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にわかファンは救世主だ


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記事:山田菜穂子(ライティング・ゼミ通信限定コース)
 
 
2019年の流行語大賞の候補にも上がった「にわかファン」という言葉。
この言葉を聞いてどんな印象を受けるだろうか。
 
その時の流行に乗ってにわかにファンとなったは良いが、その熱が冷めるのも早い人。
古くからのファンを差し置いて“知ったかぶり”のような言動をしてしまう人。
さらには、ファン同士のマナーなども調べず、自分だけが良ければいいというような言動をしてしまう人。などなど……。
 
こうして見ても、あまり良い印象は受けないのではないだろうか。
だが時として、「にわかファン」こそが、その対象となったものごとを支えてくれる大きなパワーになり得るものだとも感じている。
 
私自身、あるアーティストのデビュー10周年の年に「にわかファン」となった。
「にわかファン」としては、自分が知らなかった期間のアーティストの情報を仕入れるべく、古書店を歩き回ったり、更にはこれからの情報は一言も漏らすまいと、情報収集に明け暮れたりと、忙しいことこの上ない。
 
更には、ファンの間での「暗黙の了解」とされているようなことや、観覧時のマナーなど、公に発表されていないものまでネットで調べまくり、そのアーティストや他のファンの方にも迷惑がかからないように応援するにはどうしたら良いかなど、とにかくあらゆることを調べたものだった。
 
そのアーティストのファン歴もようやく10年になった2019年。私はまた新たな「にわかファン」になってしまった。
 
そう。私がハマったのはラグビーだ。
それまで私の中でラグビーと言えば、お正月に悪天候の中、楕円球を追っている高校生の姿でしかなかった。
2015年のワールドカップで南アフリカに勝利したというニュースは知ってはいたが、ここまで興味を持つことはなかった。
それが今回、がっつりハマってしまった切っ掛け。それは、好きな作家さんの作品がドラマ化されることを知り、視聴したことだった。
 
ラグビーのルールは全くわからない私だったが、1個のボールを仲間で繋いでいくその姿、鍛え抜かれた者同士がぶつかり合うタックルやスクラムなどの圧倒的なパワーに、一気に引き込まれてしまった。
 
ワールドカップ開幕前、前回大会で日本が勝利した南アフリカとの試合があった。
軽い気持ちで見始めたのだが、南アフリカの緑の壁に立ち向かっていく日本代表の姿。また、少しずつわかってきたルールなども相まって、80分があっという間に過ぎてしまった。
 
試合中、自陣まで戻されてしまったボールをキックで相手の陣地まで入れることがあるが、そのボールは相手に取られてしまうことが多かった。ルールを知らない私は、何故そんなリスクを受けるようなことをするのだろうかと不思議に思ったが、観戦しているうちに、あれは勝負を相手陣地で行うためのことなのだと理解できるようになった。
そうなると、パス回しやキックで蹴り出すなど、選手同士の駆け引きのようなものが見えて来るような気がして、次の展開から目が離せなくなってしまうのだ。
 
また、「ライン」という言葉がどんな状況を指すのかがわからなかったが、自陣を守る南アフリカの選手がゴール前に1直線に並んだゴールラインは見事で、見終わった後、「南アフリカはすごかった。ラインが全然崩れなかったよ」などと話す自分がいた。
 
こうなるともう次の試合が見たくてたまらなくなってくる。そして始まったのがワールドカップだ。思えば、すべてはテレビ局の戦略だったということか。
 
日本代表は予選プールを全勝してベスト8になった。
大会終了後も、日本代表のことがもっと知りたい。そう思った私は、すでに発売されていた雑誌のバックナンバーを発注し、ラグビー関連のテレビ番組を録画しまくった。
ピッチの中で鬼になって戦った彼らと、戦いが終わりリラックスした表情の彼らの姿とのギャップに、更にファンになってしまう。
そして次は、自分のこの目でプレイを見たいと思うようになった。
 
日本がスコットランドと戦う前、ある仕事で知り合った方と「ラグビーのにわかファン」同士ということで話をしたことがある。
その方は、普段は野球が好きで球場に行くことが多いらしいが、ある時から「にわかファン」が増え、チケット入手が困難になってしまったらしい。だが、その方は言っていた。
 
「にわかで良いんです。とにかく好きになってもらって、実際に見に来てもらえれば。最初は知ってもらうことが大切なんです」
 
本当にその通りだと思う。
ラグビーに限らず、とにかく最初は知ってもらい、試合会場に来てもらうこと。そして、その人がさらに続けて来てくれるということ。
 
とは言え「にわかファン」がすべて「良い」とは限らない。古くから応援しているファンの中には、どうしても相容れないと感じている方もいると思う。
 
だが、新たなものに興味を持って行動し、応援してくれるパワー。これこそが、時として救世主となって多くのカルチャーを支えるものになるのではないだろうか。
 
 
 
 
***
 
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2020-07-18 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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