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ガイドブック

みどりの日に植物偏愛者が見た新緑の江ノ島5選《湘南ウォーク・トリップ》


*この記事は、《湘南ウォーク・トリップ》にご参加のお客様に書いていただいたものです。

湘南天狼院【5/4(水祝)】湘南ガイドブックを創る1DAY旅行〜人と出会い、リトル旅行を楽しみ、取材し、旅行案内を創作し、発表する1日完結旅行!【9名様限定】

 

 

記事:成田陸(湘南ウォーク・トリップ)

5月4日、みどりの日。自然に親しむ日に私は湘南天狼院から人の渋滞を歩きながら江ノ島を訪れていた。江ノ島といえば関東でも屈指のデートスポットだ。多くの人が縁結びの神様に祈りに参っているだろうし、カップルならではのレクリエーションもある。定食屋さんも生シラス丼なるモノが定番で、あるゆる定食屋さんに入るのは何十分も待つような列ができていた。その待ち時間すらも楽しそうな人たちが多かった。

 

そんなリア充がイキイキするような空間で、私は引率する天狼院スタッフさんの迷惑をかけながらも一心不乱に植物の写真を撮り続けていた。私は森林や植物、それに携わる人を取材することを生業としている。取材に行かない時もほぼ毎日カメラを持って植物を撮影し、植物が大好きで仕方がない植物偏愛者だ。

 

きっとあなたの生活で植物は風景の一部で、意識したことなんてほぼないだろう。小さくとも彼らは生きていて、新緑を迎えた彼らには力強さすらある。そんな彼らの姿を紹介したい。

 

まずはお店が立ち並ぶ弁天財仲見世通りを抜け、初めてみる大きな鳥居の麓の一部。そこには石積みの塀の隙間に生えるドクダミがある。

ドクダミといえば、庭があるご家庭であれば陰のところで見かける代表的な植物だ。ドクダミ茶などにも使用される人に役立つ植物だが、いかんせん匂いが独特で好まない人が多い。彼らは地を這うような形態で生息するから、今回見かけたドクダミは石積みの隙間を縫うように生えてきているのだ。植物は隙間があって、栄養と水分、日光があれば生息できる。一昔前に流行ったど根性大根が代表例になる。別にど根性大根が特別というわけではない。彼らは種子が流れ着いたところでしか芽を出せない。だからその場で生きようと必死なのだ。

その大鳥居をくぐり抜けて表参道ではなく、西浦海岸の方に歩くと、色あざやかな花を咲かせた植物が出迎える。

足元を見ると黄色い花がある。タンポポのように見えるがオニタビラコという植物だ。こちらは雑草であるが、七草粥にも使われることがある食用植物になる。ある程度の大きい範囲で生息している。彼らに共通するのが、開いている花が一定の方向を向いているのだ。その理由は単純で、より太陽光が浴びられるように西側を向いているのだ。そして、彼らは太陽光がないと生きられないので、日が当たらない壁の上には生えないし、大きな木の陰になるところにも生えない。

 

お次はオニタビラコの隣に生えているムラサキカタバミだ。凛とした印象が特徴な花だ。この植物は江戸時代に観賞用として輸入されて以来、生息する範囲を多く広げた雑草になる。色鮮やかで人目を引くが、なんてことはないこの花は至るところに咲いている。

 

植物を撮影しながら歩いていると、いつの間にか海岸に辿り着いた。ビュービューと潮風が吹いている。髪はなびき、ヒラヒラしたものは風にまくられている様子が多く見られた。潮風というのは植物にとっては天敵だ。大抵の植物は生えない。生えるのは、そう、ササのような乾燥や悪天候に強い植物だ。4つ目は西浦海岸に生えているササだ。

 

ササはどこにでも生えている。海岸のような悪環境から、緑が生い茂る森林の中にでも生える。森林の中だと他の植物の生息域も侵食してしまうためあまり良い印象を持たれていないが、海岸のような場所であれば数少ない虫や鳥、小動物などが生息するスペースになって生き物が多い空間になっていく。場所によって嫌われたり好かれたりする落差が激しいのが、私から見たササだ。

 

最後は、本殿下の階段にあった御神木だ。御神木は太くて歪な形をしているものが多い。太いのは長い時間保護されていたからだが、なぜ歪な形をしているものが多いのだろうか。その答えはしめ縄が巻かれていた部分にある。そこには何か病原菌が入ったためかコブがある。

 

山の上に建造物を建てるとき、そこに使う資材や木材はどこから調達するのだろうか。麓の町から資材をえっちらほらと運ぶか、いや運ばない。現地調達が基本となってくる。そのとき使う木は、できれば曲がってなくまっすぐな木であるほど加工しやすく使いやすい。つまりコブがあるような歪な木は使いづらい。ならば、そういった木は御神木として祀ることが多いわけだ。もちろん、ノコギリやチェーンソーを入れようとしたら、雷雨が降ってきたりだとか、勝手に機械が故障したりするような場合もある。そういった場合もあるが、御神木に歪な形が多いのは人の都合だったりするケースもある。

 

さて、ここまで江ノ島の緑を紹介してきた。普段あまり見ない世界だが、カメラを構えて植物に寄ってみると別の視界が開けるかもしれない。これからますます緑が綺麗な日になっていく、晴れた日でも雨の日でもカメラを持って江ノ島に行ってみてはどうだろうか。


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