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メディアグランプリ

お母さんなんて家族じゃない


 
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:佐竹真悠子(ライティング・ゼミGW特講コース)
 
お母さん、もうあなたのこと、家族って思うのやめます。
 
私は昔から、あなたのことが好きではありませんでした。
本が読めないところ、教養がないところ、頭が悪いくせに人の学歴や肩書を気にするところ。隣の家の夫婦喧嘩を、わくわくしながら聞き耳立てるところ。噂話に敏感なところ。中国人の悪口を言うところ。ファミレスでストローやらウェットティッシュやらをこっそりたくさん持ち帰るところ。私のケータイを勝手に見るところ。人が頑張っていることや、夢中になっていること、勇気を出して伝えた本音を、否定して、馬鹿にしてくるところ。そういう低俗なところが嫌いでした。特にこれといった趣味もなく、ただ家事をして母親業務をこなしているだけの毎日が楽しいのだろうかと思っていました。そういう生活を送らせているのは子どもである私なのに、感謝よりも見下す感情のほうが大きかったのです。
その思いが高校生あたりにいよいよ大きくなって、会話は減っていきました。仲がすごく悪くはないけど、良くもない。そんな家族だったからか、私は今でも「家族」を好ましいものだとは感じません。家族とは愛情にあふれている幸せの場所。家族みんなで仲良くすることが一番。そんな幻想のもと、「家族」というフォーマットに基づいて、「母」や「子」という役割を演じる。そんなものに私は囚われない、と決めていました。
 
でもここ最近、お母さんへの感情に変化が起きてきました。
きっかけは二つあります。
一つ目は、家を出たこと。
私は社会人になり、妹は京都の大学に進学し、子ども二人が同時に家を出ました。千葉の家で一人、退屈だったでしょうね。でも、ようやくスマホを持って、少しだけど趣味にお金をかけるようになって、お父さんと旅行に行き、疲れたとか文句をいいながらも旅行先の写真をLINEで送ってくるのを、うれしく感じていました。そして、距離ができたからこそ、だんだんあなたを一人の人間として見ることが出来るようになりました。いつも自分より人のことを気にかけていて、身内には陽気なくせに、ママ友とかとの人付き合いは苦手なところとか、弱虫で、テレビで注射の映像が流れると「ギャー!!」と叫んで部屋の端っこに避難するし、メンタルが凹むとスピリチュアルに頼りがちなところかが、かわいいなと思えるようになりました。
二つ目は、大人になってから「お母さん」と知り合うことが多くなったことです。
彼女たちはみんな、なんというか、「母」という役柄に全然縛られていないようにみえました。少なくとも私にとってはただの一人の女性でした。子育てや仕事のことで悩んで、趣味や、家族以外の居場所を持って生きていた。それにすごく驚きました。そんなの当たり前なのに、驚いたんです。
子どもを持つとは、「母」という役のなかに自分が固定されてしまうことだと思っていたのです。だってお母さんはそうだったから。だから、子どもを持ちたいと思ったことはなかった。
でも、彼女たちに驚いたことで気づきました。「家族」というフォーマットに一番囚われていたのは私だったし、あなたを「母」という役のなかに閉じ込めていたのは私だったのだと。
 
家を出てから、帰省したらお母さんと仲良く雑談しようと努めていました。でもそれは愛情よりも、自分がずっと望んでいた、模範的な「母」と「子」を演じたい、そうして安心したいという意識のほうが正直大きかった。やっぱり私は、「家族」に執着していたんです。
でもこの前、二人でランチをしたときは、少し違う会話ができたように思います。お母さんの人生の悩みとかを、対等に聞くことができた。そんなことを話してくれたのは初めてだったから、すごくうれしかった。
私はやっぱり、「家族」というフォーマットを当たり前に受け入れることは出来ません。家族だから大切、家族だから愛情を持つことは当然、という考えには同意しません。そしてあなたは、私の好きなタイプの人間ではないです。でも、自分のことを育ててくれて、長い時間を一緒に過ごしてきた人間として、かけがえなく大切です。
私はこれからあなたと、「母」と「子」ではなく、一人の人間として、適切な距離を測りつつ付き合っていきたいと思っているのです。もちろんお母さんにとって私はいつまでも「子」でしかないし、これからも「母」でありつづけてくれるでしょう。ただ、その関係性に縛られすぎないほうが、これからは上手くいくんじゃないかな。
 
だからお母さん、もうあなたのこと、家族って思うのやめます。
 
 
 
 
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2019-05-05 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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