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メディアグランプリ

新人で誰もが学ぶ、生きるために欠かせないこと


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:ゆきもと みちこ(ライティング ゼミ平日コース)

「全体的に自己採点が甘いです」
新卒入社して2ヶ月。
人事シート『新人の基本行動24ヶ条』に書かれた、OJTからの評価。

思っていたより、ずっとからい。

頑張ったから褒めてもらえるかなー! とお気楽だった自分に落ちた雷でした。

2016年4月。東京では桜が散り、いよいよ風に春のあたたかさを感じる頃でした。
入社したての私はバリバリ仕事する自分を妄想して、密かにワクワクしていました。
形ばかりの新卒研修を受けて、2週間後には配属先へ。そこから半年はOJT期間です。

OJTは第一印象から、ぴしっと筋の通った方でした。
出会って30秒の私に、明るく爽やかにおっしゃいました。
「私は、ゆきもとさんがどの部署に行っても、どんな仕事になっても、仕事ができるようにしてあげる」
私は笑顔のまま、背筋がぞくっとしました。

「ゆきもとさん、この議事録は何?」
翌日からOJTの愛のムチが始まりました。

「これでMTGに参加していない人が理解できる?
受け手に何をして欲しいのかも伝わらないよ?
メールは相手に一切の手間をかけさせてはダメ!」

ひい。
心の中で悲鳴をあげました。
しかも全部正論だから、ぐうの音も出ません。

「はい、おっしゃる通りです! 直します!」

OJTは何度も根気強く、私の提出物を差し戻します。
私はへこみながら、やっぱり何度もやり直します。
1時間に一度は叱られました。

「あそこまでダメ出しされて、大丈夫だったの?」後ほど、課長から質問されました。
そりゃあ、OJTはヒーローだったのです。
それはもうかっこよく仕事する方だったのです。
いつも笑顔を絶やさず、気が利いて、上司から信頼されている。
OJTは私の憧れで、OJTの指示は絶対だったのです。

学生時代の私は場を明るくしようとするタイプではなかったけど、毎朝デスク周りの方々への挨拶は欠かしませんでした。専門知識は土日に勉強して、イベントでは同期の誰より早く会場準備しました。
憧れのOJTの行動をとにかく真似たつもりだったのです。

だから、人事シート『新人の基本行動24ヶ条』が配られて、報連相やマナー、自主性などを5段階で自己評価することになった時、私は当然「平均くらいは仕事してる」と思っていたのです。

そんな私に、OJTは静かに雷を落としました。
私の評価平均3.5に対し、OJTの評価は2.0。
「全体的に自己採点が甘いです。
何かと行動することが+αになると思っているようですが、挨拶などやって当たり前のこともあります。
なお、挨拶もまだ2.5点です。相手の目を見て元気よく笑顔で挨拶して、3点です」
ショックで、思わず目元が熱くなりました。
「目の前のタスクを処理する意味と目的を理解しようと努めないと、全体を俯瞰できる日は来ないとおもいます」

情けなくて悔しくて、たまりませんでした。

どうしてどうして。
指摘されたこと一つひとつ、私はいつも注意していた。
OJTみたいに仕事ができるようになりたくて、頑張っていたのに。

はっと、自分の思考に気づきました。

注意していた。頑張っていた。
それは、私の評価でしかないのです。
周りからすれば、私はまだまだ「当たり前」のレベルで、評価できる行動になっていない。
評価するのは、自分ではなく周りです。

翌日、OJTはいたずら気にちらっと私の顔を伺ってきます。
私は恥ずかしくて、情けない声を出しました。
「『新人の基本行動』の評価は、本当に、おっしゃる通りです。何か行動するだけで、仕事している気分になっていました」

OJTはふふっと笑って、目を輝かせて言いました。
「仕事はね、どれだけ相手のことを思いやれるかなんだよ」

そこから、劇的に成長する魔法が起こるなんてことはありません。

一枚の書類から行動を変えました。
この上司は忙しいから箇条書きでパッと分かるようにしよう、
どこが要チェックか付箋は付けたか、
仕事する先を確認して資料を追加しよう……。

そうして、地味な作業を毎日8時間繰り返して、半年経ちました。
一通のメールが本部長から届いたのです。
「副社長が社外でプレゼンします。そのインタビューと資料づくりをゆきもとさんにお願いしたいと思います。一緒に仕事しましょう」

思いもしないお声がけにびっくりしていると、OJTがにっこりしました。
「先輩は皆、ゆきもとさんすごく良く変わったねって言ってるよ。 伸びしろに期待だねっ!」
気づかない間に、「周りから」評価いただいていたようです。
それは、もう本当に嬉しいことでした。
この情けない成長が続くのね……と絶望もしたけど。

「仕事する」とはどういうことか。
それは、評価するのが自分ではなく周りになったことでした。

相手を思いやる。
それを行動にする。
そして周りの役に立って初めて、認めてもらえます。
それは親に生活を保証されていた、時間制の学生アルバイトとは別物でした。

その思いやりと行動は、
仕事だけではなく、
恋人と過ごす、
子育てする、
自分の生活環境を決める、など
まさに生きるために欠かせないものです。

これから「新人」になる人は、生きるために必要なことを身につけていくのかもしれません。
あるいは新人時代なんて何年も前の人は、実はこれまでの仕事で、思いやりと行動力をアップグレードし続けてきたのかもしれません。自分の仕事の根っこは、新人の時から続いて成長してきたものだと考えると、毎日が少し素敵なものになるかもしれません。

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2019-01-10 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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