プロフェッショナル・ゼミ

「狂を吐き出すチャンスかもしれない」と天狼院の川代さんは言った《プロフェッショナル・ゼミ》


*この記事は、「ライティング・ゼミ プロフェッショナル」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:万葉(プロフェッショナル・ゼミ)

「もう、やめたい」、そう告白した私に、
天狼院の川代さんからメッセージが届いた。

〇〇さん、いつもありがとうございます! ちょうど、私も、連絡しようと思っていました! 最近、課題の提出がなかったので、もしかしたら思いなやまれているのではないかと。

正直な私の考えをお伝えしますと、もし今とてもお忙しくて、書く時間がない、ちゃんと書く時間を確保してから書きたい、ということでしたら、キャンセルされた方がいいと思うのですが、もし、「書けてないのにプロにいるのが申し訳ない」という理由でしたら、それは、あまり気にしなくてもいいと思います。

個人的な考えとしては、本当に面白い「狂」の源は、ライバルと切磋琢磨して、必死になったときに、生まれるものだろうと思います。私も、まだ大学生の頃、三浦さんに勝ちたい、周りのスタッフに絶対負けたくないという気持ちだけで書いていて、そういうところから、今の書くエネルギーが生まれました。なので、もしかすると、〇〇さんにとって、「ついていけない、いやだ、悔しい」と強く思っている今こそが、狂を吐き出すチャンスかもしれないとも思うのです。

もちろん、一旦整理する、というのもアリだとは思いますが、おそらく、一度抜けてしまうと、戻りにくくなるだろうと思うので。すでにたくさん考えられたとは思いますが、いまいちど、お考えいただけませんか。
4日の講義当日、ギリギリまで、待ちますし、もし、やっぱりどうしてもキャンセルしたいということでしたら、三浦に相談して、キャンセルできるように、調整しますので。
どうぞ、ご検討ください!(原文まま)
2016年12月2日 23:29
                                                
私は、小さい頃から空想好きで漫画家になるのが夢だった。誰に見せるわけでもなかったけれど、無心に絵や物語を書いていたものだ。楽しかったなあ。

小学生になると、担任の先生から毎回作文を褒められた。
家庭訪問の際、「いや~、正直に心を表現できています。将来は、小説家になったらいい」と、わざわざ母に言ったくらいだから、まんざら嘘でもなかったのだろう。

だからといって、私は文章を書いて生きようと試みてこなかった。心の片隅には「もしかして私の天職かも?」と思いつつ、成長するにつれ、書くことから離れていった。

正直に話そう。自分より才能のある人を見るたびに、書くことが怖くなったのだ。その人たちと切磋琢磨して、自分の才能のなさがわかったらどうしよう。それに薄っぺらな自分がばれるのも嫌だった。書くことなんて何もない、私はそう思った。

私はいつの間にか、文章で自己表現したいと願っているけれど、恥はかきたくないと考える人間になっていた。

天狼院という変わった本屋が、「人生を変えるライティング教室」をしている。

「人生を変える」たったそれだけのワードで、私はライティング教室の受講を決めた。タイミングもよかった。なんとなく、何かが始まるような予感がした。久々にワクワクする。

これまで、作家になりたいなどという野望を誰かに言うことはなかった。でも、ブログを書いているし、何より自分の強みは、人の経験談をたくさん聞いてきたことだ。何かがつかめるかもしれないと思った。

ライティング教室は、毎週2000字の文章を提出する。1週間に1度の〆切。三浦さんのコメントがつき、オーケーが出た人の文章がWeb天狼院に掲載される。受講生の中には、アクセス数(PV)が爆発する大人気記事を書く人も出現する。

私は、毎週、課題だけは提出しようと決意し、2000字の記事を書きつづけた。好きなテーマを自分なりの切り口で2000字に落とし込んでいく。授業も面白いし、書くことが久しぶりに楽しいと思えた。
そのせいか、1つをのぞいた全作品がWeb天狼院に掲載された。店主ピックアップも何度かもらった。私は小学生の頃を思い出した。もしかして、私って才能あるかも? そんな妄想で気分良く書くことができた。

楽しかったので、次の期もライティング教室を継続しようと考えていたときに、天狼院の川代さんから、新しくプロ講座ができるから試験を受けてみないかとお誘いを受けた。プロ講座では5000字を書くという。プロとしてやっていくなら、5000字が書けなくてはいけない。まだ早いとも思ったが、せっかくのチャンスだからと受験を決めた。
そして、プロ講座に入ることとなったのだ。

