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「横断歩道の白いとこ以外はマグマ」ゲームから脱け出せない男。


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:ノムラカヲル(ライティング・ゼミ平日コース)
 
小学校の帰り道、友だちの一人が突然叫ぶ。
 
「白いとこ以外はマグマね!」
 
その声を合図にこのゲームはスタートする。
 
古今東西「子どもの頃あるある」としてよく語られるネタの一つが、この「横断歩道の白いとこ以外はマグマ」ゲームだと思う。万が一、知らない方もいるかもしれないので、念のためそのルールを説明させてもらう。
 
「横断歩道の白いとこ以外はマグマ」なので、そこに足を踏み入れたら死亡。負け。
 
極めてシンプルである。
 
この他にも「子どもの頃あるある」の遊びとして、「家に帰り着くまで石を蹴りながら(ドブ川に落とさないように)運ぶ」ゲームや、高速道路を走行中の「トンネルに入ったら息止める」ゲームなどがあった。
 
特に道具を使わず、思い付いた瞬間に遊びを始められるというのが、小さい子供にとって都合がよかったのかもしれない。
 
子どもの頃は誰もが一度はやったことがあるであろう、これらの遊びであるが、中学生にもなるとそんな子どもじみた遊びは誰もやらなくなる。いや、小学校3年生くらいまでには既に廃れていたような気がする。 
 
しかし(今年で25歳になる)私は、この「横断歩道の白いとこ以外はマグマ」ゲームに代表される、これらの「思い付いた瞬間に脳内で遊べる」ゲーム、いわば『自分ルール』ゲームから未だに脱け出せないままでいる。
 
まず、小学校を卒業し中学生になった私は、この『自分ルール』ゲームを一種の『願かけ』として活用し始める。「〇〇がクリア出来たら××が叶う」という具合に。
 
例えば、私は野球部に所属していたので、部活の帰り道に自転車を漕ぎながら「一回も地面に足を着かずに家に帰れたらバッティングが上手くなる」というゲームをよくしていた。このゲームは「信号待ちで停止せざるを得ない時に、いかに上手くガードレールに足を乗せて車体の安定を図るか」というのがクリアするポイントとなる。もちろんバッティング技術向上との因果関係はない。
 
さらに、教室で「紙くずをここから投げてゴミ箱に入ったら彼女ができる」ゲームもよくやっていた。これについては何故かその後、本当にガールフレンドができてしまった経験がある。
 
かなりマニアックな部類になると、試験期間中に「単語をぎっしり書き込んだノートを破って丸めて空中に放り投げて口でキャッチできたら明日のテストでいい点が取れる」ゲームも行なっていた。よく分からない。なんせ『自分ルール』である。
 
もはや『願掛け』として願い事が叶うことよりも、「自分で設定したルールを自分でクリアして自分一人で満足する」ということを楽しんでいた。
 
中学校を卒業し高校生になると、部活の練習も激しさを増す。それに伴って『自分ルール』ゲームも、よりストイックに変貌していった。
 
「家に帰って素振りを500本やれば、明日の試合でヒットが打てる」「このダッシュのラスト3本、全力を出し切れなかったら俺はレギュラーにはなれない」など。
 
もちろん、素振りを500本こなした次の日にヒットが一本も打てない、なんてことは何度もあった。設定した『自分ルール』ゲームをクリアしても、結果の出ないことの方が多かった。その分余計に悔しい思いをしたが、当たり前といえば当たり前の話である。
 
それでも、私はこのゲームをやめられなかった。
 
『自分ルール』ゲームは、頭に浮かんだ瞬間から強制的に参加させられる。逃げようとすると、その時点でゲームオーバー。ヒットは打てないしレギュラーにもなれない。ゲームが発動したことは自分が一番よく分かっているので、「やっぱりやーめた」と突っぱねようとしても自分自身が納得しないのである。
 
今考えると、思い込みが増大しすぎて、ある種の強迫観念のようになっていたのかもしれない。
 
しかしそんな中、苦しみながらも、脳内に浮かんでくるミッションをひたすらこなすことで、私は選手としてメキメキ実力を伸ばすことに成功し、ついにはレギュラーの座を獲得することができた。
 
自分を追い込むために、より高みを目指すために、非常に有効な手段として『自分ルール』ゲームを活用することが出来ていたのである。
 
そして、現在の私(25歳)は、未だにこのゲームから解放されないままでいる。
 
例えば、朝。
眠くて布団から出られない時は、すぐに「10秒以内に起床しなければ生涯独身」ゲームが始まる。小学校の帰り道に、友達の誰かが 
 
「白いとこ以外はマグマね!」
 
と叫ぶのと同様、脳内の自分が
 
「あと10秒で起きれんかったら一生彼女なしね!」
 
と言い出すのである。あまりにハードすぎる。しかし、『自分ルール』ゲームは絶対である。一生彼女が出来ないのは本当に嫌なので、パッと飛び起きることができる。
 
最近では、「月曜日の23時59分までに課題が提出できんかったらライターになるのは無理」ゲームがよく開催されている。そのプレッシャーのおかげか、今回もなんとか無事にクリアできそうだ。
 
このように、小学生の頃の「横断歩道の白いとこ以外はマグマ」ゲームは、今の自分にとって欠かすことのできない、立派な『ライフハック術』となっているのである。
 
ただ、本当に病み付きになってしまうので、あまりおすすめはしていない。
 
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この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。
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2018-11-23 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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