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手軽に離婚をした後は、尻軽になれとのご神託


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:中沢真弓(ライティング・ゼミ日曜コース)

 
 
いざ行動を起こしたら、「離婚」はもはや商売だった。
必要なことは、ただ一つ。
「ネットで行政書士を探す」こと。
1時間無料の面談の間、こちらは質問に答えるだけで、
それからは一度も会う事なく、LINEと電話でやりとりし、
約束事を記した「離婚協議書」も、
それを公的な文書にする「公正証書」も、
あちらが約束を破った場合に裁判所へ訴えるための「送達」までも、
済んでしまった。
もちろんお金は支払うが、銀行振込だ。
人任せで、何て手軽に出来るのだろう。
離婚はこんなに簡単なものなのか。
他のサイトには「離婚パック15万」なんてものさえあった。
 
よく「離婚は結婚の10倍エネルギーを使う」と聞くが、
実際、ふたりで築き上げたものを分けるのだから、相当な作業になるだろう。
幸か不幸か、うちはお金もなければ家もない、育児は私のワンオペだ。
結婚としては不幸かもしれないが、離婚するには幸いだった。
 
さて、離婚の手続きが済めば、
大事なのは「これから」だ。
「これからどう生きるか」を、夫に振り回されず、決められる。
その自由があると同時に、
「自分で何とかしなくてはならない」
子供達は後3年で独り立ちする予定。
養育費はそれまでだから、
3年後には、自分ひとりの収入で生きていかなければならない。
現在私は契約社員で、月10万に満たない収入である。
さて、どうするか。
今の会社は環境が良く、転職して辞める気にはなれない。
ダブルワークを考えたが、昨今労働時間に厳しく逆にやりづらい。
それに、時間をお金に換算する労働では、いくら働いても安定しない。
ダブルどころかトリプルワークして、
それぞれの有休で、月に3日だけ休む人もいるらしい。
「私には出来そうにない」
あとどれくらい私は生きるのだろう。
人生100年時代というが、我ら団塊ジュニアが100まで生きたら、
子供世代は大変な目にあうに違いない。
ちょうどいいところでぽっくり死ねたら、一番迷惑かけないだろう。
そう考えて、仕事はさておき、まずは葬儀と墓のことを調べた。
葬儀は何もしなくていい。墓もいらない。
正直骨なんて粉にして、その辺に撒いてくれてもいいくらい。
そんな人が多いのか、調べたら火葬場へ直行する「直葬」がある。
無宗教で、直葬でも12万かかる。
お墓は「合葬墓」というのがある。みんな一緒に一箇所の墓を使う。
3万程払えば、その後は何もいらないらしい。
となれば、お金は合計15万ほどあればいいのだ。
一気に気分が軽くなった。
 
さて、次はいよいよ仕事のことだ。
なんせ葬儀と墓を決めてしまった後だ。
安心して死ねそうだから、それまで好きに生きたくなった。
ところが、自分の好きなこともはっきりしない。
これまで夫不在の家庭で、ひとりで育児も家事もしてきた。
自分の時間なんて、ないに等しい。
自分が好きだったことなんて、いつの間にか忘れて生きてきた。
毎日毎日、ご飯の用意と洗濯と、家計の足しの仕事までして、それで一日が終わるのだ。
だからと言って、自分を犠牲にしてきたという感覚はない。
子供の成長をそばで感じるのは、何よりも幸せだ。
大きくなれば、焼きたい世話も焼けないさみしさが生まれるのだ。
 
私の好きなことってなんだろう。
そこで占いに行った。
結構多いのではないか?
本気で悩んでいる時ほど、占いに行く女性。
「自分の好きなことがわからない」
おかしな質問だが、占い師が言うに、
「尻軽に、あれもこれも手を出してみて」
「子供の頃を思い出してみて。何をして遊んでいたか、何をするのが好きだったか」
私はひとりが好きだった。
遊ぶのはいつもひとりで、絵をかいていた。
星や宇宙が好きで、占いも好きだった。タロットを覚えたのは小学生の時。
音楽も好きで、吹奏楽部に入っていた。
……ここで考えが止まった。
「子供の頃好きだったこと」から、
「生活の糧」が想像できない。
絵を描いたり、楽器を弾いたりが好きでも、
結局普通に勉強して、普通に大学へ行き、普通に就職をした。
才能がある人なんて一握りだから、
普通の道を行くのが当たり前と親からも言われた。
今だって言われる。
「時給がいい仕事がある、ドラッグストアで働いたらどうか」
 
あと何年生きるかわからないが、ここは好きにさせてもらおう。
「お金のため」に時間を犠牲にしたくない。
そんな感覚で働きたくないし、それは続かない。
好きな今の会社で働きながら、あと3年、尻軽に自分を試させてもらおう。
占い師なんていいじゃないか、資格もいらない、
なんせ10分で1000円だ。時給にしたら6000円。
 
死の瞬間、私は何を考えるだろうか?
「どう生きたか」「どれだけ楽しめたか」に違いない。
そこらか遡って、「今何をするか」を選択したい。
平均寿命からすれば丁度折り返し地点の40代半ば。
そこでせっかく離婚に成功したのだ。
第二の人生へ、尻軽に挑戦を始めよう。

 
 
***

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2018-10-17 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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