メディアグランプリ

ケンタッキーフライドチキンのレシートから垣間見えるコアコンピタンスとは


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記事:左次拓馬さま(ライティング・ゼミ)

人類は大きく二つに分かれる。
レシートを受け取る派と、レシートを受け取らない派だ。
私はレシートを受け取る派の派閥に属しており、本日は我が陣営の強化のために参上した次第である。

さて、諸君は吾輩の敵対派閥である、レシートを受け取らない派に属しているであろうか。
諸君らの気持ちは大いに分かる。また、大いに共感できる。吾輩にも効率化の観点からレシートを受け取らない派に所属していた時期があるからである。
家計簿をつけているわけでもなく、レシートで爪を磨くわけでもなく、はたまた、あぶらとり紙として使うわけでもない。レシートで財布が膨らんできたら出して捨てるだけ、そうであれば、受け取らないことのメリットが大いにある。とても効率的である。

さて、はたまた、諸君は吾輩と同じく、レシートを受け取る派に属しているであろうか。レシート受け取る派は、その中で多種多様な派閥に分かれている。
最大派閥は、家計簿党である。お金の管理に留まらず、金銭感覚がビジネスにおいても重要だと説く先生もおるぐらいであり、とても大事らしい。最近はレシートを携帯のカメラにかざすだけで読み取れる機能があったりしており、便利極まりない。まあ、吾輩はやっておらぬが……。

続いての派閥は、流され党である。レシートは必要ですか? と聞かれないお店については、レシートを断るタイミングを逃すことが多々あり、本来であれば、レシート受け取らない派に属したいのだが、何となく流されるままに受け取っているのである。その軟弱さは言語道断である……と言いたいところであるが、吾輩もご多分にもれず、この党とは友好関係を築いているのでありまして……いや、レシートが商品受け取りの証明になったりしますし……。

さ、さて、続いての派閥は、コスメ党である。お手元にレシートがありましたならば、是非とも体験してみて欲しい。まずは、爪やすりだ。レシートの印字されている側を表にし、文字が印刷されていない余白で爪をこすってみると、ツルツルになるのが分かると思う。ポイントは爪の形を整えるために使うのではなく、表面を磨くために使うのが良いであろう。次は、あぶらとり紙だ。こちらはレシートの裏面を脂が気になるTゾーンなどにこすりつけるだけである。みるみるレシートに油染みが……。吾輩、少々あぶらっ気が多いようで頻繁にお世話になっているのであります。

さてさて、お次が本命も大本命、吾輩が属する、しげしげ党である。文字通り、しげしげとレシートを眺めているわけであり、元々は暇が高じすぎて財布の中のレシートを読みはじめただけだったのであるが、思った以上に面白いのだ。

最近のヒットは写真として載せているケンタッキーフライドチキンのレシートである。購入したのは、チキンとポテトのセットだけなのだが、とにかく長い。500mlペットボトルと比べて、1.5倍~2倍弱の大きさがある。
大まかにケンタッキーフライドチキンのレシートの構造を書きだすと以下の通りとなる。

1.ケンタッキーのロゴの印字
2.店名と住所とアルバイト募集の案内
3.購入した商品名と金額
4.チキンの産地
5.チキンスペシャリスト
6.日時などの付帯情報
7.アンケート

1~3と6は特に珍しくはない。若干、ケンタッキーフライドチキンのロゴが大きく印字されているような気もするが、特に目を引くものではない。
7のアンケートも最近よくみかけるようになった。アンケートはWebで行われ、ドリンクなどが無料になったりする。
珍しいのは、4と5だ。
4のチキンの産地に関しては、KFC指定農場で飼育されており、鹿児島県産である、ということが記載されている。
5のチキンスペシャリストの部分には、店舗での調理にあたっては、KFC独自の調理認定資格であるチキンスペシャリストのもと手づくりで調理しているらしく、その方のID(多分、認定IDだと思われる)と名前が記載されている。

さて、レシートにここまで記載されているのを見た貴方は、何を感じるのだろうか。私はケンタッキーフライドチキンの熱い思いを感じた。その裏側にあるのは、競合他社を圧倒的に上回る(コアコンピタンス)チキン調理への自信であり自負であろう。企業価値を高め、消費者に分かりやすく伝える方法として、非常に有効だと感じもしたのである。

さてさて、このようにレシートは、爪やすりとしても使えるし、あぶらとり紙にもなるし、もちろん家計簿をつける際にも必要であるし、ビジネスにおける勉強にもなるのである。
さあ、諸君も今日から、レシート受け取る派に転属するが良い。吾輩、大いに歓迎しよう。
余談ではあるが、チキンスペシャリストを知って以来、チキンが2割増しで美味しいような気がするのでありました。

 

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2016-03-22 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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