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新しい自分に向かって走り出す

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*この記事は、「ライティング・ゼミ」を受講したスタッフが書いたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:朝木亜佐(ライティング・ゼミ平日コース)
 
 
セーラームーンのコスプレをした女性が5、6人、横一列に並んでポーズを取っていました。晴れやかな笑顔と、すっと伸ばした背筋がカッコイイ。ダイエットの成功を祝って集合したという、SNSで流れてきた写真。セーラームーンのコスチュームを着こなしてお出かけすることを目標に、励まし合った仲間だそうです。画面のなかには、自分のことは自分で変えられるのだという前向きで力強いオーラが漂っていました。
 
いままでと違う自分になれたなら。誰もが一度は心に思い描いたことがあるのではないでしょうか。ほんの少し周りを見渡してみれば、意外とすぐ近くに変化のキッカケが転がっているのかもしれません。
 
私にとって新しい自分になれるコスチュームは、運動習慣ゼロの状態から始めたスロージョギングです。健康的な生活を目指してのスタートでしたが、まったくの想定外だったのは、スロージョギングをすることで周囲から「走る人」「運動好きな人」と認識されるようになったことでした。うれしいけれど、自分が自分でないような気がして何だか面映ゆくもありました。
 
そもそも私は運動オンチなのです。子供時代は足が遅いのがコンプレックスで、体育の授業や運動会は憂うつでたまらないものでした。大人になってからは、大手を振ってスポーツとは縁のない生活を送ってきました。長距離ランニングが趣味の夫に「運動不足は健康によくないから何か始めた方がいい」と何度も指摘されていましたが、いつも聞き流していました。特に困ることはなかったからです。
 
ところが40代半ばを過ぎてから、いままでと同じように扱ったのでは体がもたない場面が少しずつ増えてきました。ちょっとした体の不調であっても、気持ちの波にもけっこう影響します。寝込むほど調子が悪いわけではない。でもこのままズルズル下降していくだけだとしたら耐えがたい。何か打てる手はないだろうか……。身近に運動習慣のある夫がいて、一緒に走ろうと誘ってくれたのは幸運でした。
 
スロージョギングは、ふつうに歩ける人なら誰でもできる運動です。しかも苦しくない。走るのはツラいものという思い込みがひっくり返ります。ですから私のように運動に苦手意識が強い人や、運動からすっかり遠ざかってブランクがある人でも、気軽に始めて楽しく続けられます。
 
走るときのポイントは、息が上がらないくらいのゆっくりとした速度をキープすること。一緒に走る人と会話ができる程度のスピードが目安です。体に疲れが溜まらない強度で走ることが、苦しくならない秘訣です。昔の校内マラソン大会でのツラい記憶しかない人も心配はいりません。
 
スロージョギングをキッカケに、体調が整うだけでなく、自分の新しい「顔」に出会えるとは思いもよらないことでした。「走る人」や「運動好きな人」、これを新しいタグと自分で言ってしまうのは少々厚かましい気もしていましたが、名乗ることで覚悟が決まり、新しくなれるのかもしれません。
 
日常の中に「走る自分」というキャラクターが入ると、さまざまな変化が起こります。一番大きなものは、自己肯定感が上がること。走れば走った分だけラクに走行できる距離が伸びていき、日々小さな達成感が積み上がります。それなりに体力もつくため疲れにくくなり、気持ちに余裕も生まれます。
 
大会に出る楽しみもあります。お祭りのようなちょっとした非日常を味わえます。私はタイムの足切りがゆるいエンジョイ系のものを選び、ハーフマラソンと30キロの大会をスローペースで完走しました。タイムさえ気にしなければ、練習を積んでフルマラソンを走り切れるだろうという手応えも得ました。
 
コミュニケーションの潤滑油としても役に立ちます。初対面の人や知り合って日の浅い人とは何を話していいのかよく悩むのですが、そんなときの雑談ネタになります。相手がランナーであってもなくても、意外と関係ありません。とくに運動オンチでも大丈夫という話に興味を示す人は多いです。
 
スロージョギングで世界が変わりました。と言うとやや大げさで気が引けるのですが、走るペースと同じように、一つひとつの変化はゆっくり、じわじわと訪れます。それくらい日々の負担は小さいということです。劇的に変わるわけではないけれど、ふと気づけばバージョンアップしていたという感じでしょうか。このゆるさでありながら、自分の力で変化を起こせるところが、スロージョギングの魅力です。
 
 
 
 
 
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2020-07-03 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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