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自分の「絶対正義」にハッとしろ


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:まあすけ(ライティング・ゼミ5月開講通信限定コース)
 
 
先日、会社で先輩に猛烈に怒られた。
 
事の顛末はこうである。
 
日中、その先輩に仕事で注意を受けた。その注意は正しく、有難い指摘だった。
ただ、わたしは全くこれまで気にしてこなかった指摘だったので、自分の中でうまく整理できなかった。そのため進め方に悩んでしまい、午後いっぱいその業務に時間がかかってしまった。
 
「今日1日なにしてたの?」
と夕方、上司に問われたので、
「この業務に、午後いっぱいかかっちゃったんです」
というエピソードをお伝えした。
 
それで、先輩に猛烈に怒られたのだ。
 
ん。どういうこと……?
 
つまりこうである。
先輩としては、「俺が厚意で教えてやったのに、お前はわかったふりして質問もしてこないで! それで時間がかかったなぞという話を上司にしたそうだな。つまり俺の説明が下手だと言いつけたな! チクりやがって! やり方が汚えぞ!」というわけだ。
 
後から考えるとちょっと可愛い。「上司に言いつけて、やり方が汚えぞ!」、というのは、小学生の時にあった「先生に言ったな!」にちょっと似ている。
 
だがあまりの先輩の剣幕にわたしは驚き、唖然とし、「やらかしてしまった!」と猛省し、職場で泣いてしまった。
波風立てたくなかったのに。変な風を吹かせてしまったのはわたしのせいだ。
失敗だ、と思った。
 
でもその時、同時に思った。
「わたしだったら、そうは言わないよなあ」と。
わたしだったらどうするだろう?
まず、「そうか、説明が悪かったか! ごめん!」と後輩に謝りに行く。そして改めて何がわからなかったのかを聞いて、一緒に解決する。「自分に責任があった、ごめん!」と感じて行動すると思う。
 
ただその先輩はそうではないのだ。「チクられた!」と感じ、「ふざけんな!」と思い、顔色を変えて怒鳴りにくるだけの出来事だったのだ。
 
ここには如実に価値観の差がある。同じ出来事を目の前にしても、わたしとその先輩では物事の捉え方と、その後の行動の取り方が全く違う。
わたしは傷つき泣きながらも、一方では冷静にそんなことを考え、「面白いもんだなあ」と感心してしまった。
同時に「わたしならこうしない」と感じている自分にも気がついた。
そう、そこにはわたしの「絶対正義」が首をもたげ始めていた。
 
「絶対正義」という言葉は、きっと辞書を引いても出てこない。
わたしはこれを、「”わたし”がつい固執してしまう価値観」と定義づけ、たまに出くわしハッとする存在と認識している。
”わたし”の価値観の中では、絶対に正しいと信じているし、今後も曲げるつもりはない考えのことで、それが稀に他者とのコミュニケーションの中で如実に現れ、障壁となることがあるのだ。
 
この考えに気づいたのは、パワハラ気味の上司に苦労した経験を、社外の知人に話した時。
 
「その人自身の価値観を押し付けられて、よく怒鳴られましたし、”こう言った型にはまってサラリーマンをやれ!”と言われることが多くて。今も納得していませんし、今後も絶対に許せないと思っています!」
 
その時わたしは、声高に、自身たっぷりに、自らの正当性と被害者ぶりをその人に話した。
わたしの中でそれは、自分自身の気持ちの正当性を主張したいということもあったと思うし、上司に押し付けられた価値観に屈せず、正しいと思う価値観を広めていくことが正義だと思っていたからだろう。
 
大抵の人は、「えー、ひどい。よく耐えたね!」とか、「それはおかしいよ」と言ってくれた。
だがその人は違った。
労りの言葉は一切言わずに、さらっと言った。
 
「それはね、お前の中の絶対正義があるんだよ」
 
へ? あれ、思った反応と違う……慰めてくれないの……?
 
続いてその人はこう言った。
 
「お前の中でその人の感覚は正しくないという『絶対正義』があるんだよ。で、その人もその人なりの『絶対正義』があるから、それを部下に押し付けるわけでしょ。お互いの考え方の背景を理解しようとせず、自分の『絶対正義』だけを押し付け合うとダメだよね。絶対に和解しないよ。だから戦争がなくならないと思うんだよね。」
 
(……すとん)
 
……ほー!
 
この言葉はわたしに響いた。
それまで、わたしもその上司と同様に自分の考えに固執していることに、全く気がついていなかった。そうか、わたしも自分の考えに固執しているのか。「だから戦争がなくならない」というやたらスケールの大きな、少々飛躍した説明にもとても納得した。
 
この言葉を聞いてから、わたしは折に触れて自分の持つ「絶対正義」を監視するようになった。
 
何かにつけ、「この人の言っていること、おかしい!」と感じるときは、同時にそれが自分の絶対正義であることも認識し、「おかしい!」というからには相手のことを批判するだけではなく、理解するように努める必要があると思うようになった。
 
だから今回のエピソードも、まさに「絶対正義」の違いだと感じた。
 
わたしからすると正直、その先輩の怒りようは異常のように見えたし、理解できなかった。
でも同時にその先輩も、わたしの行動は異常だと思うし、激昂に値するのだ。
 
あまり嬉しくないエピソードだったが、泣きながらも割と冷静に、そんなことを考えている自分がいたことに、面白さを感じた。
こんな風に、自分と違う感覚で物事を捉え、行動を取る人のことを観察していければ、わたしももう一つ器の大きな人間になれるのではないだろうか。
 
でもわたしは気づいている。
心の奥底でわたしはこう思っている。
その先輩こそ自分の「絶対正義」に気づいていないし、これからも恐らく気付きようがない(自分に自信があり、仕事ぶりにも自信があり、折に触れて同僚や後輩を指導している優秀な方なのだ)。
でもこういった、リーダーシップを張る、存在感のある人たちが視野を広げてくれない限り、職場の中で悲しい衝突は消えないし、ひいては戦争もなくならないのではないか。
……という、わたしの中の「絶対正義」でこの先輩を批判していることを。
 
いけないいけない、また「絶対正義」が被害者感情と結びつき、過剰に反応している。
間違っているとは思わない。
ただ、一方的に相手を否定するのは違う。そこに被害者感情というエッセンスが入るともっとやっかいで、正当性を主張するエンジンが加速してしまう。
 
考えを押し付けてはいないか?
自分の物差しだけで、物事を見ているのでは?
相手の感覚が理解できないからこそ、想像する。そういったことを、自然にできる人になりたい。
 
毎日わたしは、自分の中の絶対正義に出くわしハッとする。
でもハッとし続けたいのだ。
それがきっと、わたしが目指したい生き方に近づく、一歩だから。
 
 
 
 
***

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2020-07-17 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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