fbpx
メディアグランプリ

【私の勘は役に立つか?】

thumbnail


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

【4月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《日曜コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:にしきおり美保(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
「お・も・て・な・し。おもてなし」
世界一美しいプレゼンテーションだと思った。
日本人に生まれたことを誇りに思い、世界中から来た観光客を心から「おもてなししたい」と思った。
 
2013年9月IOCオリンピック選考会での滝川クリステルさんのプレゼンテーションを聞いた時、胸の内側から感動した。
 
けれど!
私の胸には、もう一つの予感が、波のように広がって、やがて確信に変わっていった。
 
「そりゃないね。絶対に無い!」思わずテレビの前で叫んでしまった。
オリンピックが日本に決まったというニュースの映像を見た瞬間から広がって来た感覚だ。
根拠はまったく無い。ただ単に「絶対にない!」とだけが体中に広がっていた。
つまり「東京オリンピックは開催されない!」
 
こういった内容の話は、引かれたり嫌われたりするので、気の弱い私は、人を選んで喋るようにそれなりに気を付けているが、何だか書きたくなっちゃった気分で書いてしまったこの文章を「まぁ変な人の独り言だね」くらいの感覚でお読み頂ければ幸いに思う。
 
振り返ると、私の『勘』が始まったのは中学生になろうかという年の大晦日の夜。
 
1972年だった。
除夜の鐘を聞いた瞬間「あ、今年、川端康成が死ぬ!」って来た。突然。
 
川端康成氏については、
中学生だったので、『雪国』は当然読んでいたが、ファンという訳でもなく、家には色んな文学者の本がズラッとあって、その一部だった。
何よりも、じいちゃんが『眠れる美女』という本を置いてあって、読んでみたら、あらぁ、 エロティックな内容で、じいちゃんを見るのが気まずくなったとかって経験があった程度だった。特別に個人的に思い入がある作家さんでもなかったのに「何故?」
でも、春過ぎて過ぎ、本当にお亡くなりになった。
 
これってなに?
友達に言ったら、退けぞって「もしも、私が死ぬと出ても言わないでね」って完全に引かれたけど、分かる分かる、私だって知りたくない。
 
それが毎年、毎年続いた。
除夜の鐘を聞かなきゃいいんだけど、大晦日、紅白歌合戦が終わってぼんやりしていると永平寺の除夜の鐘をテレビでやるもんだから
「あー! また! しまった!」ってなっちゃう。
 
封印したのは、受験の計画や勉強であたふたしている頃。
「あ! 今年はチャップリンが死ぬ」
その年は、年末が近づいても、そういった報道が無かったので「今年は当たらなかったんだ。良かった〜」と胸を撫で下ろしていた。だってチャップリン好きなんだもの。
と思っていたら、クリスマスにお亡くなりになった。
こんな暗い勘が6年間100%の確率で当たってしまった。
もう、やんなっちゃう!
 
本気でそう思い、次の年からは、深夜の初詣に出かけて友達とワイワイやって過ごし、気にしないようにしたらそういった『勘』は出なくなった。
 
今なら、その能力を生かして、試験の問題を当てたり、受験に有利な大学を選んだりしちゃえば良かった。もっと自分が得する使い方をすれば良かった。と残念でならない。
言い換えれば、いつどこで何が起こるか分からないのだから、もっとその『勘』をちゃんと磨いておけば良かったかも知れない。
 
でもって一番役立たずだったのは、阪神淡路大震災。
寝入りばな、目の前にスルスルと白いスクリーンが下りてきて、白い夜明け前の街が映し出され「これは何?」と見ていると、突然ブァンと揺れて下から崩れた。「わぁー」っと飛び起きてしまった。ドキドキして息が詰まりそうだった。もう一度、スクリーンに集中し「どこ?」と尋ねた。するとスクリーンに「神」、「戸」と太字の白抜き文字が、ドン、ドン、といったふうに現れた。「なぁんだ神戸かぁ」私はホッとしてパタンと寝た。私は当時、神奈川県に住んでいたからだ。
しかし、5時間後、私がスクリーンに見た通りのことが起こってしまった。後々、写真雑誌でどこの街並で、視点はどこだったのかも特定できた。
あんなにはっきり見えたのに、誰にも知らせる事が出来なかった。本当に申し訳ない。当時は、SNSが無かったし、あっても言えなかったかも知れない。
本当にごめんなさいと思うばかりだった。
 
