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メディアグランプリ

「サンキューコンプレックス!服で人生変わった理由」


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:大島(ライティング・ゼミ特講)

 
 
私は中学生の時から服に夢中なのである。そのきっかけは、学校終わりに制服から私服に着替えてプリクラを取りにいこう! となった時のことだった。足早に家に着いてすぐにタンスを開けてみた。
すると「え、服ないんだけど……」と嫌な予感。
制服を着る毎日で、私服に無頓着なわたし。仕方なく姉の服を借りて着てみた。
「これダサすぎる、工作員みたいな格好じゃん……」
当時、服のことが分からない自分でも、まったく似合っていないのはよくわかった。
でもこれしかないから行くしかない。集合場所に着くと、友達がすでに待っていた。
「か、かわいい……」
心の中でつぶやいた。可愛い服を着て、しかもその服が似合っていたのだ。
私服姿の友達はなんとも眩しく見えた。
なんでそんな着こなせる? 自分で選んだの? と心の中で思っていたけど、なんだか悔しいから言わなかった。その時プリクラを取りに行ったことよりも友達に会った瞬間の風景だけは今でも記憶に残っている。衝撃を受けたのだ。
そして、その日の衝撃(コンプレックスともいう)から、コンプレックスを解消するための服好き人生がはじまったのであった。
 
社会人になり7年目、25歳、私は転職3回目を迎えていた。
いまだにこれだ! という天職には出会っていない。
服好きだけでアパレル会社を転々としていたのだ。
しかし現実は毎日あさ7時に起き、夜7時に帰宅。家と会社を往復する日々に慣れ、家に帰ったら友達とLINEをしながらテレビを流し見、だらだらとする生活。それがいいもわるいも思わず、それをするしかなかったのだ。
こんな生活をしていても、いつも心の片隅には、わたしはまだ本気を出していないだけだから、と思う自分がいた。
 
そんなある日、6つも年下の男の子と話す機会があった。
会ってすぐ、その子が履いているパンツに目が離せなくなった。
真っ赤なレザーの、見たこともないような変わったデザイン。
思わず「なにそのパンツ!? 」と言って、話を聞いた。
彼は、有名なデザイナーズブランドのパンツなんだと言う。
「そのブランドって高いんじゃないの? 」と聞くと、
「うん高かったよぉ~でもこれはすっごく格好よかったから絶対欲しい! と思って親父に借金してまで買ったんだ(笑)」と照れくさそうに言った。
「……」言葉がでてこなかった。
本当に見た事もないくらいステキな服だったからというのもあるけど、一番はこの男の子が自分の気持ちに1mmも妥協していないのが伝わってきたから。
こんなに服に対して全力な人に会ったのは初めてで、6つも年下で、しかもお金もないのに、自分の着たい服、好きな服をあきらめない心を持っていた。
わたしも服好きだけど、この男の子に比べたら……となんだかちっぽけに思えた。
 
ちっぽけな自分を感じる出来事がもうひとつあった。
5月初旬、衣替えをしようとタンスを眺めていた。
私はタンスにしまっておいた服の記憶をたどりながら「あ、これ去年ZARAで買ったトップスだ。」と手に取り、広げた。
1秒後にはこう思った。「今年はもう着れないな。」
この服を買った時の自分を思い出した。「あ、なんか使えそう、流行ってるし、安いし」と買っていた。
自分に問うてみる。本当にこの服が好きだった?着たかった?なんで買った?と。
そしてあの年下の男の子のファッションを思い出して、なんだか違和感を感じた。なんか違う。
その時に買い方、変えよう。と思った。
 
それから私は買い物に出掛けても、本当にいい! と思えるものだけ買おうと心に決めた。二つのことを実践してみた。
ひとつめは、これ欲しいなぁと思うものはあったが明日になっても欲しいと思うか?を実験してみようと思い、1日寝かせてみた。するとその服のことは忘れていたくらいだった。
ふたつめは、本当にいいと思えるものとそうでないものの見分け方だ。
いいなと思う服があったとして、値札をみたらセールになっている。でももし、これが定価だとしたら買うか?安くなかったとしたら?と想像してみる。
もし買わないなら、それはいらないもの。欲しい理由に安さが先行しているはずだ。
今の時代、どうしてもファストファッションは安さに目が行ってしまいがちで惑わされる要素がたくさんある。
 
衝動買いではなく、自分に素直になる買い物の仕方を始めて約3ヶ月経った頃、わたしの周りには、本当に好きな服に囲まれた状況になった。
本当に好きな服は、何度見ても心がときめく。その度に私は笑顔になる。
今着ているTシャツから靴まで、全身の説明ができる。どこで出会って、どういう店員さんで、どういう話をしながら買った、と細かく話せる。服の自慢ができるくらいになった。
そしてそんな服たちをまとう自分が好きになり、自然と自信が持てた。
 
服からはじまった買い方を変える行動は、自分の人生を変える行動のきっかけになっていたとあとで気が付いた。服の買い方だけではなく、時間の使い方も変わってきたのだ。ムダなものは排除して、シンプルに。勤めていた会社もやめて、独立することにした。毎日が自己責任だけど、楽しい。
それでいいと思った。気付いたら自分自身が変わっていた。
前よりも毎日がウキウキして楽しく生きている。服は人生を変える鍵を握っている。
あなたも好きな服で、人生を変えてみてはいかがだろうか。
 
 
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2018-08-09 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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