コスト0円!気分上々!過去旅ライティングのススメ
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:かなたあきこ(ライティング・ゼミ通信限定コース)
2020年1月下旬から始まった新型コロナウィルス感染拡大によるパニックは、あっという間に世界中に浸透し、「コロナ禍」という異常事態もすっかり日常のものとなった。最初はコロナ“渦(うず)”と読み間違えたほど、突然激流にのみ込まれるといった感覚がぴたりと合う。多くの人を巻き込みつつ、今日もまだまだコロナ禍は止まらない。
日頃からフリーランスライターとして、主に在宅を中心に働いている私にとって、新型コロナウィルスによる自粛影響はそう大きなものではなかった。医療に従事する方々はもちろん、出勤しないと仕事にならないサービス業・介護職等の方々、子供の休校によりやむなく有休を取らざるを得ないWM(ワーキングマザー)の方々。そうした人達に比べると申し訳ないくらい私の日常はほぼ変わらず、自粛中も淡々と自宅にて原稿を進める日々であった。
そんな中、はっきりと形になった“困り事”と言えば、気軽に旅行に出られなくなったことだ。
私は旅行関連の記事を執筆する機会が多く、某旅行サイトでトラベルライターとしても活動している。そう聞くと、「ああ、メシの種がなくなっちゃって、それはさぞお困りでしょう」と思われるかもしれないが、私が困ったのは取材に行けないからというよりは、ストレスのはけ口がなくなったからである。
旅は発散。旅は非日常。旅はこれまで知らなかった世界に出会える、唯一無二の趣味。
ヨーロッパ周遊! とか、モルディブの水上コテージ! とか、パタゴニアでトレッキング! とかまでは言わないから(いや言いたいけど)、鎌倉でぶらりあじさい散歩とか房総半島でキャンプ&海鮮バーべキューとか、そういうプチおでかけが気軽にできなくなったことが、思った以上に私にダメージを食らわせた。自粛2カ月目も終わる頃、毎日毎日ハンコを押したようなステイホーム生活に、とことん嫌気がさしてしまったのだ。
その頃ちょうどゴールデンウィーク期間に当たっていたこともあり、過去の旅行を思い出してはため息。去年はあそこで、その前はここで……と楽しかった旅の記憶をほじくり返すように写真を眺めているうちに、はたと気づいた。あれ? 意外としっかり写真撮ってるな。これ、取材資料として使えるんじゃね? 足りない画像はPixtaとFlickr で捕捉すれば何とかなるかも……!
ということで、どこにも行けないゴールデンウィーク@2020は、ひたすら過去の旅を材料にして記事の執筆に専念。幸い私が書かせてもらっている旅行サイトは、国内外どこのエリアでも執筆可能で、テーマやシチュエーションにも縛りがない自由なもの。要は、旅にまつわる記事であれば、「おすすめスポット紹介」でも「まとめ記事」でも「ホテルガイド」でもなんでもOKなのだ。
何本か書いたうち、最も筆が乗って、執筆が楽しくて楽しくて仕方なかったのが、ヨーロッパの大自然スポットを17カ所も集めた壮大なまとめ記事だ。一時ドイツに住んでいたことがある私は、地続きであるヨーロッパの“地の利”を活かして、週末や長期休みのたびに近隣諸国へのドライブ旅行を敢行したことがある。
共に旅好きである夫がノリノリで運転してくれたからこそ、当時まだ乳幼児であった娘たちが、ハードな旅程にも体調を崩すことがない頑丈な子供だったからこその荒業だが、自分の人生史上ナンバーワンに楽しかった時期だ。今思い出してもまぶしすぎて、キラキラしていて、目が開けられない。
ステイホームのストレスをすべてぶつけるがごとく、私は寝食を忘れるくらいの勢いで書いた。
乳幼児連れで都市観光をしてもつまらないので、おのずと旅先はネイチャー系になることが多かった当時。写真はHDDの中にたんまり貯めてあり、材料にはほぼ困らない。掲載スポットを選定するために過去のブログをくまなく見返し、アクセス方法や見どころ、歴史などを調べて書く。
当時はじっくり調べることもなく「えいや」で行っていたこともあり(子供が小さかったし、調べることが追い付かないくらいの頻度で旅に出ていた)、今更ながら「そういう背景がある場所だったんだ」「こんな行き方もあるんだ」と目からウロコがぽろぽろ。
過去の旅を追体験することで、もう一度訪れたような気分にもなれたし、新しい知識も得ることができた。そして、その旅先がもっと好きになった。もしまた行くことがあったら、あれもしようこれもしようと妄想し、脳内トリップで旅への欲求は完全に満たされることとなったのである。
ちなみに完成したまとめ記事は、合計文字数12,000字超。いやぁ、楽しかったなーーー!
コロナ禍でもっとも有利な職業は、トラベルライターかもしれない。
過去の旅を材料にするので、取材経費0円。にもかかわらず、記事を書けばお金になる。どこにも行けなくても、執筆中は遠い異国の地へフライアウェイ。ストレスもたまらないし、それどころかアドレナリンが出まくるほどワクワクして楽しい! ステイホーム中のお仕事は、過去旅ライティングで決まり。心の底からおすすめです。
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