学びを最大に活かすたった1つの法則
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記事:匿名(ライティング・ゼミ冬休み集中コース)
「勉強しないさい」
このフレーズを子どもの頃に親に何度言われたことだろう。
言われる度に「よし! 勉強頑張ろう」と黙々と勉学に励んだ、わけもなく実際には親の望みとは反対方向へと進んだわけだ。
そう、僕は勉強が嫌いだった。
それでも小学校の頃は、そこそこできた。
テストで100点を取ったこともある。
でも、それは僕の能力が高かったわけではなく、内容が簡単なだけだった。
中学校に入っても最初の頃は、まずまずの成績だった。
小学校の貯金でなんとかくらいついていったという感じに。
貯金が尽きた頃、勉強嫌いはますます激しくなった。
勉強しないから授業についていけない。
授業を聞いてもわからないから勉強がつまらない。
つまらないから勉強しない。
勉強しないから成績が下がる。
という見事な循環が出来上がったわけだ。
授業中は、起きている時間よりも寝ている時間の方が長い。
塾には通っていたものの、先生が面白かったのと、当時好きだった女の子に会いたいという不純な同期でただなんとなく通っているというものだった。
本当にどうしよもない奴だった。
普通だったら進学は難しいわけだが、僕は高校、大学と順調に進学していくわけだ。
え? どうして? と思われるかもしれない。
僕は部活で好成績を残した。
その実績が評価され、いわば推薦のようなもので順調に進学していったのだ。
僕はこの時点ですでに、目標達成のために勉強が全てではない。
勉強なんかしなくたって、世の中上手くやっていけるんだ、とアホな持論を展開するという、しょうもない学生時代を送った。
大学に入ってからは、ますます勉強とは無縁の生活を送った。
一人暮らしの僕には親の「勉強しないさい」攻撃は届かない。
悠々自適な生活を満喫しまくったわけだ。
もちろん4年という期限付きで。
僕にもついに試練が訪れた。
就職活動だ。
さすがに、こんなアホを採用してくれるところはないだろう、とここに来てようやく焦った。
僕が戦える武器は持ち前の明るさと、運動部で鍛えられた理不尽に耐えることができる忍耐力だけだった。
これを武器に戦うしかない、と腹を括った。
そんな僕の将来性(?)を見込んで採用してくれた仏のような企業があった。
それが、塾だった。
僕は就職が決まったことにとりあえず、ホッとした。
なんともまぁ、不思議なもので、学生時代に全く勉強して来なかった僕が、学生に勉強を教える立場になるなんて。
自分でも笑えた。
塾では中学の社会科を担当することになった。
いくら中学内容とはいえ、ほとんど勉強して来なかった僕にとって、かなりハードルは高い。
社会人になってまで、勉強は嫌いだ、と呑気なことは言ってはられないので勉強をすることにした。
最初に躓いたのが、勉強の仕方がわからない、ということだ。
僕がこれまでしてきた勉強といえば、テスト前に徹夜同然で直前になって詰め込んだだけのいわば一時的なもの。
なんの役にも立たないものだった。
だから、何をどうしたらいいか全くわからなかった。
そんな調子なものだから、最初の頃の授業は全くもって上手くいかなかった。
生徒の方がよく知ってる。
生徒に「先生それ間違ってます」と指摘される始末。
笑えるに笑えない。
これはまずいと、ここに来てようやく勉強に対するエンジンがかかった。
そこからは、寝る間を惜しんで勉強した。
休みの日もとにかくテキストや参考書に向き合った。
そうすると、少しずつ勉強がわかるようになってきた。
わかるようになると勉強が楽しくなってきた。
なんともレベルの低い話だが、少し進歩したのである。
先輩からこんなことを教わった。
「1教えるには10知らないといけない」と。
確かにそうだ、と思った。
10知っていて10教えるのは単なる知識のひけらかしになる。
豊富な知識に裏付けされた1を教える方が相手に届くのだ。
そこから僕は、物事の本質を見るように学んだ。
これってどうしてこうなんだろう。
なんでこうなったんだろう。
この理由はなんだろう。
と、幼い子どもが、お母さんに「ねぇねぇ、どうして? なんで?」とごねるように。
そうするとさらに勉強が面白くなった。
「へーそうなんだ」
この瞬間がたまらなく好きになった。
そして、面白いことを学ぶと、それを誰かに伝えたくなるのだ。
学んだ内容を実際に生徒に話す。
僕が楽しそうに話すので、生徒も楽しそうに聞くようになる。
楽しさは伝染するのだ。
結果として、授業が上手くいくようになる。
1つ上手くいくと、ドミノ倒しのようにいろんなことが上手くいくようになった。
僕が勉強を通じて、一番学んだこと。
それは、「教えるように学ぶこと」
これが、学びを最大に活かすたった1つの法則だということ。
僕は勉強が嫌いだったわけじゃない。
勉強の面白さを知らなかっただけなんだ。
それを知った今、僕は心から言えることがある。
勉強って楽しい! 学ぶって最高! と。
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