ナンバーワンか、オンリーワンか
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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:楠田 真奈美(ライティング・ゼミ日曜コース)
人生一度で良いから、ナンバーワンを獲ってみたい。
生まれてからこの方、小さなことでもナンバーワンを獲ったことがない私にとって、この願いは切実だった。
一番を獲る気分ってどんな感じだろう? そこから見える景色は違うのかな? 想像するだけでワクワクする。その感覚を味わいたくて、何事に対しても一番を目指して頑張ってきた。
ところが、一番というのは獲れそうで獲れない。苦手な運動会は諦め、学校の成績で挑戦してみたがいつもクラスで2番や3番という結果だった。得意な音楽でもそう。良いところまで行くが、どうしても一番の壁を超えられない。
年齢が上がるにつれ、だんだんと一番を獲ることが難しくなっていき、遂には一度も一番になれないまま現在まで過ごしている。
ナンバーワンを目指す途中、とある曲が大ヒットした。その歌詞は誰もが知るもので、「ナンバーワンじゃなくてもいい、オンリーワンだ」という内容だった。
「そうか、オンリーワンを目指せばいいんだ!」 なかなかナンバーワンが獲れずに苦しんでいた私に一筋の光が見えた。
「よし、オンリーワンになろう!」
ところが。そもそもオンリーワンとは何だろう? オンリーワンとは自分にしか出来ないことだが、そんな事あるのだろうか?
いわゆる器用貧乏な私は、人並み以上に出来ることは多い。泳ぎが得意で、歌や楽器も出来る。ビジネススキルで言うと、会計が専門で、プラスそれなりに英語やパソコンが出来る。
ただ、そんな人は世の中にごまんと存在する。別に私だけ持っている特別なスキルでも何でもない。
ここでまた大きな壁にぶち当たる。オンリーワンというのは、実はナンバーワンより難しい。よく耳にする「この世に存在するだけでオンリーワン」 というのが本当なら、世の中みんなもっとハッピーなはずだ。ただ、現実はそうではない。
「ナンバーワンにもオンリーワンにもなれない私は、価値がないんじゃないか」 そう考えるようになり、だんだんと自信がなくしていく。そうして、ナンバーワンやオンリーワンに上りつめた一握りの人を見て、羨むようになってしまった。
どこを目指せば良いのかわからず、数年間目標を見失った。それでも、少しでも自立して稼ぐため、仕事は続けていた。夫の仕事の兼ね合いがあったため正社員では働けないが、幸い経理のスキルがあったため派遣社員として働き続けることが出来たのだ。
会社は何社か変わったが、いつも良い環境で働かせてもらえている。ほとんどの会社で、こちらの都合で契約を終了するまでは続けさせてもらえた。
どの会社に行っても、「真面目で手を抜かないから、安心して任せられる」と言ってもらえた。最初は言われて気分が良くなるだけだったが、3社目ぐらいでハッと大切なことに気づいた。
ナンバーワンやオンリーワンとは、スキルだけじゃない。むしろ、人柄や課題への取り組み方の方が大切なんじゃないか!
客観的に考えれば明らかだった。華々しい経歴とスキルを持っているけれど傲慢で人の話を聞かない人か、突出したスキルはないけれど一緒に気持ち良く仕事が出来る人もしくは一緒にいて楽しい人、どちらに魅力を感じるか……答えは言わなくてもわかる。
華麗な経歴やスキルばかりに目を向けていた私はそれに気づき、ホッとしたのと同時に大いに反省した。スキルを追うことに夢中になりすぎて、元々持っている真面目さを忘れそうになっていたからだ。
もちろん、スキルを磨くことは世の中を渡る上で大切なことだ。ただ、それより大切なのは、磨く過程の中で自分が持つ魅力を一緒に磨いて出せるかということだ。
自身が持つ魅力はそれぞれ違う。私は真面目で手を抜かないことだが、ある人は周りへの気配りがとても上手なことが魅力だったりする。さらに違う人は、いるだけで周りを明るくするムードメーカーだったりする。それぞれ持っている強みが違う。
その強みは必ずしも大勢に評価されるような煌びやかものではない。むしろ、地味でなかなか注目されないことの方が多いので、気づきづらい。
ただ、必ず見てくれる人や評価してくれる人がいる。
ナンバーワンとは、「この人と仕事するのが一番いい」「この人と一緒に過ごすのが一番楽しい」と思ってもらえることで、オンリーワンとは「どうしてもこの人に頼みたい」「この人じゃないとダメだ」と思ってもらえることで、結局繋がっていると思う。
人から必要とされるには、必ずスキルは必要だ。そして、求められるスキルは歳を重ねるごとに高くなっていくので、努力しなければならない。
ただそれ以上に大切なのは、元々持っている「自分らしさ」 を失わずに磨き続けることだと毎日の生活の中で教えられた。
そう考えると、「この世に存在するだけでオンリーワン」 というのは、あながち間違いではない。たとえ地味だろうが、誰にでも必ず光るものがある。この先も、自分の中に光るものを大切にしていきたい。また、自分が周りからしてもらったのと同じように、自身の光るものに気づいていない人に寄り添っていきたいと感じている。
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