ジムの更衣室はマーライオンの棲家
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
【4月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《日曜コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:東儀舞子(ライティング・ゼミ日曜コース)
男性が女性の裸に興味があるように、女性同士であっても、女性が裸だったら見てしまうものです。
この人胸大きいな
いいお尻やな
痩せているな~
お腹ポヨポヨしているな~
おばあちゃん……胸でかくね?
ってね。
さて、公共の場所で裸が見える所といえば、「温泉」ですね。温泉では全員が裸になるので、タオルで前を隠していても、隠していなくても、裸でいることに違和感のない空間です。実際にはマナーとして多くの人が、タオルで身体を隠して見えないように振る舞うため、そこまで見えるものではありません。また自分も相手と同じように裸のため、ジロジロ見ることには抵抗が出て、じっと見たりはしません。
一方で、ジム(トレーニング)の更衣室はどうでしょう?
全員ではなく、一部の人がシャワーを浴びるために裸になる空間だと思います。
また、部屋の構造やロッカーも、体育館のロッカーと同じような形になっているため、私としてはシャワーを浴びるためだとしても、なんとなく脱ぎにくい場所です。なるべく、ギリギリまで身体を隠してシャワー室に駆け込みたいと思っています。
しかし、なせだか分からないですが、ジムですっぽんぽんになる女性のほとんどは、前を隠しません。それどころか
裸でうろうろ
裸で脱いだ服を片付ける
なぜか靴下が最後の砦……
という状態なのです。そのため、当たり前ですがお風呂場以上に身体が見えます。また、一部の人しか脱がないためすごく目立ちます。
さて、ここで、ジムで見える裸の女性はどんな身体をしているでしょうか?
お腹に腹筋のラインが見える
いやいや、男顔負けのばっきばき!
お尻は引き締まって上向き
足にはほどよい筋肉
形の良いおっぱい!
私は、「この人のくびれきれい!」、「ステキな腹筋……!」と、トレーニングのモチベーションに繋がるような身体を見たいと思うので、裸の女性が居るとしげしげと見てしまいます。見られているほうも隠していないので、見られてもいい(むしろ、見せたい?) くらいだと思います。
男性としても、温泉よりもナイスバディな女性が見える場所なのでは……? と思いますよね。
実際のところ、ジムの更衣室は「マーライオンの棲家」です。
マーライオンとは、シンガポールにある世界三大がっかり観光スポットの、あのマーライオンのことです。
私は、ジムに通い始めて3ヶ月になりますが、1度たりとも「この人の身体いいな、目指したいな」と思うような体型の人に出会ったことがありません。
何段腹!?
ちょちょちょ、パンツからお尻はみ出しているよ!
お腹に服のライン残っているよ……
堂々と裸の状態でいるので、期待して見てしまいますが、拍子抜け。「なんだその身体は! もうやめてー」という身体しか見たことがありません。
(じゃあ、通っているお前はどんな身体だよ! という質問にはお答えしません)
私は一度だけシンガポールに行ったことがありますが、その時もいくらがっかりだとわかっていても、やっぱり見にいきました。確かに「すごい、これがマーライオンか!」といった感動はなく、「あ、これね。これがマーライオンね」といった感想でした。同じように、もう結果がわかっていても、更衣室で裸の女性を見るとついつい見てしまいます。そしていつもがっかりします。
ナイスバディが期待できるはずのトレーニングジムの更衣室が、なぜ「マーライオンの棲家」になってしまうのでしょう。
ジムに行く理由は人それぞれですが、もっとも多いのは「痩せたいから」ではないでしょうか。痩せたいということは、痩せるまでの間は太っている。そして、周りもみんな同じような目的で、同じような身体でいます。普段ならば「太っている自分」はコンプレックスであり、隠せるものならなるべく隠したいものです。しかし、同胞が周りに大勢居ることがわかり、自分よりも太っている人を見たら「もしかしたら、ここでは自分の身体はそこまでじゃないかも!」と開き直ることができてしまいます。
その結果……ジムの更衣室で裸になっても、臆することなく、堂々と身体を曝け出すことになるのです。
ジムの更衣室には、理想の身体を求めた女性たちが…まだまだ目標には程遠い身体を、「みんなそうだし、さらけ出していいよね?」という暗黙の受容という優しい空間で大いに披露し合う場所なのです。そこには男性が求めている理想の女性像は居ないのです。
女子更衣室は「いつでも華園空間」は間違いです。中にはその華園を「目指している女性」しか居ない空間もあるのです。
***
この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。
「ライティング・ゼミ」のメンバーになり直近のイベントに参加していただけると、記事を寄稿していただき、WEB天狼院編集部のOKが出ればWEB天狼院の記事として掲載することができます。
http://tenro-in.com/zemi/47691
天狼院書店「東京天狼院」
〒171-0022 東京都豊島区南池袋3-24-16 2F
東京天狼院への行き方詳細はこちら
天狼院書店「福岡天狼院」
〒810-0021 福岡県福岡市中央区今泉1-9-12 ハイツ三笠2階
天狼院書店「京都天狼院」2017.1.27 OPEN
〒605-0805 京都府京都市東山区博多町112-5
【天狼院書店へのお問い合わせ】
【天狼院公式Facebookページ】
天狼院公式Facebookページでは様々な情報を配信しております。下のボックス内で「いいね!」をしていただくだけでイベント情報や記事更新の情報、Facebookページオリジナルコンテンツがご覧いただけるようになります。