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チーム天狼院

おかしな本屋で働きはじめて気がついた、人生を無駄にしないたった一つの方法


*この記事は、「ライティング・ゼミ プロフェッショナル」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

【5月開講/朝ゼミ】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:田中望美(チーム天狼院)

このタイトルを見ただけで、何かピンと来た方はいるだろうか?
もし、こういうことかな? と勘ぐった人がいたら、それは頭がいいとかそういうことではないかもしれない。
勘ぐる人は多分、かなり天狼院書店に足を運んでくださっているお客様や、スタッフなど、天狼院書店と密に関わっている人だと思う。
なぜなら、私がそうだからだ。大学三年生の頃から入り浸るように天狼院書店に通い、今年から本格的にここで働き出した。東京天狼院にも京都天狼院にも行ったし、劇団天狼院、ライティング・ゼミ、ファナティック読書会、その他諸々……天狼院書店のイベントのほとんどに参加したことがある。私の人生には天狼院書店が無くてはならない存在で、そんなこんなで天狼院書店を知って、かれこれ4年が経とうとしている。そんな私が、最近気がついたので、おそらく天狼院書店に密に関わっている人は絶対にわかると思うのだ。不器用で、脳内花畑な私が気がついたのだから、みんな潜在的に気がついているに違いない。

もし、天狼院書店に全く関わりがないのに分かったという人がいたなら、その人は本当にすごい才能の持ち主なんじゃないかと思う。
だけど、これは、天狼院書店にいれば当たり前のことだから、まだまだ未熟でなんにもできない私だけど、挫けたりはしない。まだまだ人生これからなのだ。

ではまず、自分が働いている職場なのに、なぜ「おかしい」と思うのか、その理由から始めたいと思う。

働き始めて2ヶ月ちょいで、仕事とプライベートの境目が消えた。

そんなの嘘だろと思うかもしれないが、本当なのである。確かに、天狼院書店店主三浦を含め、芸能人だとか、アスリートだとか、好きなことを仕事にすることができた人ほどではないと思う。アスリートは、日々の生活でトレーニングしたり食事に気をつけたりするし、芸能人であればどこかに旅行へ行ってファンの人気を集めるような写真を投稿したりするのも仕事といえば仕事になる。店主三浦も既に私が知るうちでは、800連勤していて、それを三浦は、「あるいは800連休」というのだ。100歳まで生きるとして、まだ人生の4分の1にも達していない私が、そのような人達に比べたら、全然だけれど、かすかにその感覚が感じられた。そしてその感覚は、働けば働くほど、じわじわと明らかになっているようなのだ。

最初は、カフェと本屋の業務を覚えた。次に、イベントの告知投稿や接客の仕方。人との関わり方の難しさや、当たり前のことを当たり前にやれることの重要さなど、社会人としての常識も学んでいる。
一見どんなお店でも教えられるような業務内容だけれど、失敗しながらもやっていくうちに天狼院書店という職場の空気感が分かるようになってきた。

そして、これから、働く中で本当に思ったことを包み隠さず書こうと思う。

仕事が無限にあるので、シフトの時間がすぐに終わってしまう。
店長など上の人は、とても優しいし、優秀。鬼のように働いていて、忙しいのに、私たちアルバイトに対するチェックがかなり細かい、厳しい。
気がついたら、勤務時間外も天狼院書店の仕事のことを考えているから、仕事じゃない日も仕事に関係することを自分の時間を使ってやっている。
感性をオープンにすればするほど結果が出る(ような気がする)
期待されるとプレッシャーも半端ない。
不思議と負けん気が出てくる。

おかしい。

今までの私は、コンビニで働けば、お金にならない残業なんてもってのほかで、1分でも早く帰ろうとしていたし、暇な時間があれば、すきを見つけて自分のやらなきゃならないことややりたいことをやったりしていた。仕事は仕事、プライベートはプライベートだったから、自分のことしか考えられない卑怯な私は、どうしてもプライベートを充実させたくなって、サボりぐせがあったのだ。

