今日の編集部日記

【6月11日(土)】金曜夜の池袋駅で別れ話をしているカップル率は異常《今日の編集部日記》


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おはようございます! WEB天狼院編集部川代です。

金曜夜の池袋駅を歩いていて一番気になることといえば、やっぱり何と言っても別れ話をしているカップルの多さである。たいていの場合は駅のコンコースの柱に女がもたれかかって泣いていて、それを男がよしよししながら慰めている。駅のコンコースの柱はどんな日でも一晩に一組くらいは別れ話をするカップルに利用されているが、金曜の夜はその確率が格段にアップする。もしかするとコンコースの柱というのはカップルが別れるために作られているんじゃないかと思えるくらいに、フライデーナイトの池袋はそこかしこに別れ話でもつれあっているグチャグチャになったカップルで満ち溢れる。

どうしてみんなあそこで別れ話をするのだろう、とふと昨日の仕事帰りにも考えていた。真夜中過ぎのJR池袋駅の東口には、華金を楽しんで酔っ払っているおじさんたちや大学生で溢れかえっていた。うん、うん、みんな楽しそうだね。よかったよかった、と自分に言い聞かせながらも周りのフラフラしている人間の誰かが吐いて自分の服にブシャーと吐瀉物をかけられるんじゃないかという不安が常につきまとっていた。

そんな酔っ払いを避けつつも、ちらりと目に入るのはやはり、柱のカップルなのである。あ、また、あ、あっちの柱にも、あ、こっちにも。別に別れ話をするカップルを見ると興奮する性癖とかは特に持ち合わせていないのだけれど、どうしてか目に入ってしまうのだ。

カップルはたいていの場合、頭と化粧がグチャグチャになった女が柱にもたれかかって男の服の裾をつかんでいて、男は女をなだめるように頭を撫でているか、もしくはポケットに手をつっこんで面倒くさそうにしている。だいたい女は泣いているか不満げな顔をして「え〜」とか「だってさぁ」とか「たぁくんだってなんとかだったじゃん」とか色々あんまり聞き取れない声で文句を言っている。そしてどうしてかはわからないけれど、別れ話をしているときに面倒くさそうな顔をしている男というのはだいたい前髪が長くて顔が見えない。どうしてかはわからない。私が見かける人がいつも奇跡的にたまたま前髪が長いだけかもしれないが、かなりの確率で前髪が長いのである。長いというか、なんというか、M字バングというのだろうか、ギャル男かヴィジュアル系っぽい、髪と髪の間から目が見えてる感じのあの謎の髪型である。

どうしてこうあの柱で別れ話をしたくなるのだろうか、といつも思う。それともあれはカフェかどっかで一通り別れ話をしたあとで、そこで駅についていざそれぞれ別の方向に行こうというときに「やっぱりたぁくんと別れたくないよぉ」といって始まるものなのだろうか。それともデートの帰り道に喧嘩をして、「じゃあもういいよ」「なんでそんなこと言わないでよ」ともつれてしまうパターンなのだろうか。

というかそもそも、あれは別に別れ話をしているわけじゃないというパターンもあり得る。ホテルに行くか行かないか、俺の家来ればいいじゃん、えーどうしようかなでただごちゃごちゃ言っているだけなのかもしれない。たしかに私も大学生で実家暮らしの頃はコンコースの柱のところに止まってだらだらと2時間くらいは彼氏と話していたことがあった。名残惜しいというのとも違うのだけれど、なんとなくそこから離れたくない。別に離れたくないくらい猛烈に好きというわけではないのだけれど、なんだかそのまま帰ってしまうのが癪というか、ちょっと寂しいというか。そういう感情があの柱の前にあらわれるのかもしれない。

それにしても。きっとあのコンコースの柱にはカップルを寄せ付ける強力な磁石か何かが埋め込まれているにちがいない。そうじゃなければどうしてあそこまでカップルが流れ込むのかわからない。
もっと落ち着いたところで話せばいいのに、とかわざわざこんなところで立って話さなくても、とも思うのだけれど、ああやって駅のみんなが見ているところで話すことによって別れそうなところを別れないようにギリギリのところで保っているのかもしれない。

うーん、それにしてもわからない。難しい。コンコースには別れ話の神か何かが宿っているのだろうか……。
もしかして、時代が発展してコンコースの柱にもたれかかって別れ話をするのが定番になってくると、コンコースの前だけで繰り広げられる悲恋の物語などもはじまるのだろうか……。

そういうのを見ているとなんだかもういてもたってもいられなくなってきて、走って行って彼らをくっつけたくなってしまうのである。「もう、ええから!! あんたらもう、もう一回とりあえずつきあお!? とりあえずもうやめよう!? ほ〜ら〜、泣かないの」と走って行って泣いている女の子を慰めたくなってきてしまう。

あれはもしかすると、ドラマや映画であれこれですれ違って最後までくっつけないヒーローとヒロインに「大丈夫!! こいつはあんたのことめちゃくちゃ好きだから! あんたの幸せを思って身を引こうとしてるだけだから! 安心して! くっついて!」と言ってやりたくなる気持ちに少し似ているかもしれない。

あー、そうか、だから何話してるか気になっちゃってるのか、ドラマ見てるのと同じ感覚か、と思いつく。

この世の中ではあらゆるところでドラマが起きている。
金曜日の池袋駅ではいつも十数組のカップルの間でドラマが起きている。
コンコースの柱の前の一組の男と女の間にも、これまで付き合ってきた二人の歴史があり、文化があり、ドラマがある。

いやー、なんか、そう考えると、よくわからんけど、平凡な人生なんてないな、と思った。
どの人間もみんな、それぞれ生まれて、生活して、恋愛してるんだもんな。

そしてそういう細かいことや、どうでもいいことから色々妄想できる自分のことを、今までよりちょっと気に入った。

と、いうわけで、暑いですが、今日も1日元気に頑張りましょう。

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2016-06-11 | Posted in 今日の編集部日記, 記事

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