メディアグランプリ

歌の神に愛された歌姫


橋本さん 歌の神

記事:橋本和憲(ライティング・ゼミ)

 

全国各地で結成されては解散を繰り返している存在「ローカルアイドル」。さまざまな理由や目的で存在しているが、その地域に根ざしているという部分では共通している。地域活性化の起爆剤として注目された「ゆるキャラ」も、その元祖と言われている「ひこにゃん」、ゆるキャラの日本一を決める「ゆるキャラグランプリ」で2011年グランプリに輝いた「くまモン」、前代未聞の船橋市の「非公認」キャラ「ふなっしー」以外は、あまり聞かない。聞いてもそのままスルーしてしまっているのが現状だ。それでもあえて挙げるならば、東日本大震災をきっかけに東北の支援につながるものにしようとして生まれた「東北ずん子」、三重県志摩市の観光PRの為に公認萌えキャラとして誕生するも、地元の理解を得られず猛烈な抗議が相次いだ事からニュースでも取り上げられ、最終的に公認が取り消された非公認キャラ「碧志摩メグ」ぐらいだろうか。この二つのキャラクターについては萌えキャラという事で、独自の路線をばく進中である。

ゆるキャラの求心力が低下する中で、それに代わる起爆剤として注目されているのが「ローカルアイドル」である。冒頭で述べた通りその活動目的は多種多様なので、一概に地盤地域(地元)活性化のために活動しているとは限らないが、その規模からファンも近場が多くなるのは必然であり、結果的に地域に貢献しているといえる。

首都圏や関西圏は人口が多い事からグループ数も多くなるのは当然であるが、それ以外の地方都市で異常にローカルアイドルグループが多い地域がある。それは「福岡県」である。人口で考えるなら中京圏、特に「名古屋」が挙げられるが、当然グループ数でいうならば決して少なくはない。だが、人口に対するグループ数で考えるならば福岡県が突出している。正確な数字はわからないものの、福岡県だけで50以上存在していると言われ、その中でも福岡市と北九州市に集中している。もともとこの地域は、大陸に近い事から貿易が盛んであり、住民も新しいものへの感心が強く、その好奇心が結果として芸能人を多く輩出している要因となっている。そんな地域性なので、「ローカルアイドル」という素材を放っておくはずもなく、グループ数が多くなっているものと思われる。

アイドル達も様々な理由で活動しているが、いつかはメジャーデビューしたいと考えている娘も沢山いるはずである。その代表格が「橋本環奈」が所属してい「Rev.from.DVL」であろう。橋本環奈は知っていても所属グループは知らないという方も多数いると思われるが、「Rev.from.DVL」はその規模から考えても福岡を拠点にしている「ローカルアイドル」である。

「奇跡の一枚」と呼ばれる、ファンが撮影した写真がネットに流れた事がきっかけで大ブレイクし、「千年に一度のアイドル」と呼ばれるようになったのは周知の通りである。そんな「第二の橋本環奈」を目指している娘が多いのが、福岡県である。

福岡県はアイドル戦国時代である事から、運営母体もバラエティーに富んでいる。王道なのは芸能プロダクションであるが、カフェやバー等の飲食店の場合も少なくない。中には、自動車のディーラーなんてのも存在する。もしかしたら、福岡天狼院限定で「アイドルゼミ」がローンチされて、「ライティング・アイドル」がステージに立つ日が来るかもしれない。夢は膨らむ。

私がよく行く「G」というアニソンバーでもローカルアイドルが存在し、週末になるといろいろなところでライブ活動を行っている。社長であり店長であり、さらにプロデューサーでもあって自身もアイドルという肩書きをもつ「MTK」という人物は、当然歌も歌う。グループメンバーへの要求も当然高くなり、彼女達のライブを見る度に進化している事を実感する。ダンスと歌のレッスン、そしてライブの開催を考えると彼女達の休みは週に1日しかなく、それも祝日になると吹っ飛んでしまう。そこまでしてトップアイドルを目指して頑張っている彼女達であるが、時に天才の前では歯が立たない事がある。

先日、いつも通りお店に行くと、見慣れない娘がカラオケを歌っていた。新人のキャストという事で最初はあまり気にしていなかった。歌い終わると「はじめまして、『IRS』です」と自己紹介をしてくれた。その後、おもむろにIRSさんがMTKさんとデュエットを始めて驚いた。明らかに、現役アイドルよりも歌が上手かったのだ。歌い終わったMTKさんに「私のアイドル人生は一体なんだったの」と言わせた程である。さらにソロで歌を披露していたが、「これがオリジナルです」と言われても疑わないレベルであった。

聞いたところによると、これまでに特別なボイストレーニングを受けた訳でもなく、歌い手としてライブのステージに立った事もないとの事であった。言葉は悪いが、最強の素人である。

改めてアイドルについて考えてみると、ステージにおける歌やダンス、そして仕草も含めた外見が重要ではないだろうか。最近では、トーク能力なども問われる場面も少なくないが、これらが複雑に絡み合ってファンから「こんなキャラクター」として認識される事だろう。外見だけ、歌だけ、ダンスだけでは勝負出来ない。橋本環奈級の突出した可愛さがあれば別だが。

しかし、さらに重要な事がある。それは、「アイドルになりたい」という情熱だろう。スカウトされる場合もあるが、最終的には自分の強い気持ちが無ければ続かない。厳しいダンスレッスンやボイストレーニングに耐えて、初めてステージに上がる事が出来る。ひとりで居る時には鏡に向かって笑顔の作り方やホーズの研究に余念がないだろう。最近では、SNSで「自撮」をアップする局面が多いので、可愛く映るにはどうすればよいか、いろいろ試しているはずである。実力の世界であるが故に、努力すれば報われるという訳ではないが、努力なくして生き残る事は出来ない。

後日、才能を見出されたIRSさんが、MTKさんとコンビを組んで「M&I」(仮)としてステージに上がる事が決まった。「天才とは、ただ、努力の継続を出来る人のことをいう」という言葉がある。努力を継続するためには「熱意・情熱」が不可欠だ。新しいアイドルの誕生と今後を見守りたい。

 

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2016-02-11 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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