンガーをはたいて部屋に取り込み、バスタオルを取り込もうと再度ベランダに出ると、二つの熱い視線を感じた。
ようやく暗さに目が慣れてきて、ものが認識できるようになった私は固まった。
「!!!!」
ハトが二羽こちらに熱いまなざしを送っている。
声は出さないが、ものすごくびっくりする私。
まるで、ジュラシックパークで恐竜に睨まれているかのように、どうしたらいいのかわからない私は静かに佇んでいた。
居心地が悪くなったせいか、彼らはバサバサと居心地のいいところへ飛び立っていった。
状況が呑み込めないままバスタオルを握りしめ部屋に逃げ帰る。
 
声も出ないほど怖かった。私は突然現れる生き物がとても苦手である。
「平和の象徴」 やら 「平和のシンボル」 と呼ばれ、無害のように見えるハトがこんなに恐怖の生き物に感じたのは初めてだ。
 
とりあえずハトが来ないように“ハト” “嫌いなもの”で検索をかけると一番最初に上がってきた広告ページのキャッチフレーズにさらなる恐怖を覚えた。
 
「ハト完全駆除 手遅れになる前に」
 
“手遅れ”とは、ただならぬ雰囲気満載である。
調べるところによると、ハトはジュラシックパークの恐竜たち同様に、想像以上に賢いのだ。
その賢さゆえに、ハトには行動レベルがあることを知った。
 
【レベル1】 様子を伺う : 遠くのほうで安全なところはないかと物色している
【レベル2】 昼間にちょっと寄ってみる : 昼間ちょこっと遊びに来てフンを落とすなどして安全を確かめに来る
【レベル3】 夜に泊りにくる : 昼間安全が確認できると夜も安全にすごせるかどうか確認しにくる
【レベル4】 巣を作り卵を産む : 夜の安全が確認できたところで、正式に家づくりを始め暮らしだす
*【レベル3】【レベル4】までくると個人で駆除するのは困難になり、業者に頼む場合が多い
 
突然の出来事で混乱しつつも現状を整理すると、我が家のハトは【レベル3】で結構ヤバい状況と思われる。
ヤバさついでだが、ハトの糞はとてつもなく菌を保有しており人体に影響を及ぼす可能性すらあるらしい。にもかかわらず、鳥獣保護法で守られており、駆除方法を間違えると、一年以下の懲役か100万円以下の罰金だ。
なんとも厄介な恐竜(ハト)に目をつけられてしまったものだ。
 
今はいないが、明日の朝カーテンを開けたらもう遊びに来ている可能性が高い。
法律にふれることなく、できる対策は匂いだろうと考えた私はハトは嫌いな匂いのひとつ“ハーブ系の香り”を探した。いま準備できるものはちょいとお高めのハーブ系の虫よけスプレーだ。
値段も気にせずプシュプシュとハトがとまれそうなところにスプレーを振りかける私。
まるでジュラシックパークで恐竜が来ない安全なところを見つけ生き延びる人間たちのように、こちらも必死だ。
 
昼間は3~4時間おきくらいに、お高い虫よけスプレーを振りかけたが、こちらが気を抜くと、ハトはすぐに遊びにやってくる。ハトという恐竜から身を守り、安全な場所にするにはしっかりとしたバリケードが必要なのだ。
次に私は手すりに止まらないように、洗濯バサミとテグスで自作のバリケードを作る。
自作のバリケードの効果は絶大で手すりに止まることはなくなったが、気が付くとベランダにハトがいる。
 
私は完全に“ハトノイローゼ”になっていた。
“【レベル3】だから駆除業者に頼むしかない” と、あきらめてビルの管理会社に事前連絡をすると
「明日行きますね」と、ひとこと。
翌日、我が家に来た管理会社は淡々とプラスチックの小皿にペースト状の薬剤を入れベランダに設置し「また来るようならいってください」という言葉を残し帰っていった。
 
「え…… これだけ?」
ハトノイローゼになっている私は、まったく信用していなかったが、ハトはぴたりと来なくなった。
私がノイローゼになりながら恐竜と戦った日々が嘘のように、静かなベランダになった。
自作のテグスバリケードも平和そうに風に揺れている。
 
やはり我が家は【レベル3】だった。自分でどうにかする前にさっさと詳しい人に助けを求めればよかった。
プロに相談することでもっと早く解決できたものを、自分でどうにかしようとしたが為に、ノイローゼになった。
パソコンで調べるまではよかったが、素直に言うことを聞いておけばよかったと反省しながらも、ハトノイローゼから解放された私の生活はいたって平和だ。

 
 
***

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2018-07-25 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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