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メディアグランプリ

私たちの宗教戦争

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*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:和田 誠司(ライティングゼミ 日曜コース)
 
 
私たちは常に宗教戦争をしているようなものだ。
私が先日電車に乗っているとき、こんな会話を耳にした。Aさん(30代女性)が「Cさんの仕事の進め方ってありえないよね。もう本当に使えない」続けて、「Cさんの考え方って古いよね。もう時代と合っていないよね」など陰口を言っていた。続いてそれを聞いているBさん(同世代の女性)はこんなことを言っていた「分かる~。私もそう思ってたんだ。Cさんもこういう風にしてくれるとこっちも助かるのにね。本当に年上だけってだけで自分の考えを押し付けてくんなって感じ」と。それを聞いていた私は、車内でそんな大声でしゃべらないで欲しいな、うるさいなと思いつつ、ふとこんなことに気がついた。これは宗教戦争ではないだろうかと。
私たちが接している宗教とは、特定の神様を信じることではなく、自分の考えを正しいと思い他人に伝播をしていくことだ。戦争とは、武器や兵器を使うのではなく、自分の味方を増やしていき、自分の考えを浸透させていくことである。
だからこの人達はこの会話を通して、「私たちの考えは間違っていない、自分の考えに賛同してくれるよね、私たちは仲間だよね」と自分たちの関係性を確かめつつ、仲間を増やそうとしていっているのではないかと。仮にBさんがここで「そんなことはない、Cさんもがんばっているよ」とAさんの考えに同調しないことを伝えたならば、この人は考えが違うと思われる。するとAさんはBさんから離れていき、もう仲良しではなくなってしまうかもしれない。Bさんのように大半の人は、自分ひとりで生きていく強さがなく、目の前の人とは仲良しでいたいため、言われたことに同調していくことになるだろう。
もし、Cさんが口下手で、仲良しグループを作ることが下手であったとしよう。いつの間にか陰口の対象となっているCさんは、味方がどんどん減っていき、発言も聞き入れられなくなり、孤立になっていくかも知れない。そうすると学校ではいじめとなり、仕事場では仕事が進めにくい状況が出来上がる。Cさんの周りの評判はさらに下がっていくだろう。
宗教戦争を仕掛ける人は、自分の考えが正しいと信じ切り、相手の考えが間違っていると信じている。自分が宗教戦争を仕掛けているというつもりはなくても。
同調する人は、Cさんになりたくないとみんはビクビクしながら、どこか自分が対象ではないことに安堵しながら、自分の方が上にいるという優越感から、陰口は広がっていく。自分が宗教戦争を大きくしていることに気がついていなくても。
そうだからこそ私たちは常に宗教戦争に巻き込まれているし、自分たちでも起こしているかもしれないのだ。
こんなことを私が思っている時に、AさんとBさんの会話は熱を帯びてきて、声がどんどん大きくなっていった。二人はしきにりCさんのことを、仕事の進め方が古い古いと言っていた。
陰口の対象となっているCさんはどんな気持ちだろうか。私はAさんとBさんの会話を聞いてこんなことを想像してみた。CさんとAさんはもともとあまり、仲が良くない。Cさんの方が7つ上の先輩だ。ただ、Aさんは優秀であるため、Cさんと同じ立場になった。Aさんはアイディアマンであり、自分が優秀であることを良く知っていた。だからこそ、年上の人たちの古臭い、仕事の進め方に我慢ができなかったのだ。「なぜ新しいやり方を試そうとしないのだ」と。CさんはそんなAさんを見ていつもこう思っているかも知れない「なぜ先輩たちに礼儀を持てないのか。みんながみんなAさんのようにアイディアを出せるわけではない。だからこそ、みんなが進めやすい仕事の仕方が生まれているのだ。なぜAさんはそれを守らないのだ」と。Cさんに、このような背景があったとき、AさんとCさんのどちらが正しいと思っただろうか。筆者である私としては、どちらも正しいことのように思えた。
Aさんは革新的な人に見られ、Cさんは古いやり方を守る人に見られた。Bさんの反応を見る限り、この職場では、Aさんの考えに賛同してくれる人が多かったようだ。
沸騰した鍋のように熱を帯びていた二人は、途中で下車をしていった。下車をした後もどうやらCさんの陰口は続く模様だ。そのままお酒でも飲みに行くのだろうか。二人はとても楽しそうに見えていた。
その様子を見ながら私はこんなことを思っていた。恐らくA、B、Cさんの間で考えの違いや能力の差はないのではないか。違いがないからこそ、違いを出すためにわざわざCあさんが少し劣っているところを見出し、叩いているだけなのではないかと。日本中でこんなことが起きているなら、お互い足を引っ張り合っているだけだなと。
AさんもBさんもCさんの考えをあそこまで知っているんだったら、その良さを活かし合えば、もっと良い職場になるだろうになと。
もしAさんの最初の一言が「古いからだめ」ではなく「Cさんの考えを活かすならこんなやり方もあるよね」に変わるだけで、電車内の会話は変わったかも知れない。
もしかしたら、最初の一言を「考えを活かすなら」に変えると日本はもっと良くなるかも知れない。私が電車を降りたとき、期待に胸が膨らんでいた。さて、明日から私の一言目を変えてみよう。
 
 
 
 
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2020-01-17 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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