【私的福岡】来るなら知っておきたい!福岡ルール。
記事:Ryosuke Koike
私は、就職してはじめて福岡での生活を開始したのだが、実家や大学生活を送った関西とは違う生活文化に最初は驚いたものだ。世界的に見れば小さい国土で、大小さまざまな文化に違いがあるのは面白い。
福岡での生活も10年以上経過し、身に沁みついてきていると思っているが、これから先ビジネスで、観光で、その他の所要で福岡に来る方に前もって知っておいてもらいたい「福岡ルール」について、少し紹介しておきたいと思う。
1 エスカレーター
博多駅で新幹線を降りたり、福岡空港に飛行機でやってきたりして最初に出会うのはエスカレーターである。
エスカレーターに乗るとき、右側と左側、人はどちらに並ぶことになるのか?
私のことで言えば、実家の田舎ではそもそも人が少なく並ぶルールなんてなかったので、関西で大学生活をはじめたときに片側に並ぶルールを知った際は、さすが都会だなと感じたものだ。大阪は右側に並んでいたし、東京に遊びに行くときは左側に並んでいたと思う。さて福岡は?
関西以西だから右側かと思いきや、左側である。むしろ、大阪だけが特殊なようである。
ところで、列のないもう一方の空いた側は歩く人のための通路の役割となるが、福岡市の地下鉄ではエスカレーター上では歩かないでとポスターやらアナウンスやらで呼びかけている。時間には余裕をもちたいものである。
2 待ち合わせ
今春から福岡でもライティング・ラボが開催されているが、東京から来られた講師の天狼院の三浦さんからかけられた言葉に「福岡の人は集まりが遅い」というものがあった。
福岡の人はよく遅刻するのか?
三浦さんの話では、東京では受付開始の直後から参加者はやってくるが、福岡では本番開始の直後に多くやってくるとのことであった。実際、私も本番開始の5分前位に会場に到着するようにしている。間に合っているから問題ないと思いたいのだけれど。
これが飲み会の席になると、遅れてくる人が結構多い。そして、遅れてきた人が「博多時間です。」と言うことがままある。
言われた方は、福岡は全体として時間にルーズな文化だとか、言い訳にしてはユニークな言い方だとか思ったりしてなんとなく納得してしまう。
本来「博多時間」とは、相手がギリギリまで準備していることを慮って訪れる態度から出てきたものであるという。確か、ビジネスマナーでも、来訪は時間通りでなくほんの少しだけずらして訪れる方が良いとどこかで習ったような気もする。
そういうわけだが、福岡の人が遅刻して「博多時間」を言い訳にしても、本来の意味は心の片隅に置いておいて、こころよく迎えてほしい。
3 焼き鳥
福岡の夜の街を歩いていると、居酒屋の中に混じって焼き鳥屋が多いことに気付く。飲み会のセッティングでも、居酒屋というカテゴリーとは別に焼き鳥という選択肢があるように思う。
焼き鳥屋に行ったとして、最初に何を食べるべきか?
もちろん「豚バラ」である。コショウが効いて一杯目のビールによく合うのだ。お店によってはピリ辛みそ味の「ミソバラ」もあるのでご賞味あれ。
おそらく関東の人からすれば、焼き鳥でなぜ豚?と思うに違いない。確かにそのとおりだ。しかし、福岡で焼き鳥屋といえば「豚バラ」なのだ。私も今ではまったく違和感がなくなってしまった。
もちろん、鳥もあるので心配はいらない。
4 博多手一本
先に博多時間のことで触れたが、飲み会では、遅れてきた人を迎えては、そのたびに乾杯をする。
職場など多くの人が参加する宴会では、芋焼酎を飲む人が多いので、芋焼酎のボトルと、氷・水のセットかお湯が一緒に運ばれてきて、会場の端っこで参加者のうちで若い人がせっせとこしらえている光景をよく目にする。
焼酎の濃さの好みは、人によってまちまちで、千差万別である。そのうえ、自分の思ったとおりの濃さにならないことが多い。「ちょっと薄い」「濃いなあ」という言葉が飛び交う。
そうこうして、宴会は盛り上がるわけだが、終了時間が近づくと、飲み会の幹事が「宴もたけなわでございますが……」と告げる。
宴会の最後に行われるものがあるが、それは何か?
オフィシャルな要素のある飲み会は、ほぼ間違いなく「博多手一本」で締めることになる。福岡以外の人には全くなじみがないテンポとフレーズである。そのため、福岡以外の人が参加している場合は、練習の時間が設けられることが多いので心配はいらない。
ただし、ここで注意しなければならないことが1つだけある。
今でもやってしまい、注意されてしまうことがある。
「博多手一本」で締めた後は、盛り上がっても、なんとなくでも、拍手してはならない。「締めた」ことにならないからだ。
時間にルーズ(?)な福岡の人だが、このことにはどんなに酔っぱらっていても敏感である。気をつけておこう。
他にも大小様々なルールや環境があるわけだが、全て紹介するのはもったいない。ぜひ、福岡の地で異文化を見て、聞いて、体験してほしい。
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