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メディアグランプリ

英語劣等感の泥沼で冷静さを取り戻すには


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:松尾翔太郎(ライティング・ゼミ 日曜コース)

 
英語を勉強しているつもりだった。スマホには英語本に付属している音源がいくつも入っているし、英英辞書入りの電子辞書はいつも携帯していた。
海外ドラマを毎日見た。英語の勉強法の本もいくつか読んだ。基本は単語力と言われれば単語に集中し、文法と言われれば文法に集中した。英語脳を鍛えるために英和辞書を控え英英辞書を使うようにした。英会話スクールにも通った。睡眠学習もした。全部、1週間以内にやめた。
海外に行って、実際に会話してみればいい、何とかなるから。そう思っていた。何とかなった。生きて帰ってきたのだ。だからなんだ。英語が理解できずにストレスを抱えて過ごすことのどれだけ惨めなことか。みんなが笑っているのに、一人だけなぜ笑っているのかわからずに置いて行かれる。悔しくて惨めで、救いようがなかった。
そんな経験を何度かしても、英語の勉強はしているつもり状態は変わらなかった。英語と向き合うこと自体が惨めさを感じさせ、集中力はほとんど続かず、ただただ苦しい勉強に目を背けた。
だけど、それでも、今年は何かが変わった。もともとインドに興味を持っていた私は、インドの何千年も伝わる伝統的な教えの流れを英語で教えてくれている場所に出会った。その学校のクラスに参加させてもらったが、90パーセント理解できなかった。あと数十年すれば日本語で学べる機会があるかもしれない。もしもそういう先生が現れればだが。そんなのを待つよりは自分が受け取ることが出来るようになるほうが早いに決まっている。帰国してすぐ、インドから買ってきた英語の本を電子辞書片手に読み始めた。
読みたい本がある。理解したい文化がある。情熱はあるが、頭がついてこない。1行に2つも3つもわからない単語があれば、単語に意識が持っていかれて文の全体像が見えてこない。苦しい勉強は続いた。脳裏で「愚直」と唱えながら、本の内容を書き写した。
また英会話スクールに通うが、相変わらず苦手意識が精神を圧迫して出来ない自分が惨めだった。また、やめた。プライドだけ高い落ちこぼれ。泥の中をもがいているようだ。

そんな泥の中、私は動画サイトをみることを覚えた。プロのバイリンガルの先生が5分から15分ぐらいの短いレッスンの動画が何百本もアップされていた。軽やかな先生だった。
英語で苦しまないでください。楽しんでください。レッスンの節目節目に、そう彼は繰り返した。自分に言われていると思って、彼の動画レッスンを貪るように見続けた。苦しかった勉強が軽やかになってきた。

動画の中の先生が言う。
「あなたの英語の習得の目標が100だとしたら、あなたはいま数字にするといくつぐらいですか?」
20ぐらいかなと思った。決して高くはない。高くはないが、マイナスでも泥の中でもなかった。
「100になったら何がしたいですか? また、もしも120になったら何がしたいですか?」
インドの教えを学びたいことはもちろんだった。120なら……通訳をしたい!
落ちこぼれが通訳をしたいとほざいている。だけどメダカがクジラになりたいと言っているわけではない。可能な気がする。続けていれば確実に英語力は上がりますと先生が言っているし。「愚直」に、ただ続けていればいいのだと信じることができた。
動画サイトでは、様々な英語レッスンが無限にアップされている。私は私のレベルに合うものを探し出し、少しずつ、何度も観ている。もはや苦しみはない。ただただ楽しんでやっている。出来ない自分だけではなく出来る自分が20はあるのだと知っている。
悔しさと惨めさと苦しさ、劣等感からどう抜けられるものかと思っていた。動画サイトの中の先生が、自然な形でそれを超えさせてくれた。泥の中というのは思い込みに過ぎなかった。潜在的な目標の山をすでに2合目まで登っていたのだ。それは思い込みではなく冷静な事実だった。
どんなに自分の思い込みが事実から遠のいた認識を作り上げていたのか。事実をはっきりと見極めることで、自分が取り組むべきことがわかってくる。劣等感に振り回されず、やるべきことをやるという単純なことを取り戻した。決して一人では気付けることではなかった。動画の中の先生に「Thanks a million!!(百万の感謝を!)」と、教えてもらったフレーズでいつか直接伝えたいと思う。

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この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。
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2017-08-25 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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