しかし、ここからだった。
私の本当の苦しみが始まったのは。

書けない。書けないのだ。
なんとしても書けない。
便秘に苦しむ人のように、うーん、うーんと唸っても何も出てこない。

週一回、5000字の記事が書けない。

最初は、5000字がまだ私には無理なのかとも思った。 
だったら、せめて2000字でもいいから書こう。2000字なら余裕で書いていたはずだ。

そう思って書き始める。でも頭の片隅で、「書いて何になるの?」「あなたに書きたいことなんてあるの?」という声が聞こえる。だんだんその声が大きくなり、気が重くなっていった。

忙しさを言い訳に、一回休んだ。でも、一度そうなったら、あとはズルズルだ。
次週こそと言いながら、また提出できない。自己嫌悪だけが降り積もっていく。

その間も、講座仲間たちは、確実に力をつけていく。自分の方向性を見出す人も増えていった。素晴らしい作品がたくさん提出される。すぐにプロになるだろうレベルだ。名前で食べていける人がたくさんいた。ライバルの存在は、モチベーションを上げてくれるはずだった。
でも、私は同じ土俵に上がることすら巧妙に避けたのだ。
私の目標は、毎回提出することだったけれど、それすらできなくなった。

挫折感。
毎週、毎週気が重くなっていく。毎週、毎週身体に錘が一つずつ増えていくような感覚だった。

プロ講座なんてやらなければよかった。
普通のライティングゼミで楽しみながら書いていればよかったんだ。私っていつもこう。完璧を目指して途中で嫌になる。

ああ、それなのに、それなのに。
気が付くと、第二期の継続まで申し込んでいたのだった。
なんだか自分のやることがよくわからない。

それから、次の期が始まるまで、私は苦悩し続けた。バカみたいだが、やろうか、やめようか、考え続けた。そして、ぎりぎりまで葛藤した末に、開講2日前になって天狼院の川代さんに、キャンセルしたいとメッセージを送ったのだった。

天狼院の川代さんは、三浦さんが必ずプロ作家となると太鼓判を押す信頼の厚い人材だ。スタッフのあこがれの目標であり、朝から晩まで大車輪で働いている。

その川代さんからの返信が冒頭のメッセージだ。

「ついていけない、いやだ、悔しい」と強く思っている今こそが、狂を吐き出すチャンスかもしれないとも思うのです。

狂を吐き出すチャンス。
そうなのかもしれない。
でも、狂とは本当のところ何なのだろう?

悔しい
悔しい
悔しい

何度も繰り返し言ってみる。
く・や・し・い。

感情をもっと煽ってやる!

ピシっと何かが割れる音。

説明のできない何だか嫌なものが噴き出てくるのを感じる。
認めたくない感情。
それは、悔しいなんてレベルではなかった。

「恨み」だ。

黙って! それ以上言わないで!
恨んでいるなんて、絶対に人に知られてはダメ! イメージが壊れてしまう!
何のイメージだが知らないが、プライドの高い私の理性が慌てて叫んでいる。

だけど、古い脳はもう止まらない。
「くそ~! ぶっ殺してやる!」「よくも邪魔したな!」「バカにするのもいい加減にしろ!」
涙と鼻水が止まらなくなった。

もう何年も前のことだ。本を出版するチャンスがあった。
個人的に高額の出版セミナーにもかよっていたし、企画も出した。
自分なりに努力も営業もした。出版社からも「ぜひ!」と言ってもらえた。

しかし、さまざまな要因から手を引かざるをえなくなったのだ。
その企画は自分の手を離れ、別の人のもとへ行った。
私はなんだかすっかりやる気を失ってしまった。

それ以来、すべてのことが裏目に出た。頑張っているつもりだったけど、頑張れば頑張るほどうまくいかなくなっていった。物語では、こんなとき奇跡的な出来事がおきて、ハッピーエンドになるけれど、私の人生には何もおきなかった。ある意味、現実は厳しく平凡だ。平凡なまま悪化していく。頑固な私は助けを求めることもできず固まっていった。

