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僕たちは宇宙人だったのかもしれない


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:西部十翔(チーム天狼院)
 
 
「コープチャイ」
 
 
僕たちは、何回言ってきただろうか。
 
ラオス語で「ありがとう」と、感謝の気持ちを伝えたい時に使うこの言葉。
 
僕は約3年間、東南アジアにあるラオスに教育支援をする学生組織に身を置き、活動してきた。
ここでは便宜上、教育「支援」という言葉を使ったけど、この表現は今まであまり使わないようにしてきた。その理由も、終わりに少しお話できたらと思う。
 
活動内容としては、年に二回ラオス現地を訪問し、現地調査や小学生向けの授業、プロジェクトなどを行う。日本国内では、毎週のミーティングや街頭募金活動、数ヶ月に一回のペースでチャリティイベントを開催する。
 
ラオスに縁もゆかりもなかった僕が、この活動に参画した理由は至って単純。
 
グローバルな意義のある活動がしたい。
国際協力に携わりたい。
 
この2つを実現できると思ったから。
 
大学入学から直ぐに入団をし、その年の夏には団体のスタディツアーでラオス現地を訪問することができた。それが僕の初海外でもあった。
 
見るもの、触るもの、食べるもの、匂い、音。
全てが今まで生きていた世界と違う。
 
そんな興奮状態を少し抑えながら、早速現地での活動が始まった。
約一週間で、さまざまな村や学校に赴き、現地のリアルを五感で感じる。
百聞は一見にしかず、とはよく言ったものだ。
ラオスに来るまでは、どこか他人事のように感じ理解しきれなかった、学校の教育環境や、村の実情などが、少しずつ腹に落ちる。
 
日本の教育環境と比較すると、その差は歴然。
 
電気が通っていない暗い教室、ガタガタでボロボロの机や椅子、3人で一つの教科書をシェアして見る子どもたち。
 
衝撃的だった。
話にはずっと聞いていたものの、どこか信じきれなかったその情報が一気に現実になる。
 
この環境で勉強している子供たちが本当にいるんだ。
 
でも、その後にもっと衝撃的なことがあった。
 
その環境下で勉強に励む、彼ら・彼女らの真剣な眼差しや、意欲に満ち溢れた表情。
こんな笑顔、今までに見たことが無いと思うほど、キラキラとした子どもたち。
 
貧しい国の子どもたちだから、きっと辛い・苦しい表情をしているにちがいない。
そんな偏見を持っていた自分に腹がたった。それが一気に塗り替えられた。
 
逆に僕が、現地の子供達から勇気や新たな気付きを与えられた感じがした。
 
一週間はあっという間に過ぎていった。
 
そして、このスタディツアーを終えた辺りから、僕たちの活動の肝でもある、支援物資を決めていくことになる。
 
現地調査で先生や村人から挙げられたニーズを基に、メンバー全員で話し合い、最終的には数ある中で2つもしくは3つに絞っていく。
 
学校の先生や生徒の数が100人近くいて、トイレが2、3個しかなかったら、トイレになるかもしれない。
 
教室が藁葺き屋根で造られたが故に、天候によって授業が左右されてしまう学校には、雨風が凌げる天井だったり。
 
数あるさまざまな支援対象の学校から求められるニーズの中から、優先度が高いものを決めることは、簡単なことではない。
 
現地調査をしているとはいえ、そのニーズが本当に学校や村全体で必要なものなのか。
 
また、調査ではニーズに挙がってこなかったものの、本当に必要な他のニーズがまだ眠っているんじゃないかとか。
 
そもそも、国も文化も違う日本人が、こんな毎年の様に、「支援」という形で異国のラオスに関わり続けることは果たして大丈夫なのか。
 
少し現地の子どもたちになってみよう。
新しい建物が建てられ、遊具が導入され、何もしなくてもモノが増えていく。
 
毎年、春と夏にやってくるあの日本人たちが関わっているにちがいない。
 
「サバイディ」ばかり言ってくる、日本から来たひとたち。
 
僕たちの近くに来ては、あまり見たことのない、四角い薄いタッチパネルの機械でシャッターを切る。
 
いっしょにサッカーや鬼ごっこをして遊んだりもする。
 
 
きっと、悪い人たちとは思われていないだろうと推測する。
 
ただ、なぜあの日本人たちが毎年の様にやってきて、何を目的に活動をしているのか、不思議に感じる子が一人くらいはいるんじゃないかな。
 
僕たちは、宇宙人のような存在に思われていなかったかな。
 
活動を引退した今、そんなことを思う。
 
そもそも、僕たちが本当に介入して良い世界だったのか。
 
教育「支援」と謳っているけど、この活動は本当に支援なのか。
僕たちが勝手に言っているだけで、もしかしたらその支援なるものは実は必要ないものなのかもしれない。
 
校舎やトイレ、グラウンドの整備をすることも大事だけど、本当に持続可能な教育を考えるなら、しっかりとした教育ができる先生を養成するアプローチの方が必要なんじゃないかとか。
 
そんな風に組織から離れた今になって、考えさせられることが多くある。
 
ラオスの子どもたちと、僕たちが心から分かりあえ、本質的な関係を築けるときは果たしてくるのだろうか。
 
これからも後輩たちの活動を、ずっと見守っていたいし、また近いうちにプライベートでラオス現地を訪れたいと思いながら今、ラオスの子どもたちに思いを馳せている。
 
 
 
 
***

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2021-03-04 | Posted in メディアグランプリ, 未分類, 記事

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