でも、天狼院書店では、そんな考えが全く浮かばない。というかむしろ、天狼院で成果を出し、貢献することがなにより自分の為になると思ってしまう。そのためなら、少々無理してでも、自分の時間だって簡単に犠牲にしてしまえるのだ。そう思った時、あ、プライベートと仕事の境目が分からなくなるのは、こんな感覚なのかなと思った。

言ってしまえば、映画を観たり、本を読んで、そこからイベントの発想やおもしろい記事が書けたら、それは仕事したことになる。旅行に行ってそれが小説のネタになれば、プライベートで行ったとしても、それも仕事と言えるのと同じように。

天狼院書店の中心には「書く」ということがある。

アルバイトスタッフは、ゼミの受講が無料でできるし、クリエイティブインターンという制度もあり、大学生は、ここで書店の運営の手伝いをする代わりに、自分の学びたい興味のあることを学ぶことができる。それは、カメラだったり、編集だったり、マーケティングであったり様々。

そして必ず、書かされるのだ。天狼院書店で働くには「書く」というスキルが絶対に必須だから。
それも、ただ文章が書けるのではいけない。読んでもらえる面白い文章でなければいけないのだ。

書けるようになるには、それ相応の訓練が必要だし、たくさん考えなければ書けるようになれない。となると、日々の何気ない生活の中でも、考えざるを得なくなる。電車の中のふとした会話。大学生活での出来事。話題となっているニュース。日常のあらゆる情報がいつアイデアの種になるかわからないからだ。そのために、頭の上にアンテナを常に貼り続けなければならないし、ライティング・ゼミの受講生やスタッフみんな、そうやって書いている。

こうして今私が、夜中に書いている文章だって、仕事といえば仕事なのだ。でも、好きで書いているから仕事ではないとも言える。私は書くことでお金を稼ぎたいと思っているから、自分がプロになるための修行とも言える。

そうなのだ。天狼院書店の仕事は、全て自分のためになる。やればやるほど、自分に返ってくる。
だって、自分の行動全てが、考えようによっては、仕事につながるのだから。書くことが仕事に必要なスキルになっている以上、その事実はどうやっても曲げられない。

2ヶ月しか働いていないのに、仕事とプライベートが切り離せなくなるなんて、おかしいと思いませんか??
しかも、比較的暇そうだねと言われる「本屋さん」がスタッフをそうさせるのですよ?

私が知る限り、天狼院書店で働く方々は、はたから見ると自分の時間をとてつもなく犠牲にしているように思われてもしょうがないと思います。だって、全く自分の時間がないのは事実ですから。みんな毎日、当たり前のように必死で働いています。鈍感な私でさえ一目瞭然です。なのに、疲れたとか、うわーっと叫びだす人はいても、その仕事の手を止めて逃げ出す人はいません。永遠にお客さんやPCと向き合っています。
おそらくここで働いて、やっていることが自分の財産になるという強い確信があるのでしょう。じゃなきゃ、速攻で辞めているはず。明日に持ち越しているはず。妥協しているはず。

店主三浦もいつも言っています。
たくさん書け。死ぬほど考えろ。働け。

ブラック企業並に働いているにも関わらず、そんなふうに言えるのは、その地道な努力の先に明確なキラッと光るスタッフやお客さんの目指す未来があると確信しているからでしょう。

私は思いました。全人類が「書く」ことをしたら良いのに。
別に小説家になれとは言わないから、ただ書き続ければいい。
そしたら、人生無駄にすることなんて一つもなくなるのだから。

仕事で失敗した経験も、ハメを外した爆弾話も、くだらなすぎる自分の人生に嫌気が差した思い出もすべて、読んでもらえる文章へ変換すれば、その時間は、まったくもって無駄なことではなくなるし、俄然意味のあることに変わるのです。自分にとっても、読んでくれた人にとっても。

おかしな本屋さんで働き始めて気が付きました。
書けば書くほど、人生無駄にすることなんてなくなるのだなと。
逆に言えば、人生無駄にしたくなかったら、「読まれる文章を書く」ことが一番手っ取り早い方法なのだな、と。

そのスキルを身につけるために、今日も私たちはこのおかしな本屋で働いているのでしょう。それが今の私にできる、たった一つのことだから。

***

この記事は、「ライティング・ゼミ プロフェッショナル」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。
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