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メディアグランプリ

点を描く


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:匿名(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
やってしまった。入社5年目、ベンチャー企業ではそろそろ中堅。私は社長に提出するべく約5時間かけて作成したエクセルデータを夜の21時にふっとばした。なぜか。エクセルのフィルタのかけ方をわかっていなかったからだ。
 
上司にすぐに相談にいくと、「全てにフィルタを書けて並べ替えをしないと、データはめちゃめちゃになるよ。基本だよ。」と当たり前のように言われた。
 
うん、知りませんでした。しかし、一言言わせて頂きたい。私の通常の業務はPPTしか使用しない。バックオフィス系の業務でもほとんどエクセルは使わない。確かに、たまにメンバーの業務把握やチーム全体の数値を把握する際にエクセルを用いるため必要だと思った。けれども、私がエクセルを勉強しますという話をしても、できる人にやらせればいいと言ったのはあなたじゃないか。この結果はあなたにも責任がありますと……。
 
しかし、今回はエクセルを勉強しなくてもいいという上司の声に甘え、必要だと思ったエクセルをきちんと学ばなかった私に非があったのだ。私は二重三重にショックを受けた頭で、社長に謝罪の連絡をしながらある人の言葉を思い出していた。
 
「ハングリーであれ。愚か者であれ」という言葉を聞いたことがあるだろうか?
これはスティーブ・ジョブズ氏のハーバード大学の卒業式でのスピーチだ。スティーブ・ジョブズというと、大学生の頃から社長になるのが夢で、世界を変えるためにいろいろと動いて人物だと思っていた。しかし、そんなことはなかったのだ。
ジョブズ氏は大学に入学しても、特にやりたいことはなかったそうだ。そして大学に通っても意味を見いだせなかったため、わずか半年後に退学することを決めたそうだ。そうすると自分の興味がある授業のみを受講した。その中に、文字を美しく見せるための手法のカリグラフという講義があった。ジョブズ氏はその時はいずれ何かの役に立つとは全く思ってもおらず、ただ、文字の世界の虜になった。しかし、それがアップル最初のコンピュータマッキントッシュの開発の時に役にたったのだ。美しいフォント機能を持つ、新しいコンピュータを世に送り出し、コアなファンをつかんだ。
 
このようにジョブズ氏はスピーチで、「先々の事を見据えてカリグラフを学んだわけではないが、将来的に後からつなぎ合わせることができる。今やっていることが、いずれ人生のどこかでつながって実を結ぶだろうと信じてやるしかない。これが大きな差をもたらす。」と言っていた。
今回のように夜に重要なデータをふっとばすということは、私がエクセルの知識は必要だと思った時点でしっかりエクセルを学び、点を描いておけば、点はつながり、避けられていたことだったと思う。データをふっとばすということはなかった。きちんと自分の血肉となり、自分を助けてくれたと思う。ジョブズ氏が言っている大きな差とは学んでいる・いないことによる結果の差だ。更に言うとジョブズ氏がカリグラフは将来必要だと思ってもいなかったにも関わらず、結果的に将来その学びが活かされている。それではなおさら、自分が必要だと思ったことは、他人が何を言おうと関わらず、どんどん学んだほうがいいのではないかと思う。壁を避けずに、必要な知識を学んで点を描き、乗り越えたほうがいいのだ。
 
点を描いていない私では将来、振り返って点と点をつなぎ合わせることすら不可能だ。点は描いてさえいれば将来的に勝手につながる。将来、点はつながると信じて点を描くことが大切なのだ。同じようにこのライティングも私は今の自分の仕事をする上で必要だと思ったから受講している。上司には特に学べとも言われていないし、必要ないとも言われていない。しかし、私はライティングが面白いし、学びたい分野なのだ。どれくらい将来役に立つかはわからないけれど、私は半年間、興味がある分野のライティングという点を描こうと決めた。いつかきっと点はつながるはずだと信じている。
 
そして同じくらい、興味がないことでも今の私に必要だとわかったことはできるだけはやく学ぼうとしている。次の点をつなぐために必要な点だからだ。この点がないと先に進めない。壁はさけていると点がつなげないというもっと大きな壁となって私の前に立ちはだかる。私は現在、新人と一緒にエクセルを勉強中だ。
 
 
 
 
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2020-01-31 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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