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僕らはただアイドルを応援したい訳じゃない


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記事:神本崇聖(ライディング・ゼミ日曜コース)
 
 
「アイドルってキラキラしてていいよね」
 
テレビに映る彼ら彼女たちに向かって、僕らはよくそう言っていた。
 
「オォー、オォー」
彼らは沢山のファンに囲まれて、多くの注目を浴びる。
 
「シュ、シュ、パッ、シャキーン」
派手な衣装や素敵な踊りで見る人の目を惹きつける。
 
「キャーキャー、キャーキャー」
テレビやライブでカッコいいとか、可愛いとか言われる。
 
それが、アイドルである。
 
僕の少年時代は、嵐やモーニング娘が典型的なアイドルだった。
今だと、King & Princeや坂道グループといったところか。
 
彼らの立つステージに僕らは魅了され、グッズやCDを購入し応援する。
では、なぜ僕らは彼らを応援したくなるのか。
 
もちろん、カッコいいからとか、可愛いからとか好きだからという理由は一番にあるだろう。
 
しかし、どうやらコアなファンたちの理由はそうではないらしい。
彼らが応援する理由は、自分たちが最初に目を付けたアイドルだと言いたいから。
つまりは親目線といったところである。
 
今はまだ、日の目を浴びていないアイドルたちが成長し、メジャーな存在になったときに、自分たちは最初から応援していたということを楽しんでいるらしい。
 
確かに育成ゲームのようで、自分が応援してきたアイドルたちが成長してくれるのは、ファンとしては嬉しいはずである。
 
ただ、メジャーな存在になった瞬間、自分の手から離れたような感覚に陥り、ファンを辞めてしまうような人たちもいる。出来ない子の方が可愛いというのと一緒で、これもまた親目線である。
 
それにしても、僕らはどうしてこんな気持ちになるのだろうか。
どうやらそのヒントは、僕らがかつて見てきたアニメや親が読み聞かせてくれた絵本の影響にあるのかも知れない。確かそこには逆境を乗り越える物語が多々組み込まれていたはずだ。
 
アンパンマンは、敵に顔を水で濡らされて、フニャフニャになってから、ジャムおじさんやバタコさん、もしくはチーズの出番がくる。
 
「アンパンマン、新しい顔だよ」
 
そこから、新しい顔を手に入れたアンパンマンは底抜けに強くなって、バイキンマンや敵キャラを一発のパンチで星にしてしまう。
 
そこから平和な日常が戻るといった物語がほとんどである。
 
ここに、僕らがアイドルを応援したくなるヒントがあるのだ。
 
かつては、特に1980~2000年代のアイドルはカッコいい、可愛いだけでも憧れという目線で興味を持つことが出来たかもしれない。
 
ただし今は、それだけのアイドルに僕らは興味を持てなくなってきている。
 
僕らが彼ら彼女たちに求めてきているのは、物語である。
 
どれだけ苦労してここまでやってきたのか、どんな荒波を乗り越えてきたのか。
多くの仲間との別れを繰り返し、涙を流しながらどんな成長をしてきたのか。
僕らが今のアイドルたちに求めているのは、そんな物語なのである。
 
ただ、この物語は彼ら彼女たちのようなトップアイドルたちだけに求められているものではない。
 
そしてどうやら、この物語は、僕たちにも求められているのである。
 
例えば、会社を設立し、仕事仲間を選ぶとする。
どんな経験をしてきて、どう生きてきたのか、どんなスキルを身に付けてきたのか。
自分のビジネスパートナーを適当には選ばない。
物語を聞いて、この人となら思った人を選ぶ。
 
エンジェル投資家と呼ばれる、次世代の若者たちや企業に金銭的な投資を行う人たちがいる。彼らも、投資先の相手がどんな人生を送ってきたのか、どんな逆境を乗り越えてきたのか、そういう物語を投資先にするかどうかの参考にする。
 
この人にならこの事業を成し遂げられるかもしれない、利益や社会への貢献を生み出すことが出来るかもしれないと思って投資をするのだ。
 
僕らはそんな物語を持っている人たちを応援したくなる。
 
僕らの人生には物語が付き物である。
そして、その物語は逆境を乗り越えたものであればあるほどいい。
逆境とは、パワーの源なのである。
それは本人にとっても、応援している側にとっても。
 
逆境を乗り越えてきた人には、そのステージまでやってきた自信が生まれる。
そして彼らの物語は、逆境を乗り越える姿を見てきた人に、自分にも出来るかもしれないという勇気も与える。
 
「僕らはただテレビや雑誌で見るアイドルたちをただ応援したいだけじゃない」
 
僕らは彼ら彼女たちが、逆境を乗り越えて今のステージに立つ姿を自分たちに重ね、勇気をもらっているのだ。
 
そして、その輝く姿を見ながら、僕たちは自分たちに訪れる逆境を乗り越える準備をしているのかも知れない。
 
 
 
 
***

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2020-07-03 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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