メディアグランプリ

自然派食品を知ることが、子供たちの未来を救う


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:hikari(ライティング・ゼミ 冬休み集中コース)
 
 
「あー、聞いたことあるけど、金持ちの人が食べてるアレでしょ?」
だいたいの方の、反応はこうだ。
 
“オーガニック”“無添加”という言葉は、誰もが目にしたこのあるワードであろう。しかし、その意味を説明できる人は少ないのが現状だ。
 
私が、いわゆる“自然派志向”になったのは数年前のことである。
それまでは30年以上も『食』に無頓着であった。コンビニ弁当さえあれば生きていけると思っていた。たまに自炊をしたとしても、手軽で便利なカット野菜を迷わず買っていた。
 
そんな私が『食』をガラっと変えた理由は、体調不良だった。
その様な状況に直面しなければ、“オーガニック”という言葉すら、勉強する機会はなかっただろう。
何せ、ハードルが高いのだ。そして、詳しく知らないからこそ、スルーできるのだ。
 
しかし、その高いハードルを越え、実践した先には、ビックリするような体の変化も体感できることだろう。
 
自然派食品の良さを訴えようものなら、
「でも、高いでしょ? そんな余裕はないわ」
「何だかよく分からないけど、みんな普通にスーパーで売っているものを買っているじゃない? 何か問題でもあるの?」
「日本は安全で衛生的なのよ。売っている商品はどこの国よりも品質が良いのよ!」
その様な声が聞こえてくるだろう。
 
これらは当然のことである。貧困問題もささやかれる現代では、なかなかハードルが高い。
それに加えて、日本は医療費が安いのだ。病院にかかっても、3割負担(70歳未満)の支払いで済むのだ。だからこそ、病気になってから考えよう的な風潮があるのでは……と感じている。医療費が高い国も多い。
 
そして、何よりも誰も教えてくれないのである。テレビでも学校でも教えてくれない。知っている人は知っているが、知らない人は全く知らない……という、情報格差があると思っている。
 
「無農薬野菜ってどこで買えるの?」
当時、一番苦労したことは商品を探すことだった。
 
「無農薬のお野菜っておいてますか?」
近所のスーパーをはしごして回った。
 
「おいてませんねー」
「申し訳ありません。取り扱っておりません」
という返答はまだ良いほうだった。
 
だいたいのスーパーでは、無農薬という言葉自体が認知されておらず、『変な事を言っている客が来たぞ』的な、怪訝な顔をされたものだ。
 
ある地産地消のスーパーに行き、やっと無農薬について情報を知っていそうな店員さんと出逢えたのである。
 
「あー、無農薬って事を明記してはいけないんですよ。詳しくは、アレなんですが……、とにかく決まりがあって“無農薬”と書けないんです。農家さんによっては、農薬不使用と仕入れ商品のダンボールに記載されていることはありますが……」
と、よく理解できない内容だった。
 
頭の中にハテナマークが飛び交っていた私に、
「もしかすると、ヤマダストアーにだったら置いてあるかもしれませんね」と、親切に教えてくださったのだ。
 
それは、自宅から車で30分程の場所にあるスーパーだった。
そのスーパーの一角に『オーガニック野菜、農薬を使用せず栽培しました』と掲げている販売スペースがあった。
 
「オーガニック? 聞いたことがある!! そうか! 無農薬って、オーガニックのことだったのか」
 
“オーガニックとは…
農薬及び化学肥料を使用しないで栽培したものです。有機JAS法の基準で栽培された商品にのみ「有機○○」「オーガニック○○」と表示することができます。それらの商品には、必ず有機JASマークがついています”
 
チラシの説明書きを読み、はじめて“オーガニック”という言葉の意味を理解したのだった。
 
このように「そもそも無農薬って何? 無添加って?」
という所からスタートし、自身の目で調べていったのである。
これらは誰かから教えられるよりも、自分の目で調べる方がより説得性があると、実体験からそう感じる。なぜなら、日本の食は安心安全であるという信念が根付いているからだ。
 
無添加とは、化学調味料を使わないものを言う。例えば、見栄えをよくする着色料、腐らせない為の酸化防止剤、砂糖の200倍の甘さと言われる人工甘味料、これらはカロリーゼロの商品やガムや飴に使用されていることが多い。
 
これらは、商品裏側の原材料名覧に明記してある。聞いたことのないようなカタカナやアルファベットの羅列があるだろう。
自然に還らない科学的な調味料、これらは果たして人間の体の中で還るのだろうか。
 
これらが体にもたらす作用は、ネット検索すればたくさんの情報を知ることができるだろう。しかし、何よりも怖いことは食中毒である。無添加にこだわるあまりに、食中毒になっては命も落としかねない。上手な付き合い方が必要である。
 
日本の食の実態を知った時に、まずはじめに思い浮かんだことは『学校の給食』だった。子供たちは一体何を食べさせられているのか。子供たちやその次の世代の子供たちの未来は大丈夫なのか、と涙した。
 
とは言え、30年近くひどい食生活をしていた私でも生き長らえることが出来ているのだ。
すぐにどうこうなる問題でもないのなら、まずは自身の出来る範囲からやっていこうと切り替えたのだ。
 
できる範囲で無添加、農薬不使用の生活を続けていくと、体調面での変化があった。
当時、這って階段を上るようなひどい体調不良だったが、自身の足で駆け上がっていくことが出来たのである。そして、長年悩んでいた花粉症が薬なしでも生活できるようになったのである。食の影響なのかは定かではなく、確証できるものでもないが、明らかに体調が良くなってきたのだ。
乱れていた腸内環境が改善したのかもしれない。
 
それからというもの、自然食品のお店で働きながら勉強を続けた。
 
買いに来られるお客様の中には、
「農薬を使っている野菜は、絶対に買わないわ!」と目くじらを立てている方もいらっしゃった。表情は険しく、見るからに健康そうには見えない。
 
自然派食品の勉強会や集まりに行くと、必ずこのような
『農薬は悪! 添加物は悪!』と頑なになっている方がいらっしゃるものだ。
 
その熱き思いは素晴らしいが、いくら食べているものが良いものであっても、心が頑なになると、その思考自体が体を害すのではないか、とも思う。その様な形相では、自然派食に興味を持つ人々も半減しかねない。
 
楽しく、バランスよく付き合っていくことが、大切だと痛感している。
 
その為には、まず“知る”こと、が何よりも大きな一歩となっていくだろう。
子供たちや地球の未来が、より良いものになっていくことを願う。
 
 
 
 
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2020-01-06 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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