メディアグランプリ

「人生が変わったかもしれない」ライティング・ゼミ


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

【12月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《日曜コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:山本由紀子(ライティング・ゼミ日曜コース)

 

 

「4ヶ月間協力してくれてありがとう!」

月曜日の朝、いつものように出勤して朝礼で社員たちにお礼を言った。

8月から2週間に1回、京都の天狼院書店へ文章を書く勉強をするために岐阜から通った。

日曜日の夕方出かけて夜2時間の講義を受け、その日はホテルに泊まって月曜日の早朝に電車を乗り継ぎ朝礼までに帰る生活だ。日曜日にたった30分だけ仕事を早退して出かけるのだが、お客様も多く来店されている中を「お先に失礼します」と言うは気が引けた。社員の協力なしにはできないことだった。

 

 

呉服店を経営する私は店発行の新聞やブログ、挨拶状を書く事に最も多くの時間を使っている。同じ書くならお客様の心に響く文章が書きたいと思い、ライティングゼミに申し込んだ。

天狼院では講義を受けるだけでなく、自分でテーマを決め毎週月曜日の23時59分までに2000字の投稿をするというルールがある。

 

苦しんだのはその月曜日の投稿だ。何を書くか、テーマを決めるのに悩んだ。薄っぺらな話題や自分が経験していない事では2000字にならない。深いテーマを探そうとするとしっかり自分と向き合わねばならない。私は何者? 今まで何に感動した? 何を大切にしてどんな生き方をしてきた? それは書く以上に辛く大変な作業だった。

 

 

ほんの少し前まで本が嫌いだった私は三浦さんが言われた「読むことはストレスである」に激しく共感した。私の周りを見渡しても本が好きな人は10人に1人くらいのものだろう。なのに自分が書いた文章は読んでもらえるはずだと考えていた。

最後まで読むかどうかは読み手に選択権がある。書き手は読んでいただける文章を書くしかないのだ。こんな簡単な真実が自分の前に立ちはだかった。

 

書いても書いても「リーダビリティーが弱いですね」「コンテンツになっていません」の批評に自信はズタズタになり、何でこんなことを始めてしまったのだろうと後悔した。

だからこそ初めてWEBに投稿してもらえた時は有頂天になった。自分の文章だけでなく自分自身が承認された気になった。ところが喜んだのも束の間、また元に戻ってしまった。また真っ暗闇の広い広い宇宙に1人、放り出された。

闇の中で不安になったり絶望した時、人は必死に光を探す。たった小さな灯でも目指すべき目標が見えれば希望になる。「書くことは実践値だ」自転車に乗るには頭で考えるのでなくできるまでやるしかないと言われ、遥か遠くに小さな星を見つけた思いがした。とりあえずその星を目指そう!書くことを止めず締め切りまでに毎週投稿する事だけは続けようと決めた。

 

 

2000字書こうと思うと自分のことしか書けない。過去に起こった大きな事件や人生が変わった時のことを書くしかない。大好きな父が亡くなった時のことを記事にした時は父の思い出の曲、アンパンマンマーチをガンガンかけてグシャグシャに涙を流していた。事情を知らずに部屋へ入って来た夫が何事が起こったのかと不審そうな目を向けた。それでも何も聞かずに優しく放っておいてくれたのも今となれば思い出だ。

 

昼間の仕事の時間を使うわけにはいかない。早起きして自分の時間に書く、隙間の時間にテーマを絞り出した。それでも人生に感動することがそうそうある訳じゃない。最後の3回はもうダメだ!と観念しながらも出すだけでいいと半ば諦めて書いた。以外とそんなものに「面白かった」と批評を頂き、これで良かったのか〜とホッとした。そこには飛び上がるような嬉しさよりも自分との約束を守れた安堵感が漂っていた。

最後の講義で三浦さんが「みなさんは気づかないうちにもう文章が上手くなっているはずだ」と言われた。上手くなったかどうかは未だ分からないが読む人のことを考えて書くようになったのは事実だ。4ヶ月前迄の文章は独りよがりだった。それは文章だけでなく私そのものだった。

文章を否定されていたのは私自身の他人に対する接し方が間違っていたのだった。

 

 

最終の講義を終えたあくる朝「終わった〜」と思ったら身も心も自分で驚くほど軽かった。

「肩の荷が降りる」とはこういうことなんだろうと思った。暗闇と光に溢れる場所との行ったり来たり、一喜一憂の生活が重圧となっていた。期限までに投稿するだけもずーっと負担だったんだろう。朝礼で挨拶をした後、どっと寝込んでしまった。

2時間ほどして目がさめると青空にお日様が燦々と輝き、部屋は暖かい光に包まれていた。

真っ暗な宇宙から見た青い地球へ無事帰還した宇宙飛行士ってこんな気持ちかもしれないと思った。

窓を開け放して小春日和の暖かな空気を部屋いっぱいに招き入れた。お布団を干し大掃除をした。こんな気分になったのはいつ以来だろう?

 

「人生を変えるライティングゼミ」というタイトルに「大袈裟だな!」作家になるならともかく書くことがそこまでのものかと思っていた。

しかしこの4ヶ月で私の人生変わったかもしれないなと思う。

なぜ? と聞かれれば

今まで生きてきた自分としっかり向き合えたから、

自分が独りよがりの嫌な奴だったことに気づけたから、

と答えるだろう。

そして私はどんなに苦しくても自分との約束を守った!

きっとその自信を持ってどんなことにも突き進めると確信できる。

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この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。
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2017-11-29 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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