メディアグランプリ

私は、断崖絶壁の崖の上で、船越英一郎にピストルを突きつけられた。


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:あさのあきお(ライティング・ゼミ日曜コース)

 
 
「もうここまでだ!」
私は、断崖絶壁の崖の上で2時間サスペンスの帝王、船越英一郎にピストルを突きつけた。
振り返って下を見る。足が震え、血の気が引いてくるのも判ったが、何も出来ない自分がそこに居た。
 
 
1ヵ月前の出来事。
「会社を辞めて転職しようか考えています」
と、部下は上司の私にこんな言葉を投げた。
この部下、ゴールデンウィーク明けから気の無い仕事っぷりに、また病気が始まった。と、思いながらしばらく様子を見ていたが、遂に会社を辞めると言ってきた。
気持ちの浮き沈みが激しい部下だが、3年に1回ぐらい大きな波がやってくる。
「辞める事も転職する事も止めないけど、この会社の名刺が無かったら、自分は何が出来る?」
私は部下にこんな言葉を返した。
部下から返ってくる言葉は無い。
「辞めるにしても経済的な事があるから、嫁さんとよく相談して決めたら」
と、付け加えた。
部下は家族会議の結果、仕事を続ける事になった。
 
「いま、勤めている会社の名刺が無かったら、自分は何が出来る?」
25年前、元警察官僚の大学教授が私に問いかけた言葉だった。
この教授は続いて、
「私は東北出身だから、方言を活かして東京でリヤカーを曳いて焼き芋屋さんでもするかな」と、笑いながらそう付け加えた。
迷っている同僚や部下に私はこう問いかけている。
 
「会社の名刺が無かったら、自分は何が出来る?」
 
そんな事を同僚や部下に問いかけている自分も、すでに現場を離れて5年以上が過ぎ、中間管理職となって、一日中パソコンと睨めっこしている自分に問いかけてみた。
 
「会社組織を離れて、自分は何が出来る?」
 
最近は、どこの企業でも通用する力や雇用される力を「エンプロイアビリティ」と言うそうだけど、出来る事はWord/Excel/PowerPointを人並みに使えるぐらいか。学歴もなければ、資格も無い。他人からお金を頂戴する事が出来るスキルはなど何も無い。転職は考えていないが、自分の能力を価値に置き換えて考えたら、
 
「自分が経営者だったら、こんな人間にお金を払えるか?」
 
問いかければ問いかけるほど、背筋が寒くなった。
そう、私は断崖絶壁の崖の上でピストルを突きつけられている犯人の気分になった。後ずさりすれば崖から落ちる。立ちすくんでいては何れピストルで打たれる。両手を上げて諦めてしまうか? 自ら崖から飛び降りるか? 自問自答して出した答えは、
 
「そんな人生、面白くないから、往生際が悪くても、目一杯悪あがきする」
 
何もしないで怯えていても仕方がない。今の自分は何も出来ないかもしれないけど、まだまだ遅くないはず! ただただ時間だけが過ぎてしまう人生など面白くない。
だから、学ぶことで自分を変える事にした。これが、私が天狼院でゼミを受講し始めたキッカケ。
 
フルスロットル仕事術
フリーランスとして生きるためのマーケティング講座
時間術ゼミ 
ライティング・ゼミ 
 
天狼院はNHKの「人生デザインU-29」で知り、池袋に行くと本を買うだけだったが、京都天狼院だったら最終の新幹線だったらギリギリで自宅に帰る事が出来るからと、立て続けにゼミを申し込み受講し始めた。
ゼミを受講し始めて、改めて会社や仕事にも向き合い、また自分自身、いや自分の人生と向き合う事で、向かっていく先が霧で見えずにいたが、少し光が射した気がする。「何が出来るか?」を考えると、「何がしたいのか?」と問いかける自分がいる。なかなか答えが見つからないが、漫然と時間を消費していたことが嘘のようだ。
学びが進んでいけば「何がしたいか?」の答えが見つかるかもしれないし、見つからないかもしれない。でもでも、目一杯悪あがきする事に決めた自分の未来が楽しみになってきた。もしかしたら新しい自分と出会うかもしれないし、新しい世界に飛び込むかもしれない。
50歳になり、残りのサラリーマン生活や、定年後の自分を考えても、霧の中で彷徨っているだけだったが、天狼院での学びが始まり、ようやく未来に対してポジティブに考えられるようになった。まだまだ、学びが始まったばかりだ。天狼院と出合った事が、偶然ではなく必然であったと思えるような「出会い」や「出来事」が待っているような気がする。
私にとって、人生を変えるライティング・ゼミとは、ライティングを通じて、自分に向き合い、人生に向き合う事のように思えてきた。

 
 
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2018-08-22 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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