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「だって、好きなんだもの」
小学生の娘は、何を聞いてくるの? と言いたげな顔をしている。
娘はお囃子クラブに属している。
祭り囃子を演奏するクラブだ。
朝早くからの練習があったりして、小学生には忙しく、大変だ。
だから、
大変なことをなぜやるのだろう、と聞いてみたのだ。
好きなんだもの。
娘の答えは簡潔だった。
そうだな。
好きだから、やっているんだ。
なんだか当たり前すぎて、それ以上言いようがない。
自分は、小学校の時、剣道をしていた
はじめたきっかけは、何となく、剣道をやってみたかったからだ。
やってみると、
竹刀が面を打つ、小手を捉える、その感触が気持ちよかった。
剣道が好きになった。
だから、なんだかんだと高校まで続けてしまった。
もう一つ、切手収集に燃えていた。
記念切手を集め、発売日に並んだりしていた。
当時の少年漫画誌の巻末には、全国の切手商の広告が並んでいた。
乏しい小遣いをやりくりをして、切手商に手紙を出して切手を買い、
切手専用のストックブックに納めていた。
ある程度集まると、テーマを決めて切手アルバムに小さなヒンジ(蝶番の意)という紙片を使って貼り、
作品のできを眺めていた。
日本の切手では飽きたらず、世界各国の切手を集め、世界の切手を網羅している高価な切手図鑑をも手に入れたりしていた。
どうして、それほどの労力と時間を費やしていたのだろう。
切手が好きだったから、それしかない。
小さな紙片の中に広がる世界に魅せられていた。
紙片の中の意匠とその背景や歴史を知ることがたまらなく好きだった。
趣味の財団法人の会報を定期購読し、時に研究成果を発表したりまでもした(その研究は、見当外れのものだったけれど!)
好きというエネルギーは、田舎の少年をどこかに突き動かしていた。
その趣味は、今に何をもたらしているかというと、多少の切手の知識と僅かばかりの運動神経であろうか。
しかし、剣道に打ち込んでいた時、切手を集めるために郵便局に並んでいる時、この行為は将来どのように役立つのだろう、とは考えていなかった。
好きなことは、今そのことに向かっていた。
大学生の頃は、占いに傾倒していた。
何かの作用が未来を決定する、あるいは読み取ることができるのではないか。
例えば、自分の掌には、自分の過去と未来が描かれているのではないか、と思っていた。
手相に関する本を集められるだけ集め、読み込んだ。
同行のサークルで占術を実践し、友人と飲みに出かければ
「僕は、手相を見ることができます」と言って女性に声をかけていた。
実利がえられたからか、ますますのめり込んでいた。
その手相術の技は、いまでも時々「昔、手相を見ていたんだ」といって、
異性に合法的に触る口実に使っている。
まあ、だからなんなのかと言われると、こまるのだけれど。
社会人になって数年後に、あるビジネススキルと出会う。
友人に誘われて転職したところが企業教育・研修を生業にしていて、
その企業教育方法の一つ、メインの教育サービスがディベートだった。
会社の仕事だから、社命だから、しかたなくはじめたことだが
気がつくとのめり込んでいた。
日本にあるディベート関連の本の全てを集め、読み、練達の人たちから話を聞き
自分でもディベートをし、熱中した。
最初は、セミナーの裏方の裏方、資料の印刷、参加者名簿作成をしていた。
それが徐々に人前に出るようになり、気がつくとある企業の管理職研修の講師を務めることになった。
どうして、ディベートを教えるようになったのですか? と問われることがある。
気がついたらなっていた、ディベートが好きでのめり込んでいたら、いつの間にかこうなっていた、としか言いようがない。
そして、いまは書くことだ。
実は、本を何冊か出したことがある。
なにに、なぜ?
実は、ビジネスライティングの講師もしている。
なのに、なぜ?
それなのに、なぜ、ライティング講座を受けるのか。
妻は不満げだ。
不満ではなく、不安なのかもしれない。
妻は、わたしが本を出した時のことを思い出しているのだろう。
原稿が書けなくて、呻吟し、イラつき、疲弊する姿を見ていた。
原稿が書けなくて、出版が頓挫したことも数度ある。
やれやれ。
妻は、わたしがものを書くのが嫌いなのかもしれない、と思っている。
なのに、なぜ?
ライティング、ものを書くことに、これまであった、切手収集や剣道や手相占いよりも遙かに熱中している。
生業としたディベートと同等か、わずかに上回るかもしれないほどに。
なぜ、それほどにのめり込むのか
それは、好きだから。
それしかないのだ。
好きになって、のめり込んでも、
それで生きていけるわけではないだろう、と妻は呟く。
物書きを本業にするのは大変だ。
筆一本、いまはキーボード1枚(とでもいうのか)で、食べていこうと思って、ものを書いているのではない。お金になったら、それはそれで嬉しいかもしれないけれど、
その現世利益よりも、好きである、ということが一番なのだ。
好きでなかったら、
毎週、締切前に呻吟し、書くネタを探し、ネタ帳を作り、
身内の秘密を暴露して怒られ、友人の話を書いて疎んじられ、
書くためにドラマを見ることを諦め
書くために睡眠時間を削り、
書くために誘いを断る、
そのようなことはできないのだ。
好きでなかったら、
朝早くから郵便局に並んで切手を買うこともない。
冬の稽古で、足の裏が裂けても打ち込むことはない。
本当なの、と怪訝な目で見られながら、手をのぞき込むこともない。
日本人には向かないのですよ、と揶揄されながらもディベートをすることもない。
熱中する
好きだから、そのことに、見返りは求めなかった。
切手を集めて、投資しようとか。
剣道を極めて、モテようとか。
手相術で、未来を支配しようとか。
ディベートで、夫婦喧嘩に勝とうとか。
見返りは求めなかったが、
振り返ってみると、いまに活きるものを得ていた。
切手を集めていると、発行された切手の歴史的背景や意匠に込められた意味を調べることになる。わずか数センチ四方の紙片の向こうにある物語を読み解くのだ。それは書く時のネタを探すことに繋がる、生活のささやかな一場面から、ひとつの話、物語を紐解く術と同じなのだ。
剣道からは、勝負の駆け引き、息づかいを知った。
手相術からは、手の平に刻まれた線から、その人の人生を再構成していくことになる。まるで、お話を作り上げるように。
見返りを求めず、熱中したから、身につくことがある。
何かを生み出すこともある。
でも、それは何なのか、熱中している時にはわからない。
でも、それでいい。
時に、苦しかったり、哀しかったりもするけれど。
書くことは楽しい、
書くことは嬉しい
書くことは喜びだ
それだけでいい。
苦しく、哀しく、楽しく、嬉しく、喜ぶ
なんだか、人生そのものだな。
書くことは、私の人生そのものだ。
娘は、朝早くお囃子クラブの練習に出ていく。
娘の後ろ姿に声をかける。
思い切り、熱中するんだぞ!
***
この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。
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