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メディアグランプリ

「星野源」という扉


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記事:福田彩(ライティング・ゼミライトコース)
 
 
星野源さんの人気がすごい。
2016年、誰もが知るあの「逃げ恥」をきっかけに、人気爆発。
2016年の暮れから今日まで、引っ張りだこだ。
爆発としか言いようがない。
 
わたしにとっては元々、星野源さんはSAKEROCKというバンドで木琴を叩く人、だった。
2009年、SAKEROCKとしてフジロックに出ているのを見た。
後にも先にも生で星野源を見たのはそれっきりだ。
トロンボーンのハマケン(浜野謙太さん)が賑やかなのに対して、ちょっと静かな人だなぁ、という印象だった。
わたしの記憶が正しければ、曲の合間に「木琴はライブ毎に運ぶのが大変。お金がかかる。今日は頑張って持ってきた」というような話をしていたと思う。
 
SAKEROCKが解散してしまって、個人として活動を始めても、源さんはやはりなかなか人気があった。
ライブに行く友達を「なんだなんだミーハーなやつめ」と、思ったりしていた。
とはいえ、音楽や、あるいは演劇などが特に好きな人たちの間でだけ、知られていた存在だった。
 
それが、だ。
朝ドラに出たり、ゴールデンタイムのドラマに出たり、そうこうしているうちにあの「逃げるは恥だが役に立つ」だ。
アップテンポで、慌てたようなストリングスアレンジに華があり、ギター、ベース、ドラム全てのパートに名うてのミュージシャンが参加したあの「恋」だ。
「恋」は、個性的で可愛いあのダンスとともに、社会現象を巻き起こした。
そして星野源は、日本で知らない人はいないんじゃないかと思うぐらい、ポピュラーになった。
 
2009年、フジロックでのわたしと星野源さんとの距離、数十メートル。
2018年、距離は、計り知れない。
遠くへ行ってしまったもんだなぁと思うと同時に、日本のみなさんは、星野源さんの魅力を本当に理解しているのだろうかと疑問が浮かぶ。
テレビでよく見る、塩顔でフレンドリーで癒し系のお兄さん、だと思っているのだろうか。
確かにそれもそうだろう。
わたしだって、1回しか見たことないのに偉そうに言える口ではない。
しかしその表面的な魅力だけが捉えられて、源さんが消費されるようなことがあっては、我慢がならない。
 
わたしは声を大にして言いたい。
思うに源さんの一番の魅力は、源さんが「扉」になってくれることなのではないだろうか、と。
 
 
例えば。SAKEROCKの曲は何でも好きだが、わたしは特に「千のナイフと妖怪道中記」が好きだった。
この曲はYMOの「千のナイフ」と、ゲームソフト妖怪道中記のメインテーマを混ぜた曲なのだが……、わたしより若い人たちってYMOって言って分かるのだろうか?
わたしはこの曲をきっかけに、原曲の千のナイフを聴きまくった。
 
2017年5月にNHKで「おげんさんといっしょ」という一夜限りの番組が放送されたのだが、そこで源さんがYMO細野晴臣と共演しているのを見て、「おお、さすが源さん! 尊敬する人と共演できてよかったなぁ」と感動したものだ。
 
あるいは、源さんがマイケルジャクソンのことが大好きなのはよく知られているが、ブラックミュージックを基盤にして、モータウンサウンドや80年代っぽさを漂わせながらも全く古くない曲が「SUN」だ。
曲を聴いても、ミュージックビデオのダンスを見てもマイケルへのオマージュたっぷりだ。
わたしはこの曲を聴いて、マイケルをもっと聴きたくなりiTunes storeでアルバムを購入しまくった。
 
とにかく源さんが作るものにはバックグラウンドがにじみ出ていて、そこに興味がそそられるのだ。
しかもありがたいことに、もちろん源さんの得意分野は音楽だけではない。文筆活動も活発にしている。
エッセイ集を開けば、音楽に限らず、映画や漫画、あるいはお笑い芸人さんや声優さんなどなど、源さんがどんなものを好きなのか、そこに書いてあるのだ。
面白いものをたくさん紹介してくれて、一つ一つ味わっていたら、いくらあっても時間が足りないぐらい。
世の中にはこんなにも、面白いものがたくさんあるのだなと思う。
源さんはわたしに、知らなかったもの、知っていてもこれまで触れる機会のなかったものに触れる、そのきっかけをくれるのだ。
 
それって、外の世界と自分とを繋ぐ扉になってくれているみたいじゃないか。
自分の部屋に閉じこもっているのもいいけれど、たまには外の世界もどうだい? ここを開けてみないかい? と呼びかけてくれる扉だ。
わたしはそれを開けてみて初めて、世界の広さを目の当たりにする。
 
だから、ドラマや音楽番組などテレビを見て星野源さんを好きになった人に言いたい。
それを楽しむのもいいけど、それだけではもったいないと。
ぜひもう一歩踏み込んで、源さんが好きなものにも触れてみて欲しい。
そうすればもっと、源さんの魅力を感じられるのではないかと思うのだ。
 
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2018-03-10 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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