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メディアグランプリ

わたしがいつも取材で挑戦するたったひとつのこと【○○のような質問】


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:成田陸(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
「あ~言われてみると、そうかもしれませんね……」
沈黙が流れ、雨が倉庫の屋根にあたる音だけがよく聞こえる。5秒、10秒、15秒とお互いに声を発さない時間が過ぎる。
 
沈黙がいたい。
 
「もしかして、やらかしたか……?」と内心バクバクしながら、相手の口が開くのを待った。心臓の音が雨音より大きく聞こえる。
 
「変な質問でしたね、別に気にしないでください」というのがいいのか……?
わたしの目はキョロキョロしだし、口がパクパクとうごく。
 
「うん、確かにそうですね! 良い気付きをありがとうございます」と笑顔で答えてもらった。
 
良かった。
笑顔で会話のつづきをはじめる。
これは雨がザーザーと降る日に、とある木材事業者の営業課長・Mさんに取材しているときの会話であった。倉庫を案内してもらいながら、歩いているときだった。わたしの質問でMさんが足を止めたから焦った。
 
「お話をお聞きしていると、うしろの字が違うだけで、結果が天と地ぐらい違いますね」これがMさんの足をとめた質問の切りだしだった。
「というと?」とMさんはわたしにつづきを促してくる。
「価格と価値」、うしろの字が違うだけで木材の売り方が異なり、結果が別のものになると、聞こえます」とわたしも足を止めてMさんの目をみて答えた。
 
木材を販売する際に設計士の方が施主を連れて、同社を訪れることがあるそうだ。訪問時にMさんをはじめとした営業の方々は、“木の良さ”をアピールする。アピールポイントが価格や納期、販売可能な量、といった数字で表せるものの場合特に“価格”をアピールすると、数社の同業他社と比較され、価格競争になることがほとんどだ、と話す。そうなれば、利益ギリギリまで価格交渉、苦汁を呑まされたこともあったようだ。
 
一方で、木材の“価値”を伝えて販売した場合、高く売れたそうだ。
どういうことか?
それは施主に木の由来を伝えたり、木が健康に良いことを伝えると快く購入してくれるそうだ。木の由来とはたとえば、「このあなたの目の前にあるスギの一枚板は、昔、秋田県の天然林で伐採され、加工されたものです。毎年木が成長すると一本ずつ刻まれる年輪を数えて、推定してみると、この一枚板は伐られたとき200歳以上であることがわかります。この木は江戸時代から生きていたんですよね」といった話を事細かに施主に説明すると、時間の流れに価値を感じるようになり購入にいたるそうだ。
 
また、近年の研究で壁や床、天井といった目に見えたり、手に触れられるところを木に変身させると、住人の健康状態が好調になることがわかっている。公開されている研究データなどを引用しながら、施主にプレゼンする。“人生100年時代”が叫ばれ、人々の健康に対するアンテナは以前より高くなってきたと話す。
 
これらの話は、倉庫の木材を見ながらの案内であったため、バラバラに聞いたものであった。相手から話してくれることもあるし、わたしが「高く売れるときは、どういったセールストークをしているんですか?」と尋ねたことでもあった。
会話のキャッチボールのなかで、わたしが感じたことを“言語化”したら、足を止めた質問になった。
「ふだんのセールストークの違いを、言葉にしてくれてありがとうございます。これからは意識して、施主さんにお伝えしたり、部下を指導したりしてみますね」といってもらえた。
 
「価値と価格」、一字違いだが、どちらにセールストークの重きを置くかで、まったく結果が異なってくる。ふだん慣れ親しんだ言葉であるから、あまり意識をすることが少ないかもしれないが、意識するだけで違うと思う。
 
これはわたしがMさんへの取材のなかで、気づいたから質問した。結果、Mさんもあまり受けたことのない、けど気づきがあった質問であったと言ってくれた。若輩者のわたしからきた質問にもしっかり受け止めて返してくれる方で、本当に良かった。
 
取材とは事前にどれだけ調べていても、会社の取り組みを30分、1時間、長いときだと半日にわたり、相手の時間をいただくことになる。相手にプレゼントできるのは、メディアが持っている拡散力、影響力になる。零細企業ではたいした謝礼も支払えない。
 
果たしてその取材は等価交換になるのか?
 
取材相手は代表取締役や事業責任者の方々。時給単価を考えたら、雑誌がもつ数字と比べたときに、つり合いが取れているかを気にしてしまう。
そして、なんでも教えてください。それもタダでってなったら、一度目の取材は大丈夫かもしれない。けど二度目はない。もちろん、良い記事を書けば評価も上がるだろう。が、そもそもサービス精神がないクレクレ君のマインドではよい記事はかけないだろう。
 
だからわたしが提供できるのは、業界のトレンドであったり、他社や行政の情報だったりする。それも一定の約束があるから、話せるのは原稿にしたものが中心になる。それでも取材先の人が知らなくて、必要な情報を渡せたら価値はある。
 
だからなんだというのだ。
 
その情報は雑誌を読めばわかりやすく書いてあるし、Googleで検索をかけたら一発で見つかるだろう。わたしが提供する情報は、わたし以外の誰かが供給できる。そんな代わりのきく人間に二度目の取材はあるだろうか?
 
おそらく無い。
 
だからわたしがいつも取材時に絶対気を付けていることは、相手にハッとした気づきがある良書のような質問を投げかけようとしてみることだ。
もちろん思いつかないこともある、失敗もある。10回取材しても1回できるかどうかわからない。
まだ難しい。しかし、日々挑戦だ。挑戦の先にしか上達は見込めない。
目の前にいる人に喜んでもらう。この嬉しさは何よりにも代えがたい。
わたしは今日も考えて取材する。
あなたはどうですか?
 
 
 
 
***

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2020-10-04 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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