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メディアグランプリ

心地いい家族に着替えよう


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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:石田ゆかり(ライティング・ゼミ平日コース)
 
 
「もういい加減に捨てなさい!」
ピタピタの洋服が好きな体の小さな娘が履いていたデニムの短パンのサイズを見て、わたしは発狂した。小学5年生になってもまだ6歳の弟の少し大きめのズボンが入ってしまうほど体の細い次女が愛用して履いていたデニムの短パンである。
小さな頃から体重の増え方がゆっくりで、親に似て小粒なのねとあまり心配はせずに見守って来たものの、小学5年生にもなると周りの子ども達の成長は著しく、運動会や友人の輪の中でも一人だけ学年の違う妹が連れてこられたのかと思うほど差が出てきてしまった。流石にちょっと心配になった私は、普段娘がよく着ている洋服をチェックしてみることにしたのだ。そしていつも履いている短パンがなんと110㎝サイズ(保育園の弟は100㎝を着ている)だと知ったのだった。
 
確かに華奢な体型の彼女は腰回りがとても細く、そのせいでズボンが緩くて脱げそうになるのを嫌って腰回りがピタッと収まるものを好んで履いていた。腰回りが入ってしまうと股下や丈はあまり気にしなければ着られてしまうようで、そのせいか私も洋服が小さくなっていることに気がつかずに、そう言えば小学校の体育着なども1年生の時に大きめのものを買って以来、買い換えた覚えがなかった。
親としてはこれまでそんなことにも無頓着だったのは申し訳ないが、それにしても流石にこんなに小さいサイズのものを着て何も感じないことに呆れたのだった。
 
さっそく子ども服を買いに走り、有無を言わさず140㎝の短パンを購入し腰回りをつめて嫌がる娘に着させてみると、確かにダボついたシルエットがダサかったものの今まで着ていた服の身丈はかなり無理があったことは明白だった。
その後の娘は服を買い換えたからなのか少しずつ足も肉付きがよくなり背も伸びてきた様子で、やっぱり器って大事だよなと思った。
器といえば植木鉢の植物を地植えしようとした時。鉢の中一面にこれでもか! というほど植物の根がぎっしりと張り巡らしてあって子供たちと驚きで目を見張ったことがある。晴れて地に植えられた植物は器から解放された途端、翌日には実にのびのびと枝葉を広げたことを思い出した。
それからというもの何かにつけて器の大きさというのを考えるようになった。
 
そしてこの春、家というのも器であるなぁ、と思うようになった。
ごく普通の3LDKの一軒家を改装して1階に夫婦で経営するサロン、2階を仕切りのないワンフロアの居住に改装したのが10年前。
わずかに45㎡程度のスペースに私たち家族は5人で暮らしている。そんな狭い空間で快適に生活するために、家の中のインテリアは半年に1度は模様替えをする。それぞれの生活の変化に合わせて最適な導線を確保するためである。
今年は長女が受験だから、とか今年は弟が生まれたから、とかそんな家族の事情によって配置を変えながら暮らしてきた。
我ながらよくやってきたと思う。間仕切りを無くしたことで狭いながらも室内には鉄棒、ボルタリング、そしてハンモックにトランポリンがあり、まだ小さい末の息子は雨の日でものびのびと体を動かせる設計になっている。
そもそも私たちが10年前に作ったこの「職住一体の器」は子育ても仕事も犠牲にしない家族の形を追求して生み出したものだ。子どもが学校から帰ればいつも私たちがいて小さな変化にも柔軟に対応できるし、お客様がそのまま我が子の成長を支えてくれる家族のような存在として集ってくれる空間。この家は見事にその役割を果たしてくれた。それは子どもたちにとっても本当に良い環境だったと思っている。
しかしそんな工夫に満ちた生活も10年を迎えた今年、不意にバランスを壊してしまった。
きっかけは長女が大学生になって生活時間が大きく変わったこと。それに加えてコロナウィルスの感染拡大による子どもたちの休校により5人が同時に一日中家にいてオンライン授業が始まったこと。夫とわたしは2階では子育てについて、1階では経営について。いつも同じものを共に育てていかなければならないことで息をつく間もなかったいうことに気がついてしまったのだった。
 
そんな時、脳科学者の女性が書いた「生物学的には夫はステージによって3人いた方が良い」という記事を目にした。
 
夫婦二人のステージ
子育てを共に協力するステージ
そして子どもが育った後、また自分の時間を取り戻すステージ
それぞれに夫に求められる資質は変化するからだと。
 
なるほど確かに、とわたしはその時強く共感したのを覚えている。
それを夫に話すと彼も至極納得して、けれど同時に
「その度に離婚してまた相手を探して結婚してというのは困るなぁ」
と呟いた。確かにそれも現実的ではない。
 
ふと、あの植木鉢に収まらないほどの根をぎゅうぎゅうに張り巡らせていた植物のことを思い出した。そして、この狭い家に家族揃って住むという「器」から自分たちを解放して見るのはどうだろう、と思った。きっと今、家族5人の根っこはこの家の中でぐちゃぐちゃに絡まり合ってしまったのではないかと。
成長したら洋服を着替えなければならないように、家族のありようも今の私たちに合わせて変化させるべきなのかもしれない。家族それぞれが自分の世界を充実したものへと広げていくだけの、可能性ある間取りや関係性が今まさに必要なのだ。
 
変化が大好きな私たち夫婦は思いついたらその後は一瞬である。さっそく夫の家と私の家を分けて「2拠点家族」を作ることにした。私にも夫にもまだ可能性があって、あの植木鉢の中で窮屈そうに張り巡らせていた根が大地にどこまでも伸びて行ったように、私たち家族ももっと広い可能性へと根を伸ばしていけるのだと思うと実に心が自由になった。
 
家族という生き物は日々着々と姿を変えて成長している。自分も夫もたった一人ではあるけれど、変化し続けながら生きている。ならば家族という器を変えていくことで新しい役割の夫を探すなんていう難題から逃れてみたいと思う。
 
 
 
 
***
 
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2020-06-27 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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