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自由な人生なんてまっぴらごめんだ


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:川島 匡晴(ライティング・ゼミ平日コース)

「早く休みの日がこないかな」

そう思っていた会社員時代。土日休み前の金曜日の夜は仕事から解放された開放感で自由を謳歌していたことを思い出す。

明け方5時までお酒を飲みながらくだらない話を友人としたり、夜な夜なドライブをしたり、お酒を飲みつつレンタルビデオを自宅で観たり、そんな自由な時間を楽しんでいた。でも、今では金曜日の夜がそこまで楽しくなってしまった。

僕は3年前に会社を興した。新婚旅行で行ったハワイが好きになり、ハワイでも出来る仕事を始めたいと思った。そのため、時間と場所を選ばない仕事をしようと決めたのだ。

嫁の協力もあり、僕は会社を辞めて全く別業種であるIT業界の技術を勉強し、ネット環境とパソコン一台あればできる仕事を始める事ができた。

だからこそ、なるべくして、いつでもどこでも仕事が出来てしまう環境になった。

「自由そうでいいね」

元々勤めていた会社の同期は僕に会うたび、そのよう羨ましがって言ってくる。確かに、僕に仕事の指図をする人はクライアント様以外いないので、オフィスでは誰かに監視もされないのでほぼほぼ自由なのかもしれない。でも、あの金曜日の夜の高揚感のようなものは一切なくなってしまった。どうしてなのだろうか?

土曜も日曜も、お盆もゴールデンウイークも関係ない。クライアント様から連絡がくれば仕事をするし、急な用事で関係各所から電話がかかってくるかもしれないのでスマートフォンをてばなすことはできない。

自由になりたくてこの仕事を選んだのに、逆に不自由になってしまったのだ。

また、自宅でも出来る仕事なのに、オフィスも借りてしまっている。毎日ほぼほぼ決まった時間に家を出発し、決まった時間に帰宅しているのだ。

これって自由なのかと疑問になる。時間や場所の自由を求めて起業をしたのに、決まった時間に決まった場所で仕事をする。

他にも、自分の自由な時間を捻出するために、人を雇用したのだが、これがまた僕自身の首をしめることになった。スタッフに報酬を支払うために、自由に使えるお金が激減したのだ。

時間の自由を得るために、お金の不自由さを感じている。これって自由なのだろうか。時間的な自由を手に入れるために、お金の激減という不自由さを我慢しなければいけないのだろうか。

何かを引き換えに何かを犠牲にするということなのかもしれない。

僕が今までで最大の自由を感じられた瞬間は、学生時代であればテストが終わった時で、会社員時代であれば金曜日の夜だった。

テスト勉強をしなければいけないという不自由さから解放された瞬間や、月曜日から金曜日まで続く仕事から解放された瞬間がもっとも自由を感じることが出来た。

ということは、自由を感じるためには、あえて不自由な環境を作り出さなければいけないということになる。

おそらく、僕が決まった時間に仕事へ行き、決まった場所で仕事をしているのも、あえて不自由な環境に自分の身を置き、それで自由を感じたいからなのかもしれない。自由になるために不自由な場所を選ぶという、自分でもわけのわからない状況に陥っているのだろう。

そういえば高校時代に友人が話したことを思い出す。

「毎日決まった時間に寝て、決まった時間に起きて、決まったことをすると幸せな気持ちになる」

自由であることと幸せであることは違うのかもしれない。むしろ、自由になりたいという人生の目標そのものが間違っているのだ。

何故なら、自由になるためにはある程度の不自由さが必要であるからだ。ということは、僕は自由になりたくて会社を興したし、仕事をしていたのだけれど、「自由になりたい」と思う事自体が不自由さを必要とするのだから、きっと本末転倒なのだ。

自由になりたいという人生の命題を変えることが重要なのだ。

一体全体何を目標に自分の人生を生きればよいのか、考えていた時、高校時代の友人が言っていたあの言葉をふと思い出したのだ。

自由だと感じられる人生にはきっと不自由なことがいっぱいあるのだ。

僕はこれから自由になるためではなく、幸せになるために生きていこうと思う。そうすれば多少の不自由さは全く気にならないだろうし、「自由に生きていきたい」と束縛する自分の固定観念にも振り回されずに済むだろう。

会社員の頃、それはそれは不自由な生活だった。上司からの決裁をもらえなければ何もできない不自由さや、一挙手一投足を監視される不自由さ。あの不自由さからの開放感は格別だった。「俺はなんでもできる」とさえ思えるほどの開放感をくれた事に対して、勤めていた会社には感謝しなければいけない。

ただ、あの頃のような自由な人生なんてまっぴらごめんだ。最高の自由を感じるためにがんじがらめな不自由さを感じるくらいなら、自由なんて感じられなくても良い。

僕は今日も同じ時間に同じ場所で仕事をしている。それが少し不自由であったとしても、幸せを感じられる人生なのだ。

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この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。
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2018-10-17 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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