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チーム天狼院

【逆算】友達が死ぬ夢をみた《まみこ手帳》


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わたしは絶望した。

 

なんでなんで?

昨日まで普通にLINEしてたのに……!!

なんであの子が?

やめてやめて

いやだ、信じたくない

 

悲しくて悲しくて、

目の前が真っ暗になった。

 

 

友達が、交通事故で亡くなった。

 

 

という夢をみた。

 

目覚めて、「あぁ、夢でよかった……」と心から安堵しました。

そして自分にドン引き。

 

いやぁびびった……。

人が死ぬ夢なんて初めてみた。

 

 

大学でその子を見て、涙腺が少し緩みました。「生きててよかったねぇ!!」と一人で感動していると「え、なになに?」と驚かれました。

 

生きててよかった。

よかったんだけど、

まずわたしはなぜこんな夢をみたのか。

 

いなくなってほしいなんて1ミリも思ってない。

 

その子自体に恨みがないとすれば、あれかな。

 

最近よく考えてしまうこと。

 

楽しい時間の、”終わり”について。

 

 

 

わたしの学部では2〜4年次の3年間、

基本的には同じゼミで同じメンバーで活動します。

20人前後のメンバーがそれだけの期間一緒にいることになるのだから、

各ゼミ生にはやはりそれぞれのゼミの特色が出てきます。

 

わたしの所属しているゼミは異常に仲がいい。

夏には皆で海に行った。

ディズニーにも行った。

夜まで残って勉強もした。

LINEでよくふざけ合うし、

授業の空きコマ、お昼休み、放課後も隙あらば集まっている。

 

わたしが夢で殺してしまった友達も同じゼミなのですが、

本当に優しくて面白い人たちばかりなのです。

性格も趣味もばらばらだけど、なんだか間が合う。

普段は平和主義だけど、やるときはやる。締めるときは締める。

彼らと一緒にいるとエネルギーが湧いてきて、頑張れる。

 

ここまでベタ誉めすると「本当かよ」「どうせ特定の人だけでしょ」と思われるかもしれません。

しかし、本当に本心でそう思うのです。

わたしは一人残らず、同期のゼミ生全員を素直に尊敬しています。

 

彼らといるのは居心地がいい。

嫌なことなんて考えなくていい。

とにかく”いま”が楽しくて楽しくて仕方がない。

 

 

 

3年生になってから、周りの友達が徐々に就活を意識し始めました。

周りは頭を抱えていろいろ考えているけれど、

わたしは特に悩んではいませんでした。

 

だっていままで、将来のことを考えていなかったから。

いまの場所の居心地がよすぎて、

先のことなんて考えたくなかった。

ずっとここにいられる。そんな幻想に浸っていたかったのです。

 

 

しかし当たり前ですが、この仲間たちとずっと一緒にいられる訳ではありません。

 

いずれ卒業するから?

いえ、それだけではないのです。

 

彼らにはそれぞれの志があります。

そして皆、今年の後期から、いよいよ動き出すのです。

アメリカの大学へ編入する子、一年間休学して留学する子、長期国内インターンシップに臨む子……。

数人があと3か月後にはゼミを離れることになっているのです。

 

つまり、いまいるゼミ仲間全員で足並みを揃えて

一緒に卒業することはできないのです。

 

 

 

夢の中で友達が死んで絶望した。

わたしはこの仲間を失ったら悲しい。

それがはっきりわかった。

わかったからこそ、自分もこのままではいけない、と思いました。

わたしがぬくぬく楽しい時間に酔って立ち止まっている間に、

周りの仲間は着々と、ぬるま湯を出る覚悟を決めていたのです。

 

自分の目標を見据えて、居心地のいい場所を捨ててでも前へ進もうとする仲間たち。

 

彼らはとっくに「逆算」していたのです。

わたしがずっと目を背けてきた、皆で過ごす楽しい時間の“終わり”を想像して、

“いま”へと「逆算」していたのです。

 

 

では、わたしは?

わたしは、どんな“終わり”を選択するのか。

やっと考え始めました。

 

わたしは日本にいるし、ゼミに残ります。

でもいままでのようにだらだらと、目先の楽しいことだけを見ているわけにはいきません。

他の人なんて関係なく、仲間なんて関係なく、

自分の将来、自分の道を見据えていかなければ。

 

いつまでもこの場所に依存してしがみついていたらどうなるか。

仲間たちと離ればなれになったときに、

きっとわたしはもぬけの殻になる。スッカスカの人間になってしまう。

そんな自分ではいたくない。

そんな”終わり“を迎えたくない。

 

後悔したくない。

 

 

 

わたしが夢の中で死なせてしまった友達は

大学でいつも通りくだらない冗談を言って笑っていました。

生存をちゃんと確認できたので、ひとまず安心しました。

 

安心すると、ふと悪戯心がわきました。

 

別れ際に「あ、そうだ」と声をかけました。

わたしは神妙な表情をつくって、こう言ってみました。

 

「車に、気をつけて帰ってね……」

 

 

その子は「え、こわいこわい!」と背後をキョロキョロ振り返りながら帰ってゆきました。

 

思わず、にやつきました。

あぁこの子がちゃんと生きててよかったなぁ、と改めて思ったのです。

 

 

彼らと離ればなれになって、再会したとき、

胸をはって誇れる自分でありたい。

 

だから、わたしも「逆算」してみました。

 

 

わたしはいま必死で文章を書いています。

 

 

だって、少なくともこれだけは。

いまのわたしにとって”文章を書く”ということだけは。

 

自分の将来につながる

絶対に必要な、絶対に大事なことだと

 

なぜだか、強く確信しているから。

 

 

 

 

 

p.s. 後で調べてみると、『仲の良い友達が死ぬ夢』はじつは吉夢だそうで、その子ともっと仲良くなりたいとか、自分の悪い部分を変えたいとか、そういう意味があるようです。よかったー、不吉な方じゃなくて!!

 

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