チーム天狼院

まさか本屋さんに来て、総額287,868円も使うとは


*この記事は、「ライティング・ゼミ」を受講したスタッフが書いたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:田岡尚子(チーム天狼院)
 
 
電卓の「=」を押す人差し指が震えていた。
「一体、総額何円になるのだろうか……」
 
2年前、天狼院の面接に行った時に
「カメラを持ってます」と言ったのが間違いだったのか、
そもそも、カメラを買ったのが間違いだったのか、
そもそも、天狼院に足を踏み込んでしまったのが間違いだったのか……。
 
もともと、カメラを買ったきっかけは
大学でデザイン科にいたため、自分の制作した作品を綺麗に撮影したかった。いわゆる、「ポートフォリオ」を作るためだ。
 
その時は、自分の作品が綺麗に撮るために必要なもの、だったため
作品が出来上がる時にしか出番がなく、
そこそこしたカメラとレンズは、学生のワンルームの家のどこか隅に追いやられていることがほとんどだった。
 
そんな時に、たまたま足を踏み入れた本屋さんで
まさか、私のホコリを被っていたカメラが活躍するとは。
 
一度足を踏み入れてからは、早かった。
 
まずはスタッフとして、天狼院フォト部「茜塾」に参加するようになると
茜先生の熱狂的な指導と、お客さんの楽しそうな姿に私まで楽しくなり、毎月2回のフォト部の時間が、何よりも楽しみだったぐらい。
 
そう、ただただ純粋に楽しんでいたのだが
悪魔のささやきが聞こえたのだ。
「こういうレンズを持つとね、こんなボケるんだよ……」
 
「えっ私もそんな写真撮りたいー!!」
と、フォト部に参加し始めて3ヶ月後ぐらいに、新しくレンズをポチってしまったのである。
+15,000円。
 
「当分服買うの我慢すればいいよね」
そう自分を納得させながら、いつもよりボケやすくて、ふわふわに明るく撮れる単焦点レンズを購入。
 
もう、その世界を知ってしまうと、
片付いてない部屋のテーブルだけでもささっと片付けては、それっぽく物を置いてパシャリ。
飲みかけのペットボトルでも、何でも主役になる楽しさがあった。
 
それからも半年ほど、毎月フォト部で撮影していると
更なる誘惑が……。
いつもお世話になっている、プロカメラマンの榊先生が
私にオールドレンズの良さを語ってくるのだ……。
昔の、フィルムカメラ時代のレンズで
それを使うと、なんとも言えない味が出るのだ。
 
終いには、そのレンズを私のカメラにつけて遊ばせてもらった。
きっと、これが間違いだったのだろう。
 
+20,000円。
新宿の中古レンズ屋さんに何日か通い、
狙っていたオールドレンズを買ってしまった。
そこの店員さんも楽しそうに話してくれるし
「カメラが好きな人に悪い人はいない」と呪文を唱えてクレジットカードを出していた。
 
そんな時に、ふと思い出した。
身近に、こういうことしてた人いなかったっけ……。
 
身近どころではない、実の父親だ。
オークションで狙っているカメラを落としては
小さなダンボール箱が、お母さんのため息とともに運ばれてくることは恒例行事。
あの時は、私も「またかよ……」と呆れていたけど
今は痛いほど父の気持ちがわかる。
ただの黒くて重い円柱の物体じゃなかったんだねと。
こんなに、日常を楽しくしてくれるんだねと……。
 
きっとこれは遺伝だ。しょうがない。
私も父と同じ道を歩もうじゃないか。
 
ここからは開きなおって、写真ライフを思う存分楽しんでいた。
 
そして、2019年の11月。
これは親にもまだ言っていないが、更なる誘惑に負けてしまった。
 
これはもう、やっぱり天狼院書店が悪い。
「次は動画が来る」とか言っている、天狼院が悪い。
かっこいい動画の撮り方を教えてくれる、先生たちが悪い……。
 
当時私が使っていたカメラは、
動画を撮るにはスペックが低い。
 
でも、天狼院の人が、楽しそうに動画について語っているのだ。
 
いやいや、でも今はこれで十分楽しいし!
そもそも、カメラ壊れてないし!
てか、私お金ない!!
 
「SONYなら月々払いで買えるよ!」
 
+252,868円。
もともと持っていたカメラ代を合わせると……
大好きなカフェラテが1,300杯ほど飲めるでしょう。
ラーメンだって、500杯ぐらい食べられる。
ちょっと背伸びをしたおしゃれな服が、30着は買える。
 
ただ、
大好きなカフェラテを1,300杯我慢しても、
ラーメンを500杯我慢しても、
おしゃれな服を30着も買わずに
いつもの日常をより楽しく色鮮やかにしてくれる世界に
目を奪われているのだ。
 
そう、カメラは、写真は、私にとっていつもの日常をもっと楽しく過ごせる「おまじない」を教えてくれる。
日差しが眩しくて外に出たくない日でも、
くもりでどんよりした気分になりそうな日でも、
雨で、髪の毛が湿気でもわっとなるのがどんなに嫌でも。
 
ちょっとした「おまじない」があるから、楽しみが増える。
 
それが、私にとってはカメラだったけれど
きっとそんな「おまじない」を教えてくれるものが、きっと誰にでもあるのだと思う。
文章を書くことだったり、音楽を聞くことだったり
歌を歌うことだったり。
 
それは、
いつもとは違う目線から景色を眺めるきっかけになったり
普段なら出会うことのなかった人と出会える機会を与えてくれたりする。
ギクシャクしていた人とも、それがきっかけで仲が戻ることもあるでしょう。
 
見事に、ここ天狼院にきて、
まさかここまでハマることがあるとは思わなかったけど
 
私にとっての「カメラ」のように
あなたにとっての「おまじない」が何なのかは
ここに来たら、確かめることができるのかもしれない。
 
 
***
 
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2020-04-26 | Posted in チーム天狼院, チーム天狼院, 記事

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