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どうせ齢を取るなら、イケてる年配者になろうよ


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:河瀬佳代子(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
コツ、コツ、コツ、コツ……
軽快なヒールの靴音が響いてくる。
 
「おはようございます!」
 
明るい挨拶が響く。
いつも思う。とても素敵な、凛とした声だ。
 
今いる部署で、1番の先輩社員が出勤される風景だ。
私も「おはようございます」と挨拶を返し、1日の仕事が始まる。
 
その人は、職場を定年まで勤め上げて、現在も嘱託で働かれている。
人間関係に殊更気を遣わなければいけない今の職場を定年まで勤め上げるということ自体、並大抵のご苦労ではなかったと想像するが、そのことを成し遂げただけでも私にとってはひたすら尊敬の対象である。
 
それに加えて、目を見張ってしまうのは、その方の立ち居振る舞いや言葉遣いがきちんとしていることだ。昭和は遥か昔、そして平成も終わり令和になった今、正しい言葉遣いや立ち居振る舞いが出来ている人が本当に少なくなった。いつもその方と話すと、こちらもきちんと対峙しなくてはと思う。そのくらい、しゃきっとしておられる方だ。
 
街中を歩いたり、電車に乗ったりしていて、「この人のようになってみたい」と思える年配の人に何人出会うだろうか。少なくとも、私の小さい頃に比べたら、「きちんとしている年配者」の割合は減っているように思う。
 
老若男女を問わず、皆、あらゆることに余裕がなくなっていて、それは残念ながら年配者にも及んでいる。人にぶつかっても知らん顔で通り過ぎる、サービスを提供してくれる人に理不尽なクレームをつける、電車でも我先に他人を突き飛ばして座席を占領する、そんな年配者を見るにつけ、こちらも沈んだ気持ちにさせられてしまう。
 
そのような光景を眺めながら思う。もし自分がそんな年配者になってしまったらどうしようかと。いや、もう片足突っ込んでるかもしれない。それはそれでもっと困るけど。
 
どうして人は、齢を重ねていくと、自分でも気が付かぬうちに人から疎まれるような場面を多く出してしまうのだろうか。それはひとえに、「長く生きた経験値から来る慣れ」が原因としか思えない。言い換えれば、「このくらいでいいんじゃないか?」という甘えだろう。甘えるから言動もいい加減になる。年嵩だから何でも許されると勘違いする。その思考パターンがアウトなのに、それに気がついていない。
 
そんな「残念な年配者」を最近多く見かけていたせいか、初めてその先輩社員の方にお会いした時は、目から鱗が落ちたような感覚を受けた。
 
まず、見た目がきちんとしている。
「人は見た目が9割」とはよく言ったもので、だらしない格好をしている人からは信頼感ゼロしか出てこないが、先輩はいつ見ても身綺麗にされている。「この人はきちんとした人かもしれない」という第一印象は、人を判断する上で大変重要なことだ。
 
次に「気さくである」こと。
身綺麗な人って、もしかしたら高飛車で冷たいんじゃないか? と思われがちだが、先輩はそんなことはない。後から入社した私のような、右も左も分からない人にも気さくに話しかけてくれる。それも仕事の話や文化的な話だけではなく、巷で話題の芸能ニュース的なことも気軽に話しかける。
 
そして「自分の仕事に責任を持つ」こと。
彼女の仕事には、「このくらいでいいか」という妥協がない。この場合はこれでいいか、相手は納得するのか? を常に考えているからこその指示が出る。それでいて、指示が乱暴ではない。目下の者にも温かく接してくれるからこそ、少々無理目な依頼でも、喜んで引き受けようという気持ちになる。
 
齢を重ねる上で大事なことは、「相手が動いてくれる自分になること」に尽きる。間違っても「年長者の主張なんだから、そちらが聞き入れて当たり前」などと思ってはいけない。それを醸し出した瞬間から、その人の価値は落ちるから。
 
以前、仕事の悩みをその先輩に聞いてもらったことがあった。ひとしきり私が話した後、先輩は頷き、最後にこう答えた。
 
「いろいろなことがあるかも知れないけど、明るく楽しく、お仕事すればいいのよ」
 
私が悩んでいたことに対してダメ出しをせず、他者を悪く言うこともなく、さらりとアドバイスをしてくれた。咄嗟に出た、誰にも迷惑をかけず傷つけないその回答は、長年の経験がなければ身につかないものだ。流石だと思った。
 
どうせ齢を重ねるなら、集団の中から引き立つような魅力を持った存在になりたいものだ。誰にも責任転嫁せず、人を大事に生きていくことの積み重ねは強い。一目見ただけで、内面からにじみ出る人間性を身につけ、評価されるくらいの「イケてる人」を目指して、バランスよく齢を取りたいものだ。
 
 
 
 
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2019-11-28 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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