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ようこそ夢のマラソンランドへ


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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:熊谷美杜(ライティング・ゼミ通信限定コース)
 
 
突然ですが、1万円を払って42.195キロを走ってみたいと思いますか? おそらく、9割以上の方がノーと答えるでしょう。マラソン大会は運営に多くの人・ものを費やすため、参加費が異様に高く、万単位の参加者を抱える都心の大会の参加費は余裕で1万円を超えます。私も以前は9割の多数派でしたが、気が付けば残りの1割になっていました。1万円もらえるならまだしも、どうしてお金を出してまでそんな苦行を好んでするのか。私の場合は、マラソン大会に出ることと、昔憧れていたものとの共通点を見つけ、苦行が夢に変わったからです。
 
中学ではテニス、高校ではサッカー、大学でまたテニス。何かしらの運動を続けてきた私も、経験したのは道具を扱う種目ばかりで、走ることは筋トレに並ぶ「地味な基礎固め」というネガティブな印象を持っていました。派手好きの私は高校の頃、大変失礼ながら、練習も晴れ舞台の大会も黙々と地味な基礎固めを続ける長距離走選手のことを、「彼らはどこに楽しみを見出しているのだろう」と珍獣を見るかのように眺めていました。
 
そんな私は大学を卒業し、皇居の近くにオフィスを構える会社に就職しました。そこで先輩に言われた一言が私の人生を変えてしまいます。
「くまちゃん、今度皇居走ってみない?」
皇居周辺の道は信号が無く、見張りの警察官が数百メートルごとに常駐し、一周の距離はちょうど5キロ。好条件が揃った、日本で最も有名かつ人気なランニングコースの一つです。淡々と1人で走る基礎固めは退屈だったけど、他愛もない話をしながら走るのは楽しい。走り終わった後みんなで飲む水も、ただの水なのにすごくおいしく感じる。でも、走っている間はまだちょっと苦しいから、次みんなで走る時に遅れを取らないように、1人でも練習してみようかな。それが私の皇居デビューの感想でした。
 
ちなみに、私の職場は「センセイ」と呼ばれる専門家が数百人所属しています。誰に聞いても卒業した大学は予備校の合格実績広告に載るような難関校で、犬も歩けば棒より先に東大卒に当たる高学歴のオンパレード。一応学生時代はインテリキャラ扱いされてきた私も、この学歴インフレの世界では平凡中の平凡。ましてや私はセンセイではなくアシスタント。頭脳で抜きんでることができないと痛感し、個性を埋没させずに社会人生活を送る方法として無意識に辿り着いたのが「体育会系」として生きることでした。
 
体育会系のポジションを定着させた私は、その後も先輩方と共に皇居ランの活動を続け、ある時力試しに地元の10キロの大会に出ることにしました。地元のボーイスカウト、消防団の皆さん、老人ホームの職員さんと入居者さん。行く先々で、正直芸能人でも何でもない自分が、初めて会う人達にここまで全力で応援されることは他ではありえません。キャラ変えしても完全には消えなかった敗北感や、周りの第一次結婚ラッシュなど、当時いくつものコンプレックスが絡まり合って自己肯定感ゼロだった私にとって、ただそこにいるだけで応援された喜びは格別でした。手を振って喜んでもらえることがこんなに嬉しいなんて!
 
10キロで味を占めた私は、翌年はハーフマラソン、そのまた翌年にはフルマラソンに出場しました。距離が増えれば増えるほど、大会の規模は大きくなり、沿道からの応援も増えます。そして、応援を集めるためにはより目立つことが重要だと考えました。そう、仮装すること。仮装すると、応援が名指しになり、明らかに自分に向けられた声援だと分かります。特に就学前の子供達のウケは抜群。普段の生活では知らない子供に話しかけるなんて絶対しない私も、自ら進んで手を振ったりハイタッチをしに近寄ったりします。まるで、走っている間は別の人格が乗り移っているみたい。あれ、この感覚、何かに似ている。そうだ、テーマパークのパレードだ! 様々なキャラクターに扮したキャスト達が、ゲストに向かってパフォーマンスをする。そして、大人も子供も時間を忘れて熱中してしまう。学生時代、一度はしてみたかったアルバイトだけど、ああいうのは明るくて誰とでも仲良くできるクラスの人気者タイプの子がやるものと思い込み、自分には向いていない気がして結局やらなかったあの仕事! 憧れていた職業を思いもよらないところで疑似体験できたことに気付いた瞬間でした。そして、キャストは練習なしで本番には挑まない、ゲストに笑顔で最高のパフォーマンスを見せるためには、地道な練習が不可欠なのだと思うようになりました。
 
マラソンを続けるうちに新しい友人もでき、仲間と一緒に大会に出る機会も増えました。ある時、一緒に申し込んで友人だけが当選した大会の応援に行った時、私はもう一つのことに気付きます。もちろん、先頭を走るエリート選手の熱戦は目が離せません。一番の目的である友人の動向も定期的にチェックします。でも、それ以外の名前も知らない数万人の一人一人にドラマがあり、応援したくなってしまう。近くを走る人に自然と声をかけたり、年甲斐もなく手を振ったりしてしまう。ああ、やっぱりテーマパークと同じだ。キャストも楽しかったけど、ゲストで来ても同じくらい夢中になってしまう。
 
最後まで読んでくださった9割側のあなた。コロナが終息したら、マラソン大会という名のテーマパークで夢を与えてみませんか?いきなりキャストは……という方は、まずはゲストとして足を運んでみてください。熱気に圧倒され、次は自分が向こう側に立ちたくなるかもしれませんよ。
 
 
 
 
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2020-07-18 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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