天狼院通信

劇団四季の『オペラ座の怪人』を観て、もう二度と劇団四季に勝とうなどとは思いませんと心で土下座した。


 

*この記事は、人生を変える「ライティング・ゼミ《平日コース》」講師であり、天狼院書店店主の三浦が書いたものです。
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天狼院書店店主の三浦でございます。

先日、京都劇場で、「すごいらしい」と噂の劇団四季『オペラ座の怪人』を観たのですが、始まった瞬間に、もうすでに泣きそうになりました。

感動して、泣きそうになったのではなく、もう、なんだか、打ちひしがれる思いをして、「ごめんなさい(泣)」と泣きそうになったのです。

実は、僕は天狼院書店のオーナーだけではなく、劇団天狼院の主宰でもあります。

先日も、キャパ400人の全電通ホールで『殺し屋のマーケティング』の上演をいたしました。

これからも、様々な演劇を劇団天狼院では創っていこうと考えておりました。

そして、ゆくゆくは、劇団四季に勝ってやろうと、壮大な夢を想い描いて、息巻いていたのでございました――

しかし、劇団四季の『オペラ座の怪人』を観た瞬間に、心の中で、土下座をしたい気持ちになりました。

半べそをかきながら、観ていました。

もう、最初から、素晴らしいですよ。

なんですか、あれ。

事件からずっと後の、事件に関連した小物などのオークションから始まるなんて!!!

え、いきなりの倒叙ですか?
そこから、隠されていた覆いが取られると、なんと、そこからは光り輝くあれが、宙へと舞い上がっていくではありませんかー!!

しかも、そこに、誰もが聴いたことがある、あのパイプオルガンが印象的な『オペラ座の怪人』のメインテーマの名曲が流れて、鳥肌ビッシーン!!ですよ、全身に。
もう、「ごめんなさい、ごめんなさい」ですよ、マジで!

京都のスタッフがなんか、劇団四季の友の会的なやつに入ってて、彼女の頑張りで、僕らは4列目で観ることができたのですが、舞台の大道具、もとい!舞台芸術が、まず、凄まじい!!!!

そう、大道具ではなく、もはや、芸術ですよ!

衣装も、しっかりと作り込まれていて、すばらしい!!!

ハンニバル的な演劇のシーンのゾウもしっかり創られていて、もう、とにかく、「コンテンツ」の質が極めて高いんです。

 

そして、何より、オペラに、バレエに演劇にと、とても訓練された表現芸術が、これでもかと押し寄せてくる!!!!!

 

なんですか、これは!!!

 

S席だと10,000円くらいするらしいんですが、1,000席ほどが、平日でも満席!!

ちょっと待てよと、それだと一回の公演で、チケットだけで1,000万円の売上ってこと???

しかも、物販もハンパなくあるから、それも入れると、とんでもない売上になるってこと???

さらに、劇団四季の公演は、ロングラン公演が多いんです。

たしか、この京都劇場の『オペラ座の怪人』も半年間くらいのロングラン公演だったはず。

そこが、連日、満席だったとしたら、いったい、どれくらいの売上になるんでしょう!!!

 

そうだとしたら、とんでもなくお金がかかってそうな、舞台芸術や衣装の理由も見えてきます。

ロングラン公演だと、十分に回収できるってことですね!!!

たとえば、1回公演だとしたら、これは、経費効率が非常に悪くなります。

1回の公演の利益で、舞台芸術や衣装も賄わなければならない。

さらには、人件費も膨大なことになるでしょう。

公演の出演料のみならず、舞台には、稽古に時間がかかる。場所代もかかります。

それが、たとえば、1回の公演のためだったら、その経費もチケット代に乗せなければならないので、とんでもない額になってしまいます。

 

けれども、ロングラン公演なら、すべてを割り算で計算することができるんですね。

これは、マーケティング的に言って、理想です。

毎回の公演で割ってしまえば、とんでもない高い制作費がかかったとしても、十分に吸収できてしまいます。

 

ただ、この演劇にとっての理想のロングラン公演ですが、これが、きっと難しいんでしょうね。

 

なんといっても、1回分、1000席を売り切るのも大変なのに、毎日、連日、半年間分も売り切るとは、どういうことなんでしょうか?

