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メディアグランプリ

2時間サスペンスに学ぶ「ついつい食べ過ぎ」の防ぎ方


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:ヤマモトマサコ(ライティング・ゼミ通信限定コース)
 
 
「ああ、またやってしまったなあ……」
在宅生活になってからというもの、私の日常は怠惰になる一方だ。買ってきたお菓子を何かあるごとに、ついついつまんでしまうのがやめられない。
朝起きたらチョコ1個、トイレから戻ってきたらチョコ1個、朝ごはんの後デザート代わりにチョコ1個、仕事に取り掛かる前にチョコ1個……。
元々甘いものが大好きだから、外出自粛で週一になったスーパーでの買い物で大量のお菓子を買い込んでしまう。
 
しかし、一週間分のつもりで買ったお菓子の山は、2~3日できれいに無くなっている。
「仕事めんどくさいな。でも、このチョコを食べたら始めよう」
「〆切まであと30分だ!やばい!パクパク……(パソコンより先にチョコを食べる手が早くなる)」
何かを始めなくてはいけないとき、私は自分の気持ちを奮い立たせるきっかけづくりにお菓子を口に入れる。
 
これが毎日の習慣になってしまった。こうなるとやめたくてもやめられない。「今日は我慢するぞ!」と意気込んでも、口に何かを入れないとモチベーションのスイッチが入らないのだ。結局、やらなきゃいけないことが手につかなくて、頑張るためだから仕方ないと自分に言い訳をしながら、お菓子をほおばる。
 
食べ過ぎてるなー、太るなーと頭で考えながら、手が勝手にお菓子をつかんでいる。作業がひと段落して、ふと、ゴミ箱にある大量のチョコの包み紙を見ると、「ああ、なんでやめられないんだろう……」と自分の意思の弱さにがっかりする。でも、また30分後にトイレに立つときには、通りすがりにすっとお菓子ボックスのチョコを掴んでいる……。
 
「ついつい」というのは、小さいことのような響きに聞こえるが実は怖い。一回なら何てことない行動が何度も積み重なって、気づけばとんでもない損をしている。服を買いすぎたり、お酒を飲みすぎたり、財産や健康を害してしまう習慣は、いつも「ついつい」から始まるものだ。「ついつい」は、一度ハマると抜け出せない底なし沼だ。
 
私の悪しきルーティンはお菓子の食べ過ぎだけではない。
私は毎日2~3時間をアマゾンプライムに費やしている。もうお風呂に入らなきゃいけないのに、もう寝ないと明日起きられないのに、ドラマを見始めると止まらない。
特にサスペンスや刑事物のドラマが好きで、一度見だすと犯人が気になって最後まで見ないと気が済まない。
 
よくある2時間サスペンスだと、犯人は衝動的な殺人から始まり、ハラハラする偽装工作、嘘がばれて逃亡劇へ。でも、最後には必ず崖に追い詰められて捕まるというのがお決まりのパターンだ。
毎日見ているうちに、私はこのストーリー展開に既視感を覚えるようになった。そう、まさに今「ついつい」から始まる底なし沼にハマっている私は、この2時間サスペンスの犯人だったのだ。
 
衝動的に食べ始めたチョコ、食べ過ぎだと分かっていながらもパンツの上に乗るお腹の肉をダボダボのパーカーで隠す。「最近、太ったんじゃない?」という友達の指摘に怯えて体重計から逃げ続けるが、ついには2年後の健康診断で「肥満」の判定を受けて再検査になる自分の姿が浮かんだ。クライマックスには、衝動で始めた習慣から抜けられないせいで自分が追い詰められることになる。結末は決まっているのに、身の破滅まで逃げ続けてしまう私は、まさに崖に立つ2時間サスペンスの犯人なのだ。
 
どうしたら2時間サスペンスの最後に崖に追い詰められずに済むのか?ドラマの犯人になりきって、ちょっとわくわくしながら考えてみた。
結論、最初のきっかけとなる事件を起こさないこと、そしてやってしまったら罪悪感という名の刑事に追っかけられる前に潔く自首するべきだ。要は、衝動に負ける最初の一歩を踏み出さず、もしやってしまったら後悔してその場ですぐにその行動を止めるのだ。
 
一度習慣になってしまったことを、自分の意思で止めるのはなかなかに難しい。だけど、自分が事件を起こした犯人になったつもりで最善策を考えてみれば、ゲームのような感覚で楽しく生活習慣を改善できそうだ。大切なのは、自分のお金や健康が被害を受けるサスペンスを成立させないことだ。
 
もう一個、まれな結末だが、犯人が高飛びして逃げ切るという手もある。秀逸に捜査をかく乱して逮捕権限のない海外への逃亡だ。今まさにその手を私が使おうとたくらんでいる。それは、この記事のネタにすることで昇華させてしまうという手である。
そう、私はただ怠惰で意思が弱いのではなく、これを書くためにお菓子を毎日食べ続けていたのだ!
 
 
 
 
***
 
この記事は、天狼院書店の大人気講座・人生を変えるライティング教室「ライティング・ゼミ」を受講した方が書いたものです。ライティング・ゼミにご参加いただくと記事を投稿いただき、編集部のフィードバックが得られます。チェックをし、Web天狼院書店に掲載レベルを満たしている場合は、Web天狼院書店にアップされます。

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2020-05-20 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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