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メディアグランプリ

悪くないだろう。


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

【4月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《日曜コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:fuku (日曜ライティングゼミ)
 
 
「転職はキャリアアップの証拠よ! そんなこともわからない人を面接官にした人を出しなさい!!」
 
電話口には40代だろうか、ヒステリックな女性の声。
こちらだって負けてはいない。春というのはおかしな人が増えるシーズンなのだ。季節行事として割り切って対応する。
 
「すぐに、というのはちょっと難しいので確認して……」
 
「何よ! どうせいるのに出ないだけでしょう!」
わかってるなら聞かないで欲しい。
面接時に職歴の欄で会社名が多いから、ふと理由を尋ねた。
違う理由で不採用という結果になった人だったけれど、このリアクション。
 
結局上司が電話をかけて、約1時間、彼女の価値がどれだけ素晴らしいかについて、ほめそやして終着となった。ふぅ。
 
お客様相談室には、日々、キャラクターの濃い人、圧の強い人がやってくる。
 
3年前に購入した観葉植物、離婚したから思い出深くて辛いので返品したい。
どうして返品を受けてくれないのだ!
 
幸せがやってくる、という花言葉の植物が枯れてしまった。
水やりが良くなかったというけれど、じゃあ私の幸せはどうしてくれるのだ!
 
みかんが甘くない! 広告に偽りありだ! 返品しろ!
 
えぇー。一体、どうしろというのだろうか。一人で電話口で対応していると、あまりに当たり前に無理難題をいう姿に負けて、何が正しいのかわからなくなってくる。
 
こういう人をボイスパワーが強い、という表現をコールセンターではする。
とにかく怒鳴ったり、脅してきたり、そうやって自分の要求を、無理難題を通そうとするお客様をそう表現する。
 
反面、これもまた不思議なのだけど、本来であればもっと怒っていいのにと言いたくなるような事態になっているお客様ほど、紳士的で寛容な様子でお話をしてくださる。
 
そんな人たちと、日々話をしている私だからこそ、思うことがある。
健全なコミュニケーションとは、何なんだろう、と。
 
自分の主張をすることは良いことだと思う。
表現の自由が保障されている。
ただ権利として保障されているとはいえ、それでいいのだろうかと思ってしまうのである。
 
例えば自己主張をしないと、どんどん自分の存在が薄くなってしまうように感じる。
いわゆる「イイヒト」がそれに当たるのではないだろうか。
 
人の顔色を見て、合わせて、嫌われないように、怒らせないように……
そんなことをしていると、いつの間にか自分がやりたいことや食べたいものすら、わからなくなってしまう。
 
浸透圧、という言葉を覚えているだろうか。
濃度を一定にするために、濃度が調整されるという、物理現象のことだ。
 
人の主張の強さというのは、浸透圧のようなものだと思う。
主張の強い人のそばにいると、自分の主張はどんどん薄くなる。
主張の弱い人のそばにいると、自分の主張はどんどん濃くなる。
そんな風に感じる。
 
例えば、子供のためにと自分の時間を削って何かをしてあげるお母さん。
愛情だからこそ、やってあげたいからこそ、だとしても、自分を消してまでやってしまっていたら、子育て終了後に燃え尽きてしまうのではないか。
 
愛情が原動力でも、支配欲が原動力でも、動く側に一つの基準が必要だと思う。
我慢してまでやらないこと。
 
我慢という言葉の語源は、自分に執着するすることから起こる慢心の意味だ。
我慢してまでやるという裏側に、見返りを欲しい気持ちは潜んでいないだろうか。
我慢してイライラしてしまった時には胸に手を当てて考えるべき、ポイントだと思う。
 
では、どんなコミュニケーションスタイルがいいんだろうか。
ヘルシーでハッピーで継続可能なもの。
 
私はぺこぱのような、否定しないスタイルだと思う。
お互いの正しさを張り合わない、自分も正しい、相手も正しいというコミュニケーションスタイルだ。
今はスタンダードではなくても、数年したらスタンダードになっているかもしれない。
一昔前にはスタンプでコミュニケーションするなんて、想像にもしていなかったように。
 
それが世の中のスタンダードになったら、うつ病だって減るんじゃないか、と可能性を感じる。
 
現に今、世の中にそういったニーズはあると思われる。
「鬼滅の刃」という漫画をご存知でしょうか?
 
少年ジャンプに掲載中の漫画なのですが、今、本屋さんい行くと「お一人様1冊まで」と制限popがあるほどの人気の漫画だ。
 
大正時代の設定で、人を食べてしまう鬼がいる世界。その世界で家族を鬼に食べられてしまった主人公、竈門炭治郎。
唯一生き残った妹は鬼にされてしまい、妹を人間に戻すために、仲間と鬼を退治していくというストーリーである。
 
それが今、30~40代女性に人気、というのだ。
炭治郎は性格的に歴代のジャンプ史上、最も優しい主人公と言われている。
家族思い、仲間思いである。それに加えて妹を絶対的に守る強さや優しさ、正直さを兼ね備えている。
それが理想の結婚相手として人気を博していると。
 
私もその年代の女性の一人だけれど、普段はアニメは見ないし少年漫画は読まない。
そんな私もハマった。
 
ハマったからこそ、その記事が目にとまり、おもしろいと思った。
確かに悟空みたいな人が隣にいたら、いろいろと心配になりそうだし、ルフィーが隣にいたとしても、いろいろと考えろと言ってしまいそうだ。いざという時、どれだけカッコよくても日常の方が多いのが現実だ。
 
結婚相手の話は脱線したけれど、炭治郎も否定をしない、と読んでいて感じる。
相手を信じ、誰かと向き合う時に、基本的に肯定するスタイルだ。
 
ただ、彼のモラルに反する場合だけ逆鱗に触れる。そのエシカルさも時代にあっているのだろう。
今、人はそういった受容やモラルを求めているのではないか。
もう否定するのはやめよう。
 
 
 
 
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この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。 「ライティング・ゼミ」のメンバーになり直近のイベントに参加していただけると、記事を寄稿していただき、WEB天狼院編集部のOKが出ればWEB天狼院の記事として掲載することができます。
 

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2020-03-11 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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