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一人っ子礼賛


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記事:山口 美佳(ライティング・ゼミ)

「あ~、1人っ子なんだ……」と人が言うとき、そこには他の兄妹構成を知った時とは明らかに違うニュアンスが含まれる。
わがまま、マイペース、過保護、変り者……
こう思うのは私が1人っ子故の被害妄想だろうか?
いや、きっとこの中のどれかは含まれるはず。そして、まぁ、実際当たっていなくもない。
30代前半くらいまでは、この1人っ子へのレッテルがとても嫌だったし、このレッテルのせいで損をしているかもしれないと思うことも多かった。そして、実際1人っ子で育ったことに起因する性分のせいで生きにくいことも多かった。

子供の頃大人たちが私の親に「美佳ちゃん1人っ子だからかわいそうね~」と言ってるのもしばしば耳にした。
そして、さらに私にもう一言。
「さびしいね~」と続く場合が多い。
子供ながら、なんだか他人から「かわいそう」とか、「さびしい」などと言われるのはあまり良い気分ではないな……と感じていたのを思い出す。
「さびしくないし兄弟なんかいらないよ」と言ってみたい気もしたのだか、そこは大人の空気を読む一人っ子。あえて何も言わず、この話題が早く終わらないものかと遠い目をして誤魔化していた。

ほんとは従妹たちを眺めながら姉妹っていいな~と思いつつ幼少期を過ごしていた。
小学生の頃、私を真ん中に母方の従妹姉妹と父方の従妹姉妹が小学一年生から5年生まできれいに揃って同じ学校に通っていた。なので学校の帰りに従妹たちが私の家に遊びに来て5人で遊ぶことも多かった。楽しく遊んでいる時はまるで5人姉妹の様に隔たりのなかった空気の中に、突然私にとってさびしい瞬間が訪れるのだ。
遊びの興奮が最高潮に達し、疲労感からシーンとする。
そして、誰かがもう帰ると言い出すと、今まで私と組んで遊んでいたその子の姉妹もさっと私から離れ帰り支度を始めるのだ。もう一組の姉妹も、じゃあそろそろ私たちも……と夢のような姉妹ごっこが終わり、気付くと一人っ子に戻っている。
そんな繰り返しの中で私はちょっとした裏切りの様なものに対し、何も感じないように自分をコントロールする習慣ができていった。
当時私は一人になり急速にテンションの下がった状態で、親が従妹に出そうとするのをこっそり静止していたイチゴだったり、メロンだったり、スイカだったりを一人で食べるという小さなわがままで自分を癒していた。その時湧いてくる寂しさと裏腹なほっとする感覚も鮮明に覚えている。
親は、「あんたは小さいときほんとに食いしん坊でね~、いちごを独り占めしてたんだよ!」と後々よく話題に上がっていたが、あれは一人っ子の快楽を存分に味わう儀式だったんだよ。
こんな儀式ではないにしても一人っ子の人は、一人っ子特有の日々直面する小さな寂しさに色々と対処をしながら生きてきたのではないかと思う。兄弟が多いなら多いなりに違うさびしさもあるのだろうが、兄弟がいる人に比べて親が亡くなったら天涯孤独になる可能性も高い一人っ子が、一人っ子のさびしさを易々と受け入れて先のことを考えてしまったら、いたたまれない程さびしい。

そして、恋なんかする年頃になり、いざお付き合いをしようとなった時、私が一人っ子だと知るとちょっと相手が身構えるのが分かる。一人っ子ってことは……さぞ親がうるさいのではないか? とか、とてつもなくわがままなんじゃないか? などという想像が彼らの頭によぎるからだ。実際私の場合はちょっと極端ではあると思うが、高校を卒業して進学で上京後も日に一度は母に電話をする約束になっていた。電話をこちらからしなければ必ず電話がかかってくる。今のように携帯電話の無い時代、私は夜遊びをする為に電話をしてから出かけたものだ。ある時、私が電話をした後用事を思い出した母が直ぐに折り返し電話をかけると、私が出なかったことから作戦がバレてしまい勘当を言い渡されたこともあった。いっそ勘当してくれ~! と思いつつ放って置けないのも一人っ子の悲しさである。

結婚を視野に入れた恋愛ともなると、さらに二人のことだけでは無く、お互いの家族との絡みなどを色々と考える必要が出てくるのが自然なことだ。しかし、一人っ子の場合は兄妹のいる人たちよりそれに対しての重さが違う。ある意味常にその重さや責任を引きずって生きている。
そんな私が妙に冷静に、私側に出てくることが予想される問題点などを相手に先に提示しておこうなどという行動が、まだまだ楽しみたかったロマンチックな雰囲気に水を差してしまったことも少なくない。夢見がちなようで現実的な一人っ子は結婚となると、恋愛感情だけでは解決できない部分を即座に考え始める。そして、揉め事が嫌いなので一番すんなりと行く着地点を目指してしまうところがある。計算高く、意外と我慢強いのだ。が、しかし、も~やってられない! と我慢の限界に達し腹をくくった時の突破力というか、破壊力はパワフルだと思う。もし一人っ子のお相手と上手くいきたい方は、この一人っ子のパワーの特徴を理解し、上手く利用してもらえば事はスムーズに進むと思う。

一人っ子は友人関係においても特有のスタンスを保つ。突然訪れる「独り」に対する防衛策として、自分の周りに比較的色んなコミュニティーを確保している人が多い。それが一人っ子の凝り性だったり、多趣味であったりという傾向につながるのだろう。ただ一人の時間を多く過ごすので、人との距離の取り方が分からず気を遣い過ぎ、突如一人になりたくなる。こんな一人の時間に慣れすぎていることに起因した挙動不審は一人っ子の人にしばしば見受けられる。決して嫌いになったとか楽しくなかったとかではなく、そろそろ自分のペースに戻ります。一人でいちごを食べたいの……というだけのことなのだ。
ちょっと挙動不審だけど許してあげてほしい。

一人っ子は自分のテリトリーを守りたいので、相手のテリトリーも侵害しないようにする。
それは大人になっていくに従い、一人っ子に多い長所だと私が思う「親しき仲にも礼儀あり」という形となって現れる様に思う。大人になればなるほど一人っ子の友達って付き合い易いと思うのでおすすめだ。人に頼りすぎず、放っておいてもくれ、実は結構合わせてもくれるので旅行相手にも好適。

親の愛を一人で受け止めるというとてつもない重りを抱えつつ、全てを軽やかに思おうと、見せようと、
一人っ子は独りで考える。それが一見弱そうでいていざとなると強く、一見冷めてそうでいざとなると熱い一人っ子気質を構築していく。こんな繊細でたくましく、超わがままな一人っ子とのお付き合いをどうぞ楽しんでみてほしい。

一人っ子に出会ったら、「お~一人っ子?いいね!」と存分に遊んで、開放する。複雑そうで単純な一人っ子はまた遊んでね! と言ってくるはず。

一人っ子礼賛で、実はお調子者の一人っ子を扱うのはさらに容易くなると思う。

 

***
この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。
「ライティング・ゼミ」のメンバーになり直近のイベントに参加していただけると、記事を寄稿していただき、店主三浦のOKが出ればWEB天狼院の記事として掲載することができます。

 

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2016-07-27 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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