人間関係も仕事も、方向転換を迫られた。加えて、体調もどんどん悪くなっていき、頑張りもきかなくなっていった。私は嵐が過ぎ去るのをただ待つしかなくなったのだ。

あの頃、同年代のブロガーの記事に、「離婚しました。人生のリセットです」「人生には何度か大きく変わる時期があります」「何歳でも何度でもやりなおすことができます」などという言葉を見つけると食い入るように読んだ。そして、どうして、そんなに正直に書けるのだろうと思った。
私だって、人生の転機なんだ。でも、何をどう書いていいかわからない。
どこまでも恰好つけたい自分がいた。

誰でも苦しい時期はある。自分だけがかわいそうとか、人のせいと本気で思えるほど私は若くない。正直、本1冊書ききる実力はなかったと白状しよう。それに、今思えば借り物の言葉で本を出したかったわけじゃない。

大人の視点で見れば、すべて自分の責任だし、後になれば、「これでよかった」と言えることはわかっている。そう思って、なかったことにしていた。
でも、私の感情は誰よりもこだわっていたし、恨んで硬直していたのだった。

私は教える仕事をしていた。だから、「正しくあらねば」が人よりもずっと強かったと思う。私は、人格者になりたかったのだ。それが、想像以上に自分を縛り、感情を認められなくなっていたのだ。心の中に自分を責める声が聞こえる。私の文章を、生徒さんが読むこともあるだろう。本当の私を知ったら、なんて思うだろう。それが心配で、何か文章を書こうと思っても正しいかどうかをまず考えてしまうのだ。全方位どこからも突っ込みがこないような優等生的な文章を書かなくてはと思い込んでいた。

誇り高き理性は認めようとしない。でも、感情は、鼻水たらす子どもだったのだ。
悔しくて、悔しくて、悔しくて、それでも、悔しいって言えなかった。
書きたいよ。表現したいよ。認めてほしいんだ。
だから、恨みになって重く沈んでいったのだ。

気にしていないふりをしてきた。
そんな隠そうとする自分に、激しい怒りを感じていたのだった。

「あなたに書きたいことなんてあるの?」

そう聞かれるのが一番怖い。
確かに、今の私に本当に書きたいことがあるかと問われるとはっきり答えることができない。だから、プロ講座になったとたん書けなくなってしまった。

それは、子どもの頃から私の中にあった怖れだ。書くべき内容なんて私にはない。薄っぺらな自分がばれるのが嫌で、書くことから逃げていた。何かを勉強しなければ、表現することはできないと思い込んだ。何かの資格がないと書いてはいけないような気がしていた。

そうやって、習い事中毒をずっとしていたのだ。でも、何をやっても、人の借り物にすぎない。上手に受け売りを言えても、自分が考えたことじゃないんだ。だから、永遠に何かを探し続けないといけないような気がしていた。

そうだ、私が欲しかったのは、まぎれもなく自分の言葉だったんだ。
格好なんてどうでもいい。自分の言葉が欲しかった。

そして、その答えもライティングゼミの中にあった。
答えはいつでもシンプルだ。

書くこと、それだけだ。

川代さんは、悔しさという感情を使って飛び越えてみろと教えてくれたのだと思う。

川代さんの文章が人の心を打つのは、自分の負の感情を使って、それを普遍的なものにまで高めているからだ。誰の心にもある感情を代弁しているのだから、読む人を置いてきぼりにしないばかりか、読後に希望さえ持てる。それが出来るのは、彼女が悔しさをバネに狂の世界に飛びこみ、書きつづけてきたからだろう。

私は書けない、書けないと言い続けた。難しい、難しいと自分に呪いをかけ続けてきた。
それは、ガラスのプライドが、失敗することに耐えられなかったからだ。
私は、ようやく負の感情を認めたのだった。

準備が整うのを待っていたら永遠にその時はこない。

書きたいことがわかっているから書くのではなく、書くから書きたいことがわかる。
書くから心が癒される。書くから脳が変わるのだ。

天狼院のライティング教室は、ライティングを教えているのではない。
文字通り、人生を変える方法を教えている、とてつもない本屋なのである。  
***
この記事は、「ライティング・ゼミ プロフェッショナル」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。
「ライティング・ゼミ」のメンバーになり直近のイベントに参加していただけると、記事を寄稿していただき、WEB天狼院編集部のOKが出ればWEB天狼院の記事として掲載することができます。

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