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チーム天狼院

【いいかげんにしろ福岡シリーズ】禁じられた言葉を言ってしまった女子大生の苦悩《ななみの事件簿》


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ぬわぁーーー
どうしよう、この葛藤。
悪魔の声と天使の声が頭の中をぐるぐるぐるぐる。

現場は福岡県中央区天じn……、おっと。ここから先は非公開にしておこう。どうしても知りたいならば、天狼院に来て、私に直接聞いてほしい。おすすめメニューと一緒に教えてあげよう。

そう、ここは元祖「いいかげんにしろ福岡」の現場なのだ。時刻はちょうど13時を回ったところ。テンションは上がりまくり、お腹の方も準備は万端だ。

お店に着くともうそこにはお店の外まで行列ができているではないか! 他のお店も近くにはたくさんあるっていうのに、しかも並んでいないお店もあるというのに、これは一体全体どういうことなのだ!!!

もう入る前から美味しいということはわかった。地域民からの信頼があることはわかった。こんなに並んでいても食べたいホルモンがこの行列の先にはあるということなんだな? 近くには極上和牛ホルモンのもつ鍋もあるけど、ここでいいんだな? 毎朝採れたて鮮魚のお寿司のお店もあるのにだぞ。みんな本当にここで並びたいってことなんだよな?

だったら私も並ぶっちゃん。
福岡人の言葉を交わさなくても伝わって来るその心意気を無条件に信頼して、私も並ぶったい。

群馬に生まれて、群馬に育ち、大学進学を機に上京してからはすっかり都民の仲間入り☆を果たし、順風満帆なTOKYOライフを送っていたわけですが、大学3年目の夏休みに入る1ヶ月前、何だかとても南の方へ行きたくなって、その勢いで1ヶ月間の福岡行きを決めたっちゃけど、もうすでに完全なる信頼を置いているっちゃん。郷に入っては郷に従えっていうことで、博多弁も覚えてきよるけん、そろそろ博多美人になってもいい頃かと思いよるけどこちらの方はもう少し時間がかかりそうったい……。

さてさて、行列に並び始めてどのくらいたっただろうか。
期待ボルテージもどんどん溜まって席に着く。程なくして列に並んでいる間に注文していた熱々ホルモンが目の前に届く。鉄板に乗っているのはころっとしているまるまる太った丸腸と、特製タレと絡み合って殺人的に芳しい豚肉に、ニラともやしの炒め物。ぱらっと振られたゴマが悔しいほどに美味しそうだ。白くて、湯気の先でツヤっと輝くご飯は「おかわり自由です」の合言葉と共に私の元にやってきた。

壁には食べ方の説明書きがあった。まずはそのまま食べる。次に特製タレ①をつけて食べる。次に特製タレ②をつけて食べる。次に野菜と一緒にご飯をかきこむ。

どう食べたって美味しいことくらいわかっていたが、素直に説明書きに従ってみることにした。1口目、やばい、なにこれ、超美味しい。とんでもなく美味しいのだ。ホルモンこそこの世の正義だと思った。結婚したいくらいに惚れてしまった。一生添い遂げたいとさえ思った。出会ってからほんの一瞬で今まで出会った誰よりも圧倒的に私を幸せにしてくれた。私にはもうホルモン様しかいないと思った。しかし、食べたらいなくなってしまったので、結婚はやめた。

一口食べるごとに
「美味しい〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
と悶絶していた。結婚できないなら、せめて今だけでもこの幸せをかみしめようと口いっぱいにホルモンを味わった。

すると、どうしたことだろう。
米が足りなくなりなくなってきたのだ。私、これまで米に困ったことがなく、どちらかというと米は持て余すくらいの余裕のある女だった。

しかし今回ばかりは恥ずかしながら、米に飢える哀れな女となってしまったのだ。ここで思い出したのはご飯をもらった時に聞いたあの言葉。使うことはないと思っていたからスルーしていたあの言葉。

ここで素直に言ってしまえば、私は間違いなくまた幸せの絶頂行きだ。あの幸せをもう一度味わうことができる。あぁ、早く、1秒でも早く言ってしまいたい。しかしだな、女子の永遠の敵、炭水化物。もりもりの白いご飯を一杯完食することすら罪悪感に苛まれてしまうのに、ましてやおかわりまでしたなんて、どの面下げて東京に帰ったらいいのか、私にはわからない。言いたい。言えない。でも言いたい。

そこで、2杯目のご飯もそろそろ食べ終わりそうな三浦さんのアシスト。

「あれー? ななみはおかわりしないのー?」

ゴール前でキーパーも相手ディフェンスもいない状態でドンピシャ最高なアシストパスが来たのに、ゴールに向かってボールを蹴らないサッカー選手は全世界探し回ってもきっとどこにもいないだろう。私は豪快にゴールを決めた。

「おかわり、お願いします!!」

ついに、ついに私は言ってしまったのだ。
おかわりなんていつぶりだろう。
あの禁じられた言葉を解き放ってしまった。
ちょっぴり罪悪感と、圧倒的幸福感。
2杯目のご飯はなんとも言えない美味しさだった。

鉄板に乗ったホルモンはまだ熱かった。
2杯目のお茶碗に盛られた白いご飯の湯気で顔に汗かきながら、生まれ変わったら白いご飯になって、ホルモンと短く熱い恋をするのも悪くないと思った。

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ごちそうさまでした!

 
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