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簡単自作ベッド


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:オリベツカサ(ライティング・ゼミ平日コース)
 
 
「ミシ。ミシ。ミシ」
 
ベッドが鳴いている。動物のように鳴いている。少し動いただけで鳴く。
 
かれこれ20年以上使ってきたパイプベッドだ。最近急に音が鳴るようになった。そろそろ替えどきかなと思っていた。
 
そう思っていたときのことだった。大きな音がした。
 
「バキッ」
 
予期していない音だったのでびっくりした。どこかが折れたらしい。
 
じっくり見てみるとベッドの真ん中の鉄の溶接が離れていた。これはもう元には戻らない。
 
ここから新しいベッド選びが始まった。
 
まずはホームセンターに行った。手頃なベッドがあった。同じようなパイプベッドだ。
 
しかし同じベッドを欲しいと思わなかった。
 
もう物は増やしたくないと思ったからだ。
 
最近部屋の断捨離をしている。物をどんどん捨てている。そして気持ちもスッキリしてきた。断捨離で有名な本を読んだのがきっかけだ。実践するとその通りに心が軽やかになっていった。
 
ベッドにはまだ手を付けていなかった。いつかどうにかしようと思っていながら時間が過ぎていた。
 
今回のベッドの破損で急にどうにかしなければいけないことになった。
 
ベッドはもういらないなと思っていた。床に布団を敷けばそれでいいと思った。問題は布団が湿気でカビないようにしなければいけない。寝ているときは意外と汗が出ているのだ。
 
床に敷いて敷きっぱなしもよくない。毎日布団を上げることをしなければいけない。布団を上げるときも湿気に注意しなければいけない。
 
こんなことを考えながら3日が過ぎていった。その間もベッドは「ギシギシ」鳴っている。
 
またホームセンターに行ってみた。ベッドコーナーでベッドの大きさと値段を見ながら「やっぱり要らないな」と思った。
 
そのときに目に入ってきたものがあった。
 
「すのこ」だ。
 
その「すのこ」はよくある木製ではなく緑色のプラスチック製だった。しっかりとしたプラスチック製で木製より強度がある。サイズは押入れサイズで74×34cmだった。2つ並べて押入れで使用するようにできている。
 
もうすぐ梅雨が始まるので特売していたんだと思う。梅雨時期に「すのこ」が売れると予想するホームセンターはさすがだ。
 
これを見てアイデアが浮かんだ。「強度も申し分なく強い。ということはこれを並べればすのこベッドができるんじゃないか」と思った。
 
すぐにその場でスマホの計算機を表示した。縦は74cm×3枚で222cmになる。横は34cm×3枚で102cmになる。布団1枚敷くのにちょうどいい大きさだ。頭の中で暗算でも計算できたがスマホの計算機で確実に数値を見たかったのだ。
 
「これでいける」と思った。しかも断捨離モードに入っている自分にピッタリのベッドができると思った。いつでも捨てることができて、布団の湿気対策もできる。部屋を広く使いたいときは布団を畳むこともできる。すのこは重ねることもできる。木製のすのこようにヤワじゃない。色もモスグリーンでインテリアとしてもバッチリだ。
 
店頭で価格を見て即決した。1枚400円で特売していた。ベッドにするには縦3枚×横3枚必要なので合計9枚必要になる。400円×9枚で3,600円だ。自分でもいい買物だと思う。
 
買ってから自宅に帰りさっそく「すのこベッド」を作った。作ったといっても並べるだけだ。ドライバーも必要ない。1分で終わった。すのこベッドの上に布団を敷いた。かなり寝心地がいい。インテリアとしてもモスグリーンの色が部屋にしっくりきている。これが「木製すのこ」ならグラグラするはずだ。このプラスチックの「すのこ」はグラつかない。布団を敷きっぱなしにしていてもいいし、重ねることもできる。使い方を選べるのがうれしい。
 
これでベッド問題がスッキリした。
 
断捨離の神様が「そろそろベッドを捨てたほうがいいんじゃない」と言ったような気がした。そして実際にベッドを捨てると「ほら言ったとおりじゃろ」と言っているようだ。自分の中で断捨離の神様のイメージは杖をもったおじいちゃん仙人だ。ちっちゃいおじさんのような仙人の声がしてきた。
 
また仙人が言ってくれるかもしれない。「あれも捨てたら気持ちがスッキリするけどどうじゃろ」と。気付いたら20年以上使ったベッドは思い出も一緒に捨てていた。定期的に思い出も捨てたらいいのかもしれないと思った。すると新しい出来事がやってくる。このことを断捨離の神様は知っているのかもしれない。
 
3,600円で簡単に自作で「すのこベッド」ができた。めでたしめでたしだ。
 
 
 
 
***

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2020-05-21 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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