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ミルクレープは万能


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記事:mai(ライティング・平日コース)
 
 
ミルクレープをご存知でしょうか? 私にとって特別なケーキです。
薄いクレープ生地を何層にも重ね、間に薄く切った色とりどりのフルーツを挟み、断面が美しいあのケーキ。
 
私はフォークで大きめに一口をとり頬張ります。
口の中でメロン、キウイ、バナナ…… と様々なフルーツの味が交差して行く様子を楽しみます。
その時の私の様子は「しあわせ」の一言に尽きるでしょう。
 
食べ進めていくうちにケーキが小さくなってきたら、一枚一枚めくって食べます。
たまに小さいフルーツの欠片を見つけて嬉しくなります。宝探しのようです。
視覚でワクワク感を得られ、フルーツの重なりで織りなされる複雑な味わいは、二度と同じ様にはなりません。
 
私ごとですが最近転職することになり、久しぶりの試練が訪れています。
今までの私は「興味があります」という態度をすることを恥ずかしいと思っており、自ら話しかけたり、話を楽しく続けることが苦手で避けてきました。転職したことで、初めましての人に対して「興味を持ち話しかけること」が仕事となったのです。
ウンウン、と頷いて話を聞いているだけで饒舌に話してくる相手であれば良いのですが、転職先では「人と話すことが苦手」という性格の人達を相手にすることになります。話しやすい相手と話していればいい、というわけにはいかなくなってしまいました。
 
さらに気になることは、つまらないと感じるとはっきりと表情に出てしまうこと……。昔から友人から指摘されることが多くあり、隠すように笑顔を保つものの苦笑いになってしまったり、わざとらしい笑い方になってしまうことが気になっていました。
 
以前勤めていたアパレルでは「商品」というきっかけがあったため、初めての人とも楽しくお話できましたが、人にはモチベーションの波がある……。無表情で店頭に立っていた私に、当時の先輩から教えてくれたことは「好きなものや人を思い出すと、自然と笑顔になる」ということ。
 
今回も先輩の教えを活かさないと、笑顔になることは難しそうです。
私が好きなケーキを、今回の試練のために応用することを思いつきました。
 
理解しがたい人と対峙した場合、最初は「苦手」というフィルターを通してその人と話を始めますが、ここで「ミルクレープ」のフィルターを追加します。
「私から見える断面ではフルーツが見当たらないが、違う断面だったら見つかるかもしれない」と思い、話題を思いっきり切り替えてみる。
「もしかしたらまだこの人の話は今3層くらいで、私の見えない残り10層があの人の中にはあるのかもしれない」とワクワク感を持たせてみる。
ミルクレープを食べる様な「特別感」を持って接することを心がけると、いつの間にか仲良くなっていたり、話しやすい関係性を築けていたりします。ポジティブな気持ちで会話に臨むことができるようになりました。
 
クレープ生地を重ねるだけではミルクレープにはなりません。必ずフルーツと生クリームが生地の間に滑り込んで、ミルクレープが完成するのです。何のフルーツがどこに入っているかわからない、そのワクワク感を初対面の人との話のきっかけを見つける場合に活かしていきます。
「この人の着ているTシャツ可愛い。この人のフルーツかもしれない」と話しかけてみたり、
「髭が個性的なのはどうしてだろう? 何かこだわりがあるのかもしれない」と思ったらさりげなくファッションの話にしてみたり。
ミルクレープの断面からフルーツを見つけて味を想像するように、初対面の人の外見から会話のポジティブなきっかけを見つけるスイッチを自分に入れます。
 
この2つの活用方法をしてみると、初めましての人に話しかけやすくなり、会話を続けることを苦に思わなくなってきました。
私にとっての特別な「ミルクレープ」を日常生活に落とし込みたいと思い考えた結果、試練に対して気が重くならなくなりました。今ではより相手の良さを探すゲームのように、会話を楽しむことができるようになってきています。
 
話かけることって勇気が要りますよね。勇気という言葉は私を少し憂鬱な気持ちにさせるので「ご褒美制度」を作りました。
「ミルクレープ法」を活用して5分間会話する×20名、という目標を達成したらちょっとお高いミルクレープを食べにいきます。こうして久しぶりの試練は、自分に幸せと自信を与えることになりそうです。
 
好きなケーキやお菓子を思い出して笑顔になるなら、相手とのコミュニケーションも笑顔でできるようになるはず。私のようにコミュニケーションを試練と感じる方がいらしたら、ゲームみたいに楽しんでみるのはいかがでしょうか。私にとってのキーワードはミルクレープでした。
写真はサンドイッチですが、挟んである具材が多ければそれだけ味の幅も広がりそうです。
キーワードのレパートリーは無限です。より多く人の素敵な味の重なりを見つけていけるようになりたいと思います。
 
 
 
 
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2020-06-18 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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