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メディアグランプリ

前略 ラジオリスナーの皆さまへ こういうお便りを待っています


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

【12月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《日曜コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

佐野利恵(ライティングゼミ・平日コース)

ラジオに出たことがあるだろうか。
そこはたった一人のスタジオだ。
助けは居ない。
左側を見やれば、分厚いガラスの向こう側で年上の男性ディレクターが機材をいじっている。

目の前には、マイクのON・OFFを切り替えるスイッチがある。
いつも間違えそうになる。実際、間違えて押してしまって
ディレクターにだけ話したと思った言葉が、電波に乗ってしまったこともある。
その時のトラウマもよぎって、鼓動が早くなる。
「左を押したらディレクターへのトークバックで、右のマイクカフを降ろしたら放送開始で……」
パソコンはミュートになっているか。
ストップウォッチは0秒になっているか。
携帯は、今日の天気は、最初の一言は――

あわあわとしている間に、オープニングテーマが流れる。陽気な番組のタイトルコール。
5、4、3、2……

「Good Afternoon!」

やけに明るい、自分の声がヘッドホンから届く。
定形文のオープニング文を読み、アドリブのオープニングトークへ。
ここまでくると、もう緊張している余裕もないから、ただ無心で話し続ける。

こんな日が、毎週やってくる。
私はラジオDJだ。

東北の某FM局で、音楽番組を担当している。
もうすぐ8か月。自分がメインDJをつとめるラジオ番組はこれが初めて。
つまり、新人ラジオDJだ。

8か月前は、マイクカフの下げ方すら知らない、右も左もわからないラジオの素人だった。
こんなことを言ったらプロ失格、と叱られそうだが
実際にほとんど何も知らない状態だったので、全国のラジオ番組をかたっぱしから聞いて必死に勉強している。

私はいくつか仕事をしていて、そのうちの一つがMC業、いわゆるイベントの司会などしゃべるお仕事だ。
そのなかで本当に貴重なご縁と幸運が重なり、急遽番組の担当を任せていただいた。
いただいたのはいいのだが……

新人DJほど、寿命が縮むものはない。

こんなに生放送は怖いとは思わなかった。いや、本当に怖い。
何が難しいって、正しい情報を正しく伝えること。これが簡単に見えそうで、意外と難しいのだ。

聞きなれているはずの歌手の名前を間違えたり、CDのタイトルを読み間違えたり
雷注意報が出ているとき、「雷警報が発令されています」と言ってしまったり
すでに梅雨入りしているのに、「もうすぐ梅雨の季節ですね」と言ってみたり
これらの誤情報が編集なしで、待ったなしで数万人のもとへと届けられる。

言ってしまった数秒後に「違うよ」とヘッドホンからディレクターの注意の声。
やってしまった、と引いていく血の気。
あれは寿命が縮む。

しかし問題は、間違いを恐れるあまり慎重になりすぎると、とかくつまらない番組になるということ。

もっと言えば、どんなにミスなく放送できても、「面白さ」が無ければサービスにはならない。
おしゃれなトーン、ほっとできるトーン、元気なトーン……と試行錯誤をしてみたが、結局のところ一番反響がいいのは「くすっ」と笑える瞬間があった回であった。

ただし、自分で笑いを取りに行くことほど難しいものはない。
ただでさえ、石橋を叩いて、更に叩いて渡る、くらいの慎重さが求められる生放送だ。

こんなときに、ラジオDJにとってリスナーのメッセージは
放り出された海原で手渡された浮き輪、台詞を忘れたときに舞台袖からすっと見えるカンニングペーパー……たった一人のスタジオで震える新人DJが、唯一頼れる貴重な助っ人なのだ。

DJは番組を盛り上げたいと思っている。
しかし、立場上言えないことも多いし、同時に2つ3つのことをこなしながら番組をこなすからネタを咄嗟に思いつく余裕もない。

だから、まぁちょっとずるいが、自分じゃ振れないようなブラックジョークや面白い話題を、リスナーが提供してくれたらもう最高なのだ。
ありがとう、とお礼の手紙を書きたくなるくらいなのだ。

ラジオ番組にメッセージを送ったことはあるだろうか。
ないという方は、この記事を読んだら是非一度送ってみてほしい。
あるという方は、この記事を読んだらやはりもう一度送ってみて欲しい。

参考までに、読まれる確率が高いメッセージの内容と理由を書いておこう(あくまで私の場合)。

BEST3、「へぇ~っ」とリスナーと一緒に驚けるような、なるほどな情報
BEST2、読んだら番組の好感度もあがりそうな、心温まる話
そしてBEST1、不快にならない程度につっこみを入れられる、漫才のボケような話

BEST3のなるほど! な情報を下さる場合は、お手数だが証拠となるURLなども載っけてくださるとグンと読む確率があがる。
BEST2の心温まる話は、送ってくださる方が結構多い。他とかぶらないオリジナリティを、具体例などを多用して、出していただけると助かる。
そしてBEST1が、これはもう万能だ。

特に、適度に自身の失敗をネタにしてくださるもの(俗にいう自虐ネタ)はありがたい。
リスナーの方に自虐してください、というのは申し訳ないけれど、
「女の子に貢いだプレゼントがオークションに出されていた!」とか「山の中で懐中電灯の電池が切れた! これじゃ、ただの筒状のゴミだ」とか(これらは実際に私のラジオに寄せられたものだ)
DJとしても扱いやすい、適度な失敗談。これはもう、メールボックスで見つけた瞬間に待っていましたと印刷をかけて番組で読み上げている。

番組はDJだけでは成り立たない。
リスナーが、特に漫才の相方の立場にたってくださるような愛とユーモアのセンスのあるリスナーがいてくださってこそ続くものなのだ、と今、痛感している。

これを読んだら是非、お住まいのラジオ局の番組で頑張っている新人DJに一通、エールを込めた愛ある笑い話を届けてやってほしい。

***

この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。
「ライティング・ゼミ」のメンバーになり直近のイベントに参加していただけると、記事を寄稿していただき、WEB天狼院編集部のOKが出ればWEB天狼院の記事として掲載することができます。

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2018-11-29 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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