fbpx
メディアグランプリ

就活失敗したら人生が明るくなった物語


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

【2月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《平日コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:大塚翔平(ライティング・ゼミ平日コース)

 
 
これは、私の二つの人生の物語である。
そう、私は人生で二つの誕生日を持っている。
 
一つ目は、もちろん、私が生まれた日。そして、二つ目は、2016年5月。日にちは忘れてしまった。
時はさかのぼり、2015年12月、私の一度目の人生はいよいよ佳境に入っていた。就職活動、俗に言う「就活」である。結論から言うと、私はこの就活にことごとく失敗してしまった。就職活動の失敗には様々な形がある。「希望する企業に入れなかった」「仕方なく内定をもらった企業に入社した」「3年以内に退社してしまった」などなど、人の数だけ失敗もある。かくいう私も、大失敗した一人だ。
ところが、私の場合は他とは少し違う。
内定ゼロだ!
2016年度卒業生の内定率は、アベノミクス効果の追い風もあり、過去最高の95%を達成していた。この超売り手市場の中、40社近く選考を受けたにもかかわらず、私は見事に内定ゼロを叩き出してしまった。
 
「私はなんで生きているのだろう?」
 
当時の私は毎日生きる意味を探していた。この時から急に、今まで生きていたのは、錯覚だったのかと思うくらいに、生きるのが難しくなった。昔、思い描いていた輝かしい自分の未来なんて、現実にはどこにもなかった。本当の自分は、どこにも必要とされず、未来は暗闇しか見えてこない。周りは大手企業や外資系企業に内定が決まり、あまりにもキラキラしていた。
とにかく、生きているのが恥ずかしくなり、引きこもった。そして、一度目の人生は静かに、幕を閉じた。
 
二度目の人生の幕開けは、2015年9月、京都のとあるお寺から始まる。
引きこもり生活が続き、自我を失いかけていた私は、さすがに危機感を覚えた。このままでは本当に自殺してしまう。それだけは避けたかった。
 
話は逸れるが、私の先輩は就活自殺をしている。大学入学当時、とてもお世話になった先輩。地方からやってきたばかりで友達がいなかった私を、弟のように可愛がってくれた。優しくて、でも、芯がある人だった。月並みの表現だが、誰からも好かれる存在だった。その人が、大学四年の春に突然亡くなった。詳しくは知らされなかったが、死因は明白だった。彼の死を知ったとき、人生で初めて嗚咽したのを覚えている。頭が混乱し、真っ白になった。
そして、もう一つ、覚えていることがある。
それは、四十九日に彼の実家にお参りに行った時。
両親のあまりにも寂しそうな目が、今でも目に焼き付いて離れない。何か一言、声をかけることも、目を合わせることさえできなかった。
 
自殺はあまりにもむごい。自殺がどれだけ周りを不幸にするか、肌で感じた。そして、「彼が生きたかった分まで生きてやる」と心に誓った出来事だった。この出来事は、今でも私の生きる道しるべになっている。
 
引きこもりで意識がもうろうとしていた私は、幸運にも、この時の出来事を覚えていた。
「生きたい」この純粋な思いが、あるものを見つけ出す。それは、京都の亀岡に佇むとあるお寺での「禅修行体験」
文字通り、藁にもすがる思いで応募した。この時の私は、何でもよかった。ただ、生きる理由が欲しかった。
お寺での生活は、何てことなかった。三泊四日、朝の五時に起きて、座禅を組み、精進料理を食す。そして、夜の十時には就寝。この生活が、最高に心地よかった。生活リズムを整えるだけで、頭がすっきりする。この発見は意外にも大きかった。そして、この三日間で、私の第二の人生がいよいよ動き出す。
 
私はこの集修行を通して、様々な他人と出会う。禁酒目的できた社長、トラウマを抱えるサラリーマン、はるばる香港から来たおばさん、休学中の大学生。みんな何か問題を抱えている人達。
私はそんな彼らに助けられた。特に何かしてもらったわけではない。だが、私はこの時、生き方の多様性を知った。彼らは明確な自分の意志があった。自分の人生を正直に生きていた。私は、「どこかの企業に属さないとダメだ」「一流企業に入らないとダメだ」と勝手に生き方を狭めていた。今までは勉強して、大学行って、普通にサラリーマンになることが人生だと思っていた。それだけしか生き方を知らなかった。だから、その生き方を否定されたとき、私は生きる意味を失ってしまったのだ。おそらく亡くなった彼もそうだっただろう。日本の教育は勉強の仕方は教えてくれても、一番大切な、生き方までは教えてくれない。
 
お寺での修行を終えた私は、完全に就活を辞めた。そして、ある目標のため、ひたすら働いた。
その目標とは、海外留学。文字通り毎日働き、人生で初めて貯金した。初めて、本当の自分の意志で決断し、行動したのである。誰でもできるようなことを、私は今までしたことがなかった。全て人からの了承がなければ怖くて行動できなかった。人と同じでなければダメだと思っていた。
 
その硬い固定観念を生んだのは一度目の人生の私とその周りの環境。
そして、それを壊したのは、やはり、私。そして、周りの人達。
明確な目標を持ち働き始めた私はイキイキしていた。大変だったけど、とても充実していたのを覚えている。第二の人生が動き出した瞬間だった。
 
私は就活に失敗したことで、人生で最も大切なことに気づいた。
それは、
 
「自分の人生は自分のもの」
 
当たり前のようだが、これを実感している人は少ないと思う。以前の私は他人軸の人生だった。だけど、今は違う。
 
私はもう、怖くない。前よりも堂々としている。そして、人生を楽しんでいる。海外に行き、夢を見つけたからだ。
今はその夢に向かって、ライティング・ゼミをはじめ、一から勉学に励んでいる。
だって、まだ生まれて二年しかたってない赤子だからだ。
 
私にとって、就活に失敗したことは、人生の大成功!
これからの人生、どんとこい!
 
 
***

この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。
「ライティング・ゼミ」のメンバーになり直近のイベントに参加していただけると、記事を寄稿していただき、WEB天狼院編集部のOKが出ればWEB天狼院の記事として掲載することができます。

【2月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《平日コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

天狼院書店「東京天狼院」
〒171-0022 東京都豊島区南池袋3-24-16 2F
東京天狼院への行き方詳細はこちら

天狼院書店「福岡天狼院」
〒810-0021 福岡県福岡市中央区今泉1-9-12 ハイツ三笠2階

天狼院書店「京都天狼院」2017.1.27 OPEN
〒605-0805 京都府京都市東山区博多町112-5

【天狼院書店へのお問い合わせ】

【天狼院公式Facebookページ】
天狼院公式Facebookページでは様々な情報を配信しております。下のボックス内で「いいね!」をしていただくだけでイベント情報や記事更新の情報、Facebookページオリジナルコンテンツがご覧いただけるようになります。



2018-02-17 | Posted in メディアグランプリ, 記事

関連記事