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メディアグランプリ

「ブス」の呪い


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:千神 弥生 (ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
「ブス!」
 
言われたことありますか? しかも、公衆の面前で。
 
これは言っちゃいけない言葉ですよね。
ダメダメ、絶対ダメ! NOブス!
 
でも、こういう嫌な言葉ほど、大事なメッセージが隠れていることがある、という話です。
 
子供の頃、地域の子供会のみんなで遊園地に行ったんです。
 
当日、そこでは仮面ライダー的なショーが催されており、野外ステージにはたくさんの子供たちが観覧していました。
 
私も最初は楽しんで観ていたのですが、突如として悪者が登場し、黒いショッカーたちに「子供たちを掴まえてここに連れてくるように!」と命令しました。
 
ショッカーたちが「ヒュウー!」という高い声を発しながら、子供たちを追いかけ始め、みんなが「キャーーー!!」と逃げ出し、数人捕らえられました。
 
そのショッカーの1人が、なんと私を追いかけてきたんです!
 
私は、怖くて「キャーーー!!!」と全速力で逃げました!
 
意外と私の足が速かったようで、ショッカーはなかなか私を掴まえられず、しつこく追いかけていた時です。
 
舞台に立っていた悪者が、マイクでこう言ったんです。
 
「おい! もういい! そんなブスはほっとけ!」
 
……
 
「ヒュウ―!」
 
ショッカーは戻っていきました。
 
急に1人取り残された私は、その後どうしたのかは覚えていません。
たしか小学校3,4年生くらいだったと思います。
 
会場中に響いた「ブス」は、子供たちには当然、そしてちょっと離れたところでくつろいでいた親たちにも聞こえたはずです。
 
そのあと家に帰った時に、近所の男子に「あのときブスって言われただろ!」と言われ、「うるせー!」と一喝して、その件は終わったように見えました。
 
ところが、です。
 
この件は、ずっと私の心に刻まれていたのです。
 
どれだけメイクをして可愛く見えようと、人から褒められようと、心の奥から聴こえてくるんです。
 
「いや、私はブスだ」と。
 
実に、30年間以上、私は「ブス」の呪いにかかり続けることになったのですが、ここに、私の「人生のテーマ」というものが隠れていたんです。
 
というのも、現在私は仕事として、アロマテラピーと韓国の骨気(コルギ)という施術を合わせた技術で、「女性であること」や「美しくいたい気持ち」を諦めている女性や、不定愁訴や婦人科系の悩みがある女性たちが、本来の女性としての機能やラインを取り戻し、女性がより健康で美しくなるお手伝いをしています。
 
これはたまたま立ち読みしたマッサージの本に感動したのがきっかけです。
 
そして、もう1つの仕事は、人生がうまくいかない、生きていくのが辛いと思う方々の心の相談に乗っています。
 
その方の人生が、本当はどれだけ美しく壮大な物語なのかを腑に落としてもらい、「すべての出来事は自分が選んできた」と主体性を持って生きられるように、生き方を根底から転換していく仕事です。
 
この仕事も、たまたま出会った女性が素敵で一目惚れをしてしまい、その女性がされていた仕事だったので、「私もやりたい!」というのがスタートでした。
 
けれど、どちらも「たまたま」なのに、なぜか私に「美しさ」という方角を示すのです。
 
このどちらの仕事も、女性が「本来の美しさ」を取り戻す姿を見るたびに、その輝きに感動してしまうのです。
 
「自分に自信がない」
「どうせ私は」
「人から好かれない」
「女性としてダメだ」
 
こんな言葉を握りしめて生きるのが辛い女性たちの気持ちを、私は心から理解することができます。
 
女性にとって、その後の人生すべてに影響するほどの威力がある、痛恨の一撃「ブス」を受けている私だからこそ、です。
 
もちろん、女性に向かって「ブス」なんて言うべきではありません。
 
でも……今、「女性の本来の美しさ」を取り戻すサポートをさせてもらえ、私自身もそれに感動しているわけで……。
 
なるほど、私には「ブス」という言葉を言われる必要があったわけです。
 
言葉には良いモノも、悪いモノもあると思います
 
子供の頃に受けた衝撃的な言葉などは、特に。
 
けれど、これだけは確かなのです。
 
強く刻まれた嫌な言葉、辛い経験には、実は大切なメッセージが込められています。
 
そのお陰で得たこと、学んだこと、目指す方向というのが必ず存在していて、それが今の自分、もしくは未来の自分を生きる上で、方位磁石のように導いてくれるものであることが多いのです。
 
その言葉や出来事が、苦しみや痛みを伴うものであるほど「あっちだ!」と指し示しています。
 
もし、今、思い返すと辛い、嫌な気持ちになる、そんなことがあるとしたら、コンパスはどの方向を指し示しているか感じてみてほしいのです。
 
きっと、人生がより豊かに、より発展していく方に、針が向いていると思います。
 
そして、一見悪者に見える人たちがみんな、その針の指す方向に進んで行くための役者として登場してくれていたのが、腑に落ちるはずです。
 
その瞬間、呪いが解けます。
 
私が「ブス」の呪いから解けたように。
 
ただ、もしあの時に戻れるとしたら、とりあえず悪者とショッカーの衣装を舞台上で脱がせて、フリチンにして「誰がブスじゃ、コラ!」と言います。
 
ブスは、NGですよ、男性のみなさま。
 
 
 
 
***
 
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2020-03-11 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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