次回こそは、誰かの役に立ちたいと2011年の2月末には、大きな地震が来ること、電気が止まるから何らかの準備をしておくようにとブログで発信できたので読者からは「心構えが出来て良かった」と言って貰えた。日にちは見当はずれだったのだけど、そう言って貰えて嬉しかった。私なんかのちっぽけなブログで影響力は少なかったかも知れないけど。やっとやっと役に立った。
 
なので、今回のオリンピックの勘は、直後から周りに話していた。「何故だか分からないけど、オリンピック開催出来ない感じがするの」すると「私もそう思いますよ」との反応が多く、賛同者がいてくれて良かったと胸を撫で下ろしていたし、周囲でチケット購入者がいなかったのは、ちょっぴり貢献出来たかも知れない。
 
でも、何故? オリンピックは無いの?
「東南海大地震かな? 東京直下型地震かな? 原発かな?」ずっと結論が出せなかった。
そして運命の今年になり、新型コロナという前代未聞のウイルスがあっと言う間に世界中を災難に引きずり込んだ。
全く予想もつかなかった。惨敗だ。役立たずだ!
 
新型コロナで、災難に遭われている方々、苦しんでいる方々の気持ちを逆撫でする気は毛頭無いし、本当に申し訳ないけど、大地震でなくて、少しホッとしている。努力によって被害を小さく出来るからだ。
 
予測や予知は、出来るに越したことないけど、役に立たなきゃ仕方ないと思う。
 
予測つかないからこそ人生は面白いことも多いし、ドンとぶつかって体験するからこそ生きてる甲斐があるという考え方も確かにある。
確かにあるが、私としては、時々やって来る『勘』で誰かの役に立ちたい、何かの為に活かせると嬉しいという方が本音かも知れない。
両方がせめぎあってグルグルして迷いが大きい。
いやいや、迷ってないで、もっとしっかりと『勘』を磨こう! お役に立てる私になろう!
 
それにしても、あの滝川クリステルさんのプレゼンテーションは美しかったなぁ。
女の私でもうっとりする。
あの世界観の通りの「おもてなしの日本」を世界に見せたかったなぁ。
 
 
 
 
***
 
この記事は、天狼院書店の大人気講座・人生を変えるライティング教室「ライティング・ゼミ」を受講した方が書いたものです。ライティング・ゼミにご参加いただくと記事を投稿いただき、編集部のフィードバックが得られます。チェックをし、Web天狼院書店に掲載レベルを満たしている場合は、Web天狼院書店にアップされます。
 

【2020年4月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《日曜コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜


 

天狼院書店「東京天狼院」 〒171-0022 東京都豊島区南池袋3-24-16 2F 東京天狼院への行き方詳細はこちら

天狼院書店「福岡天狼院」 〒810-0021 福岡県福岡市中央区今泉1-9-12 ハイツ三笠2階

天狼院書店「京都天狼院」2017.1.27 OPEN 〒605-0805 京都府京都市東山区博多町112-5

天狼院書店「プレイアトレ土浦店」 〒300-0035 茨城県土浦市有明町1-30 プレイアトレ土浦2F

【天狼院書店へのお問い合わせ】

【天狼院公式Facebookページ】 天狼院公式Facebookページでは様々な情報を配信しております。下のボックス内で「いいね!」をしていただくだけでイベント情報や記事更新の情報、Facebookページオリジナルコンテンツがご覧いただけるようになります。


2020-04-03 | Posted in メディアグランプリ, 記事

関連記事