 

よくよく、客を観ていると、示し合わせたように、同じところで拍手をするんですね。

幕が降りたわけではないのに、途中で拍手をするんです。

 

そして、最後のカーテンコールの際は、拍手する場所と、手を降る場所を明確に分けている。

先頭付近の席に座っている人ほど、その傾向が強い。

 

つまり、ハイパーリピーターが数多くいるということなんですね。

この半年間で、同じ演目を何度何度も観る人がいるということです。

 

なんということでしょう。

なんという圧倒的なブランド力でしょう。

 

また、ミュージカル、というのに、中毒性があるんでしょうね。

女性にとって、ミュージカルには、特別な魔力がありそうです。

なぜ、「女性にとって」と言ったからといえば、その日、客席には女性客が9割くらいを占めていたからです。

男性トイレはガラガラなのに、女性トイレは長蛇の列でした。

 

思えば、宝塚歌劇団もそうですよね、ミュージカルであり、圧倒的に女性客が多い。

 

劇団四季がすごいのは、劇団四季の『オペラ座の怪人』という名前は、ブランドとして通っているのに、よほどの通でない限りは、出演者が誰かわからないということです。

もっといえば、出演者が誰でも成り立っているということです。

これは、とても大きいです。

コピーしたり、ロングラン公演する上で、「このひとでなければ人が集めることができない」という制限は、大きな弱点になります。

たしかに、宝塚歌劇団のトップスター制度は、いいんでしょうけれども、同じ場所で、同じ演目をすることは不可能となる。

ところが、劇団四季の場合は、京都でも東京でも、やろうと思えばやることができるでしょう。

 

人に依存しないブランディングを、成立させてしまっている。

 

これが、マーケティングにとって、どれだけメリットが大きいことか!!!!!!

 

僕は、「他の人間ができたことが僕にできない理由はない」と考えるような不遜な人間です、告白してしまえば。

 

けれども、これはいけない。

劇団四季だけは、いけない。

 

どう戦っても、勝てる気がしない。

僕の人生を全力であと30年、劇団天狼院に費やしたとしても、勝てる見込みがまるでない。

 

もう、ガックシですよ。

演劇界にも革命を起こすと、考えていた僕としては、もう無気力状態ですよ、劇団四季の『オペラ座の怪人』を観た後は。

 

正直言ってしまえば、どんな小説を読んだって、こんな敗北感を味わったことがなかったんですが、劇団四季だけはやばい。

もう、完全降伏です。無条件降伏です。

すみませんでした、何なら、土下座します、です。

 

いやー、ひとりやふたりの天才が挑んだところで、これは、覆せない。

 

劇団四季のミュージカルには、歴史を感じるんですね。

ギリシャ演劇から、オペラに推移して、アメリカで開花したミュージカルという文化。

そうした、長い年月と長い距離を経た、圧倒的なマーケティング的なストーリーの醸成があって、その醸成が、ハイパーなコンテンツを生み出している。

 

ただし、僕ら劇団天狼院は、だからと言って、小さく終わるつもりはない。

 

まったく違った、僕らだけの方法論を、組み上げなければないでしょう。

 

だれも考えたことのない、だれも観たことのない、だれも通ったことのないアプローチをする劇団。

ハイパークリエイティブ集団に我々はならなければならない。

 

けれども、その端緒がまるで掴めないのです。

劇団四季の圧倒的なコンテンツ力の余韻の中で、今、僕は無力感に苛まれています。

 

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2018-01-22 | Posted in 天狼院通信, 天狼院通信

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