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メディアグランプリ

怪しいと思っていたのに、いいねを押してしまった


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

【10月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《平日コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:ごとうみのり(ライティング・ゼミ平日コース)

 
 
「あれ、なんで葬儀系の広告が出るようになったのかな」
 
天狼院という字面をFacebookで見かけたとき、「院」という文字から寺を連想し、葬儀屋の広告だと思った。
葬儀屋が広告を出しているだけで、一過性のものかと思っていたら、タイムラインからなかなか消えない。
人生の大先輩の「友達」たちは、自ら葬儀屋をネットで検索するタイプとはほど遠い人達だし、自分で検索やいいね、を押した記憶もない。なんで葬儀屋の広告消えないんだろ。よっぽど金積んでいるのかなあ。葬儀業界儲かっているなあ。
 
それくらい、私の中で「院」という文字は日常で登場しない上に、寺や葬儀のイメージしかなかった。
 
天狼院=葬儀屋という式が成り立ったまま、久しぶりにパソコンでFacebookを開いたときだった。タイムラインの隙き間に登場した「友達かも」を何気なく見ると、これまで見たことがない人が登場していた。何やらスタバ的な飲み物を片手に笑っている坊主頭の男性だった。
何気なくクリックすると、その肩書きは天狼院書店店長。
 
あの、何度も何度も私のタイムラインに登場した天狼院。
葬儀屋ではなく書店だった、という衝撃があったけれども、まだ油断はできない。店長は坊主頭だ。
 
実は寺だったところを書店にしちゃいました、なのか、お坊さんをやりながら書店の経営もしています、なのか、新興宗教なのか。
よく分からないけれども、プロフィール欄に、趣味「読書」と書いている私は、この本屋に興味を持った。
 
そしてそこで「ライティング・ゼミ」に出会った。書けるようになる、という広告はそのときの私には救いの言葉でしかなかった。
なぜなら、私は年に2回、文章の締め切りに追われる生活を送っていたからだ。全国には私と同じように締め切りに追われている人が約100万人以上。人によっては3回の締め切りに追われている。
私の仕事は教師。そして締め切りとは、通信簿だ。
 
通信簿には所見欄というものがある。いわゆる、「先生から」の欄だ。記憶にある人もいるかもしれない。特に頑張ったことや、成長した部分、本人にとってちょっと耳が痛いけど聞いて欲しいことなどを文章で書く。
教師にとって所見は、通信簿における最後の砦だ。執筆中は寝ても覚めても所見のことしか考えられなくなる。30数人分の文章を書きながら、締め切り日が近づくあのキリキリとした感覚は、多分作家さんのそれと一緒だと思うし、提出後のスッキリ感も、多分作家さんのそれと一緒だと思う。
 
教師ではない夫からは、毎日こどもと一緒にいるからサラっと書けるっしょ、と言われるが、それは大間違いだ。
メモを取っているからネタには欠かない。けれども、1人のこどもの3、4ヶ月を面白く、丁寧に、抜けモレなく、しかも保護者にも読みやすく200文字でまとめるのは本当に大変だ。しかもそれが30数人分。通常業務をやりながらだ。
上手な人、下手な人がいるけれど、上手な人の所見は本当に面白いし読みやすいし、ためになる。もっと上手くなりたい。あわよくばもっと早く書けるようにもなりたい。これは私に限らず、全国の所見に悩める教師の願いだろう。
 
そんな差し迫った季節に、私は「ライティング・ゼミ」に出会った。怪しいよ。宗教かもよ。でも本屋が主催だ。もしも店主がただのお坊さんだったとしても、良い説法が聞けるかもしれない。所見が楽になるかも。新興宗教で逃げるしかないと思ったら、近くのコンビニに逃げよう。下調べちゃんとしよう。
 
所見が楽になれるかもしれない、という欲望と、色々な意味でやばい本屋かもしれない、という恐怖との葛藤の末、欲望が勝った。
 
行く前に、グーグルマップで東京天狼院から近いコンビニを調べたし、ついでに交番も調べた。いざというときにすぐにスマホで電話ができるよう準備もした。
 
準備は整い、いよいよ初日を迎えた。
 
第1講を終えて、やっぱり色々な意味でやばい書店であることが分かった。もちろん良い意味で。宗教ではなかったし、寺でも葬儀屋でもなかった。本屋だった。特に何か呪いをかけられることもなかったし、壷や石を買わされることもなかった。
 
