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小さいお子さんがいる家族への「農耕接触」のススメ


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:安平 章吾(ライティング・ゼミ平日コース)
 
 
「おとうさん、いちご食べたい」
娘が言った。
 
「ほんなら育てようか」
私は答えた。
 
このやり取りから我が家での「農耕接触」が始まることになった。
 
コロナ禍の影響により外出の自粛が要請され、遊びに行くことは当然ながら、買い物に行くことも少なくなっていった。
 
そのため、家族と過ごす時間が増えた。
これまで仕事で忙しかったこともあり、初めは家族と接する機会が増えたことはとても嬉しかったが、徐々にきつく感じるようになった。
 
何より外出できず、家でしか過ごせない状態は親だけでなく、子どもにもストレスを抱えることになり、ワガママを言うことが多くなった。
 
「アンパンマンミュージアムに行きたい」
「ディズニーの映画見たい」
「おもちゃ買って」
「家の中でかけっこしたい」
「プラレール走らせたいから大きい線路作って」
 
何の悪気もなく出てくる子どものお願いは、職場の上司からの依頼に近いものを感じる。
 
達成に向けた努力を怠ったり、最低限は代替案を出さなければ収集がつかず、何も前に進まなくなるからだ。
 
私の家族の場合、子どものお願いを断ると、
 
「お父さん、ブー。ごめんね、っていいな! 」
 
と言われ、必ず私が悪者にされる。
 
それだけなら良いが、それ以降私の言うことを全く聞いてくれなくなるので、たちが悪い。
 
そうならないよう、なるべく穏やかに、かつ、上手く受け流すための対応を心がけた。
 
最良の答えを導き出すために頭をフル回転させるとともに、その後、子どもたちと遊ぶときには加えて体力を消耗することになり、心身ともに疲弊するばかりであった。
 
何か家族で、しかも子どもが夢中になれることはないだろうか。
 
そう考えていた矢先に娘がいつもと同じ雰囲気で、苺を食べたいと要望を出してきた。
 
「また買い物に行くのか……」
 
そう諦めかけてきたとき、たまたま私の目にホームセンターのチラシが目に入ってきた。
 
「苺の苗、298円 」
 
細かく販売品が載っていた中でその文字だけが立体的に見え、ほかの商品は全く目に入らなかった。
 
と同時に何も考えずに私は娘を抱っこして一緒に家庭菜園をするように説得した。
 
これまで家庭菜園をしようと考えたことは何度かあった。ただ、大きな庭がなかったことと、休日以外に管理する自信が無かったため、思いついては諦めることを繰り返してきた。
 
しかし、今回が良い機会ではないか、今回始めないと一生やらないかもしれない。
そう思い、苺を育てることから始めようと娘に提案した。
 
娘は頭にクエスチョンマークを浮かべ、私の言葉を理解できていなかったようであったが、一緒に買い物に行けることだけは理解できたようで、深く考えずに納得してくれた。
 
昼寝している妻と息子を置いて、2人で車に乗り、近くのホームセンターに出発した。
 
ホームセンターに着くなり私と娘は小走りで外に置いてある野菜苗のコーナーに向かった。
 
品種が多くあって何が良いのか全く分からない。また、どんな道具が必要で土や肥料をどのようなものが良いのか、到着してから頭を抱えた。
 
ホームセンターに着いてからスマートフォンで苺の育て方を調べていたが、全く分からない。
 
「おとうさん、早く」
 
娘が急かすものだから、プランターや土など、先に必要最低限の道具だけ揃えて、残すは苺の苗だけとなった。
 
「どれがいいかな」
 
品種による違いが全く分からなかったため、娘に選んでもらうことにした。何より娘が自分で選んだものは関心を持ってちゃんと面倒を見るだろうとも考えたからだ。
 
「これが良い」
 
即決でピンク色の苗を選んだ。
娘が大事に抱えていた苗は章姫だった。
 
「お父さんと同じ字が入っているね」
と私が言うと、娘はハッとした顔をした。
 
「絶対これが良い。お父さんのいちご」
 
字のことは理解していなかったようだが、私と関連していると聞いて、より愛着が湧いていることが分かった。
両手に荷物を持ってい無かったら、人目を気にせず娘を抱きしめていたと思う。
 
「ありがとう。せっかくやからもう1つ選びな」
 
あまりにも嬉しかったので、調子に乗って追加で娘に苗を選んでもらい、2つ苗を購入した。
 
家に帰ってから娘と一緒にプランターに苺を植えた。何かに取り組むとき、娘は必ず投げ出していたが、この時だけは何一つワガママ言わず、投げ出しもせず、最後まで苺を植えることができた。
 
それから1ヶ月ほど経ったが、娘は飽きずに毎日様子を観察し、朝早くにも関わらず保育園に行く前に水やりを私と一緒にしてくれている。
 
コロナの影響で家にいることが増えた。
それでも、コロナによって始まった家庭菜園の管理、家での「農耕接触」により、長期間、生き物を育てることに夢中になっている娘の姿を初めて見ることができた。
 
「農耕接触」を通じて、子どもの成長を見ることができている。
 
それから、苺を育て始めてからの1ヶ月の間で、ホウレンソウ、ブロッコリー、ブルーベリーなども育て始め、プランターが約10個ほどに増えた。
 
管理するのが大変であるが、家で子どもと一緒に「農耕接触」する時間がさらに増え、毎朝の作業がとても楽しい。
 
コロナ自粛もそろそろ解除されることになるが、私はまだ家族との「農耕接触」を続け、家族での大切な時間を過ごしていきたい。
 
 
 
 
***

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2020-05-21 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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