この講座を受けてから、所見は前回の半分くらいの時間で完成した上、仮提出後の直しがほとんどなかった。前回は直しの付箋だらけだったのに。
直しがないのでそのまま本提出。前回よりはるかに成長した自分が見えた。
しかし、ライティングの技量が格段に上がったという実感はなかった。所見はゼミで教わった「肝」を元に日常のメモを並べ替えて文章にしただけだったし、毎週提出の2000字の課題をかなりさぼってしまっていた。そんな自分が書けるようになったのかは甚だ疑問だった。
 
人生を変えるライティング・ゼミ。
私の人生は変わったのだろうか。
それなりに内容のある所見を、早く書けるようになった。しかし、人生が変わった、とまで断言できる変化だろうか。
私は何が変わったのだろう。
 
もう少し早起きしたい、という思いは思いのままだし、「ダイエットしよう」も口癖のままだ。出版社で働きたいという想いも生まれないし、本屋に転職しようとも思わなかった。
たまの課題提出のために夜更かしはするようになったけれども、頻度は低い。提出はかなり不真面目だった。
ライティング・ゼミを始めたときから今までを振り返ってみるけれども、変わったところはなかなか思いつかない。
 
最後の課題提出くらいがんばろうと思って、メモ帳に文章の「肝」を書き広げてみる。なかなかどれもしっくりこない。
 
頭を悩ませながらふと、目を脇にやると図書館から借りてきた本の貸し出し期限が迫っているのがみえた。
その瞬間、私はこのゼミに参加する前と後で変わったことがあったことに気がついた。
 
それは読書量だった。
何かを書くためには自分の中にいろいろ詰め込んでいないと、出力ができない。こどもたちへの所見もこどもたちに関するストックを死ぬほど集める。同じように、天狼院で課題を提出するために、私の読書量は確実に増えていた。これを天狼院では脳内ストックと呼んでいる。
 
変わったというより戻った、と言った方が正しいのかもしれない。
10年ほど前に私は、読書禁止令を自分に出した。当時は高校3年生。そう、大学受験だ。体育会系で高校3年の引退ギリギリまで部活に勤しんだ私の成績は壊滅的だった。部活で疲れていても、本を1日2〜3冊読む生活だった。けれども、大学に行くために本を読む時間を全て勉強に充てると決めた。
みんなが勉強をしに行く学校の図書館も、私にとってはゲームセンターのような娯楽でしかなく、読書禁止令とともに図書館禁止令も出した。
 
無事、希望の大学に合格して存分に読書を楽しめるようになるはずだった。けれども、私の読書量は自分が思っているほど増えるどころか、高校生のときほどには戻らなかった。なんとなく物足りない気持ちではあるのに、研究のための論文と書籍は読めても、本に体が向かなくなってしまった。
 
ライティング・ゼミに出会ったのは、社会人になって、読まなくなったこと、に対して違和感をもたなくなった頃だった。
自分で自分にかけた呪いが、10年越しで解けたようだ。
読むようになってから、心も体も調子がいいし、休日が充実しているように感じる。
 
人は本当に呪われると、呪われたことにも気がつかなくなるらしい。まさに私は呪いが完璧にかかった状態だった。そして、天狼院に駆け込んだ。
坊主頭の店主の全8回の講義という名の祝詞によって、徐々に呪いは解け、私はまたたくさんの本を楽しめる人間に戻ることができた。
本来の自分が楽しいと思うことを取り戻せた、という意味で私の人生はきっと変わったのだ。
 
人生を変えるライティング・ゼミ。
謳い文句に嘘はなかった。確かに私は変わった。
所見は早く書けるようになった。ついでに各種報告書を書くスピードも上がった。そして、10年ぶりに本を読む楽しさを思い出した。
 
Facebookでページをフォローしているから、天狼院からの広告は日常的にタイムラインに登場する。もう葬儀屋の広告とは間違えない。
天狼院の興味のある投稿には、いいね、を押すようになった。
 
さて、私の友達のタイムラインにも、表示されているのだろうか。
 
 
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2017-09-27 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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